第7話 戦争とデメリット

王国では魔王軍が防壁付近に到着し戦争が始まった。王国軍は王国騎士団と王国魔術団と志願した冒険者達、魔王軍は近接装備か魔術師の集団。

両軍はぶつかり、大量の魔術が飛び交う激しい戦争となった。

戦況は王様率いる王国軍が劣勢で魔王軍は指揮官は居ないものの数がとても多く優勢となっていた。


同時刻、魔王城では集合会議が行われていた。

魔王は仮面を被り、3人の魔族達は暗い顔をして跪き今後の作戦について話し合っていた。


『鑑定』(レベル5)(仮面の効果で失敗)

魔王 ? ?? 

スキル ???

ステータス ?

武器 魔剣


ルーク「ご報告があります、バレットが倒されました。」

その報告を聞いた魔王は声も無く涙を流し、3人の魔族達も悲しい表情を浮かべる。そんな中バーンは手を握り、覚悟を決めた。

バーン「魔王様、私をあの人間と戦わせてください!」

マナ「ダメよ、もしあなたも倒されてしまったら私達は戦争に勝てなくなるわ。」

バーン「お願いします魔王様、私はどうしても"あいつ"の仇を取りたいんです。」

/女神「あなたの好きなようにすれば良いと思いますよ。」/

バーン「ありがとうございます。」

ルーク「しょうがないですね、魔王様は私達で守るので安心してください。」

マナ「はぁ…わかったわ、王国との戦場には魔王城を防衛している戦力を参戦させるからあなたは全力であの人間を倒してきなさい!」

バーン「ありがとう…」

魔王軍は城を守っていた戦力を2人(ルークとマナ)以外全て戦場に向かわせて、バーンは勇者の元へ出発した。


バレットとの戦いを終えて数日後、勇者に女神からの着信があった。

女神「こんなにも早く魔王直属の配下を1人で倒してしまうなんてすごいですね、ですがこれからも魔王の配下と戦う事になるあなたに新しいスキルを授けましょう、欲しいスキルはありますか?」

勇者はしばらく考えた後に答えた

勇者「魔術を吸収できるスキルが欲しい」

女神「わかりました。」


『ドレイン』

魔術を吸収し自分の魔力に変換する

〈デメリット〉

このスキルを使用するには吸収対象に直接触れなければならず、使用中は移動する事ができない、攻撃魔術を吸収時、吸収スピードを上回るとその分ダメージを受ける、魔力その物は吸収できない。


勇者「今回のスキル、デメリット多くない?」

女神「これくらい制限しないと強すぎるので。」

勇者「そういえば今さらだけど、何で神様はデメリットの付いたスキルを作るのか教えて欲しい。」

女神「わかりました。まず私の役目はこの世界で全力で頑張っている生物の願いをなるべく叶えてあげる事ですが、あなた達の使っている魔力と呼んでいる力は、そのまま使うと寿命が失われます。強力な魔法を使うほど使用者の寿命は失われ足りなくなった時に、使用者の死と同時に周囲の生物と植物の寿命が奪われる。そんな力を多くの生物に使われたら困りますので私が魔術を考えまして、寿命を失わない代わりにデメリットを付けています。」

勇者「そうか…話してくれてありがとう。」

女神「そんな訳ですのでこれからも頑張ってください。」

通話終了

その夜、勇者は『ドレイン』のスキルの使い方を考えていた。色々考える中で理想のスキルを考えた後、いつものように『シールド』を使用して横になったが、眠る直前まで理想のスキルの詳細を考えて、絶対このスキルを女神に頼もうと思って眠りについた。すると『シールド』にヒビが入るような音がして勇者は飛び起きたが『シールド』は無傷で周囲に魔物や魔族は居なかった。勘違いだったと勇者は思い再び眠りについた。

次の日の朝、勇者はいつもの悪夢で目を覚まして、スキルと剣術の練習をするために『鑑定』で自分のスキル一覧を見た時、勇者は驚いた。昨日の夜に考えていた理想のスキルが手に入っていたのだ。夢かと思い頬をつねるが夢ではなかった。もしかしたら女神様が寝ている時に内緒でくれたスキルかもしれないという結論にたどり着き、女神様に心の中で感謝してスキルを練習し始めた。


『魔術タンクシールド』

魔術をこのスキルに溜める、(溜まった魔術のエネルギー=物理強度を)消費する。

〈デメリット〉

溜まった魔術が容量限界を越えると大爆発を起こす、一度入った魔術は使用者のコントロールを失う。

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