第6話 VSバレット

勇者は前からたまに見ていた断片的な悪夢(女神に読心を使った時に見たものと同種類)が最近は頻繁に見るようになった。悪夢を見た朝は内容を『記憶定着』で覚えているので、真剣に考えながら生活し、少しずつ着実に魔王城に向かって1人で旅を続けていた。

そんなある日、開けた場所(盗賊団アジト跡地)で勇者はバレットと出会った。


『鑑定』(レベル4)

勇者 男 人間

スキル『火』『水』『風』『シールド』『回復』『剣術』『察知』『他言語理解(人語)(魔族語)』『隠密』『鑑定』『アイテムボックス』『テレポート』『読心』『記憶定着』『聖剣化』『運命』

ステータス HP、スピード、スタミナ、魔力が高い

      攻撃力、防御力が低い


バレット 男 魔族

スキル『身体強化』『拳闘術』

ステータス HP、攻撃力、防御力が高い

      スピード、スタミナ、魔力が低い


バレットは両手にガントレットを装備している大男だった。

バレット「よぉ、強そうな人間、俺と勝負してもらうぜ!」

そう言い終わると同時にバレットは勇者に襲いかかった。

初撃はバレットの突進からの右手の強力な一撃、それに対して勇者は剣に『聖剣化』を使用して攻撃する。2つの攻撃はぶつかり、勇者が衝撃で後ろへ下がり、魔族語で話しかけた。

勇者「初めまして」

バレット「なんだお前、俺達の言葉分かるのか?」

勇者「はい」

バレット「じゃあ一応聞くがお前は何処に行くつもりだ?」

勇者「魔王城に行って魔王と戦う。」

バレット「そうか、ならお前を行かせる訳にはいかねぇ、俺と全力で戦ってもらうぜ!」

その言葉を最後に戦闘が始まった。

バレットの右手大振りの攻撃に勇者は『聖剣化』した剣を両手に持って攻撃し相殺させ、2撃目(左手)の攻撃は『シールド』を空中で発動し操って受けるが後ろに下がらされる。

次にバレットは右手の大振りを剣で止められてからの左手に見せかけ右足の蹴りをした。勇者は『察知』によりギリギリ『シールド』で守り抜くが、今まで以上の強い攻撃で『シールド』がボロボロになってしまう。

対してバレットはノーダメージではあるが勇者の『聖剣化』に嫌な何かを感じていた。

バレット「そんなもんか人間、もっと攻めて来いよ、じゃないと終わっちまうぜ!」

そう言うとバレットは『身体強化』を使用した。


『鑑定』

バレット 男 魔族 (身体強化使用中)

スキル 『身体強化』『拳闘術』

ステータス HP、攻撃力、防御力が超高い

      スピード、スタミナが高い

      魔力が低い


『身体強化』

一定時間身体能力が強化される。

〈デメリット〉

強化時間が終わると元のステータスから上昇していた数値分が引かれしばらく弱体化してしまう、連続使用はできない(弱体化の時間が終わるまでは)。


バレットの動くスピードが上がり、全力の両手攻撃

で勇者の『シールド』は破れ、剣を破壊しようとするが、剣は壊れずに勇者がダメージを受けながら大きく後ろに下がるだけだった。

勇者はすぐに『回復』で体勢を立て直し『シールド』を再発動するが、形を板状から今度は少し湾曲させた。そこへバレットが攻撃をした時、『シールド』で攻撃を受け流しそこへ剣で反撃、バレットは咄嗟にガントレットで受けて下がる。

バレットは再度、両手攻撃を仕掛けようとするが近付かれる前に勇者が2人の間に『風』を爆発させて互いに下がらせ攻撃をキャンセルさせた。

そこから勇者は今までの繰り返しで、片手+いなせる攻撃は『シールド』で受け流し、剣で反撃orいなせない攻撃の対応、両手攻撃は『風』でキャンセルさせる、失敗したら終わりのギリギリの戦いを続けた。

そしてバレットの『身体強化』の時間が終わり、弱体化により息を切らしギリギリで立っていた。

勇者「最後に聞きたい、お前にとって魔王はどんな存在だ?」

バレット「魔王様は俺達の王であり希望だ、少し頼りない所もあるがいいやつなんだ。」

勇者「そうか…」

バレット「さあ、魔王様と戦いたいなら俺を倒して行きな!」

そう言ってバレットはフラフラの体で両手を広げ勇者の前に立ち塞がった。勇者が剣を構えると、剣が黒いオーラを放ち振り下ろされ黒い斬撃がバレットを消し去った。その場に残った勇者は剣を鞘に収めて、『回復』を使い、前に進んで行った。

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