第3話 生活の安定
勇者が森に入ってから一週間がたった。
最初は夜襲が怖くて寝ることができなかったが、少しずつ魔物の気配がわかるようになったり、寝る時に広く周囲を包むように張れるようになった『シールド』の割れる音(ガラスが割れる音)がすると瞬時に起きれるようになった事で夜はしっかり眠れている。
自然習得スキル
『察知(不完全)』
周囲の生物の反応と行動がわかる。
〈デメリット〉
無駄な情報も頭に入ってくる。
昼間はひたすら食べ物を探した。
実の成った木を『風』の刃で切り倒し、実は食べて木は夜の焚き火に使った。
魔物を見つけたら『隠密』で近寄って倒して食事にした。
伸びる髪や爪は『風』の刃を操って切っていた。
さらに服や体が汚れるので、服は『シールド』を洗濯板の形にして『水』で洗い、『風』で乾かす。体は全裸で『水』を浴びる(服はシールドで包んでおく)
そんな生活を送ってしばらくして、自身の魔力総量が少しずつ上がってきた頃に女神から着信があった。
勇者「もしもし」
女神「お久しぶりですね、お元気そうでよかったです。そんな頑張っているあなたに新しいスキルをあげましょう、何か欲しいスキルはありますか?」
勇者「食べ物の持ち運びを楽にしたいから、何でも入れられる異次元収納が欲しい」
女神「わかりました」
女神は『アイテムボックス』を作ってくれた。
『アイテムボックス』
色々な物を異空間に入れて移動する事ができる。
〈デメリット〉
入れた重量だけ使用者の重力が増す(レベルアップによりかかる重力は少しずつ減っていく)
女神『これからも頑張ってくださいね!』
通話終了
場所[魔王城]
その部屋には4人の強い魔族の男女が横一列に並んで跪き玉座の背で見えないが魔王が座っていて、作戦会議をしている。
『鑑定』(レベル2)
バレット 魔族 男
スキル『身体強化』『拳闘術』
バーン 魔族 女
スキル『火』『剣術』『身体強化』
ルーク 魔族 男
スキル『短剣術』『二刀流』『風』『テイム』
マナ 魔族 女
スキル『火』『風』『シールド』『回復』『予知』
ルーク「予定どおり全戦力の内2/3を王国へ向かわせ残りは王国の奇襲に備えて待機させました。それと、人間が1人こちらへ少しずつ向かって来ています。」
マナ「それはおかしい、今のあの森は魔王様の保有された大量の魔力が世界中に流れ出し魔物が凶暴化していて人間が1人で歩けるような状態ではないのに」
バーン「その人間の周りに仲間は本当に居ないんですか?」
ルーク「えぇ、その人間は1人で魔物を倒し森の中で生活しながら着実にこちらへ向かって来ています。」
バレット「その人間なかなか強そうじゃねーか。」
マナ「王国の罠の可能性は無いの?」
ルーク「その人間は誰にも連絡を取っておらず、王国の全戦力が守りの体勢を取り初めていて、あまり関係があるとは思えない。」
バレット「結局その強そうな人間がこっちに来てんだろ、だったら行って確かめてやろうじゃねーか! そう言う事だからよ魔王様、俺がその人間と戦いに行っても良いかい?」
バーン「だったら私も一緒に行きたいです。」
バレット「いいや、タイマンで戦ってそいつがどんなやつで、どんだけ強えーか知りたいんだ、2対1なんてつまんねーからな」
バーン「…」
/女神「良いと思いますよ」/
バレット「サンキュー魔王様、そんじゃ行ってくるわ」
会議は終わり、バレットはすぐに勇者の元へ向かった。
マナ「1人で行かせてよかったの?」
ルーク「あぁ、あいつは言い出したら聞かないからしょうがない」
マナ「魔王様はどちらへ?」
ルーク「魔王様はバーンに誘われて剣術の練習に行ったよ、バーンが(あいつと一緒に行けなくて寂しいから剣術で気を紛らわせたい)だそうだ」
マナ「かわいそうに」
ルーク「まぁ恋心に気付かずに強者との戦いに行くやつだから今のままじゃどうしようもないな。」
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