俺は...知りたい。

今日も彼女の家にお邪魔することにした。


今日、先輩はどうしても来ることが出来ないらしい。だから、俺がしっかり彼女を見守っていないといけない。


「先日は途中で帰ってしまい申し訳ありませんでした。」


「いいえ、来てくれただけでも、嬉しいのよ。」


まだ彼女は1度も部屋を出ていないという。


食事も...ほとんどしていないそうだ。


「今日は、お願いがあって来たんです。」


事情を説明して彼女の部屋に案内してもらった。


「なんで相談してくれなかったの...なんで頼ってくれなかったの....なんで..なんで置いていくの...。」


部屋の前に立つと、彼女が泣き崩れているのが直ぐに分かった。


怒りなのか、寂しさなのか、悲しさなのか、もう何も考えられないのか。この状態では、両親でさえも寄り添うことが困難であるのはこの状態から感じ取った。


「都さん。俺の声聞こえますか?」


しばらく沈黙が続いた。


「渡さなければいけないものを持ってきたんです。開けてくれませんか?」


....ガチャッ


思っていたよりすんなりその扉は開いた。


「渡さなければいけないものって....なんですか....??今の私に渡すものなんてあるんですか....。」


俺は、黙ってそれを彼女にみせた。


【洸へ】


手書きで書いてあったこのメモと共にSDカードがついていた。


「何...これ...??」


彼女はそう言いながらパソコンを開いた。


彼が何を伝えようとしていたのか、俺は知りたい。

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