彼女の姿は...。
翌日、教室に彼女の姿はなかった。
あの後何かあったのだろうか...。
スマホからの着信音があった。連絡先を交換した彼女からだろうか??そう思い画面を見たが、その電話は実家からだった...。
「戸琵君いますか?!」
「茅野先輩??どうしたんですか?」
全力疾走して来たのだろうか、息が上がっている。なにやら急ぎの用事みたいだ。
「都ちゃんが...都ちゃんが大変なの!!えっと..昨日あの後電話したみたいで、それで...。」
「茅野先輩落ち着いてください。ここでは騒ぎになりますから別の場所に行きましょう。」
彼女の身に何かがあったことは分かった。先輩の様子を見た感じ、穏やかではないようだ。
「都さん、何かあったんですか?」
「都ちゃんの彼氏さんが....自殺してたそうなの....。」
「自殺...?」
彼が自殺した。嘘みたいな話だ。
だが、先輩がそんな嘘をつくはずは無い。ましてや彼女が何もなく急に休むことは無いだろう。
「それで、都さんは..?」
「朝一にその連絡をしてくれたっきりで何も応答がなくて...!!もし同じことをしようとしてるなら都ちゃんを止めないと...!!!」
周りの誰かがいなくなるのは嫌だ。
彼女が彼に続いて自殺しようとしているのなら、止めなくてはならない。
「先輩、都さんの所へ行きましょう。そして、一旦気持ちの整理をしましょう。」
「そ、そうだね。都ちゃんの家に案内するよ!」
先生達へ事情を説明し、彼女の家へ向かった。
「すみません、部長の茅野です。都ちゃんはいらっしゃいますか?!」
「茅野さん...洸はいるにはいるんだけどね...全く部屋から出てきてくれないのよ..。とりあえずあがってって。」
彼女の母は申し訳なさそうな声色をしていた。
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