テスト結果。
ある日の部活動中、俺に対して茅野先輩が話を振ってきた。
「戸琵君は、中学校時代は何部だったの?」
凄く、唐突だった。
「俺も男子バスケ部でした。中学2年生頃までは...。それ以降はその学校特有の文化部に所属していました。」
「男バス....。運動もできるのね!」
運動も、と先輩が言っているのは、部活開始前にテスト結果の発表があったからだろう。
俺は都さんを差し置いて首位を取っていた。
満点とまでは行かなかったが、そこそこの点数を取れていた。
「首位を取れなかった....。」
転校生に首位を取られたという驚きで、彼女はしばらく落ち込んでいる。
「都ちゃん、元気だして..ね?」
「元気はあります。ですが....正直戸琵さんがここまで知能のある人だと思っていなく、驚いています...。」
確かに、この見た目ではあまり想像が出来ない。
「とりあえず、都ちゃん。彼氏さんの勇姿を撮るために部活動頑張ろう。ね?」
「はい...。」
「彼氏さんの勇姿...。何かあるんですか?」
ふと、気になった。
「都ちゃんの彼氏さんはバスケをする為に福岡まで行ってるの。そこで代表選手に選ばれたらしくって!!」
「ですが、地方なので全国大会まで進出しなければ私は見れないんです。」
なるほど。その為にできるだけの準備をしているということか。
「彼氏さんを応援しないとですね!!」
彼に応援の言葉を送りたいと思った。
そう発言した途端、彼女の顔が暗くなった気がした。
「そうなんですが...最近忙しいのか音信不通なんです。あと少しで1ヶ月になります。」
どうやら、俺の悪い予感は当たっていた。
茅野先輩が心配していた部分もこの事だろう。
「都さん、彼氏さんの自宅にはかけてみたらどうですか?」
「それは迷惑かけてしまうかと思い、してませんでした...。1度連絡をかけてみます。」
何も無いといいのだが...。
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