第2話 旅の始まり

勇者は王国の人間達囲まれた魔術陣の中心に立っていたが、女神に送られる直前に『隠密』を使っていた。


『鑑定』(レベル1)

勇者 (隠密発動中)

スキル『火』『水』『風』『シールド』『読心』『隠密』『鑑定』『記憶定着』『聖剣化』『運命』


王様「勇者召喚はどうなった?」

配下「魔術は問題なく発動しましたが、誰も現れません。」

王様「再度、召喚を求めよ。」

配下「もう魔術陣に魔力を送っても何も反応しません。」

王様「くそぉ、これでは魔王を殺す事ができず、さらに魔族共の進行を許してしまうではないか、仕方がない皆の者防衛戦の準備だ、全戦力を以ってこの国を守るぞ!」

配下達「おー!!!」

配下達が部屋から出て行く中、勇者もそれに続き一緒に移動して出口を探す。途中で集中力が切れそうになりながら王城を脱出し町中へ入って、誰も居ない場所で少し休憩した。

勇者(心の声)(はぁー疲れた、兵士の後ろを慎重に歩くの大変だったー。いや、まだ安心するのは早いな、ここから王国を出て魔王城に向かえばって俺、魔王城の場所知らないじゃん、どうしよう)

そこへ勇者のスマホの着信音が鳴った

女神「ごめんなさい、言い忘れていましたがあなたが手に入れた『運命』のスキルがあなたを魔王へと導いてくれますので安心して進んでくださいね。頑張ってください!」と言って通話が終わった。


『運命』

世界に2つしか無いスキルで互いに引かれ合う、決められた目的以外で死ににくい。

〈デメリット〉

2人のスキル所持者はどちらかが死ぬまで戦い続ける。


『聖剣化』

勇者専用スキル、勇者が持っている武器を聖剣にする事ができる。聖剣は頑丈で人間が恐れる存在に対して多くのダメージを与える武器。

〈デメリット〉

人間が恐れていない存在に対してはただの頑丈な武器、勇者の手から離れると効果は失われる。


それから勇者は再び『隠密』を使い町中を通り、道に迷いながらも王国から出て、平原を通って森の中へ入る事に成功した。

森に入った勇者は木の枝を折って持ち、木の実を何個か採って『鑑定』して食べた。しばらく歩くと一匹の熊の魔物がいたので、『隠密』を使って近付き木の枝に『聖剣化』を使用して頭に突き刺した。暴れる熊の魔物の攻撃を怖がりながらシールドで防いでいると、すぐにに動かなくなった。

その夜は木の枝を集め『火』の魔術で火をつけて、水魔術を飲み水にして、熊の魔物の皮を『風』の刃で剥いで食べれそうな所を焼いて『鑑定』して食べた。残った皮は『水』で洗って『風』で乾かして、今着ている日本の動きやすい私服の上から着る事にした。そしてほとんど魔力を使い果たした勇者は火を消し『シールド』で自身を包んで夜明けを待った。多くの魔物が生息する森の中、いつ襲われるか分からない恐怖で木の枝を持って夜を過ごし、眠れない日々が続いた。

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