シャッター音と彼女。
ある日の放課後、俺は先生からお願いされた部活動見学をしていた。
運動部は、自分の中で選択肢には無かった。一人暮らしには、大変だと考えたからだ。かといって、文化部に興味がある部活動があった訳でもなかったので、フラフラと歩いていた。
カシャッ📸
「ん?」
カメラのシャッター音が聞こえた気がした。
「先輩、撮る時は許可を撮ってからです。」
と、背後から聞き覚えのある声がした。振り返ると、そこには彼女がいた。
「ごめんなさい、つい...」
誰だろうか?彼女の隣にカメラをかかえた生徒がたっていた。先輩と呼んでいたから、年上だろう。
「戸琵さん、先輩が申し訳ありませんでした。綺麗だと感じた人を撮る癖があるそうで、よく無許可で撮ってしまうんです。」
「全然、俺は気にしてないから問題ないよ。えっと....」
「すみません、自己紹介の機会がありませんでしたね。都(みやこ)洸(ひかる)と言います。戸琵さん。」
都洸、それが彼女の名だった。
「えっと、戸琵くん?かな。突然写真を撮ってしまってごめんなさい!あまりにも容姿が綺麗で写真映えしそうだったから...。」
先輩は、申し訳なさそうにそう話した。
「本当、気にしてないので。大丈夫ですよ。」
「ありがとう...!!!一応、フォト部の部長をしています茅野(かやの)日菜子(ひなこ)です。都ちゃんのクラスに来た転校生...よね?」
「はい、戸琵帝と言います。茅野先輩?」
転校生は、学校内でも有名になるのだろうか?それとも彼女が俺の話をしたのだろうか。
「うん、部活動見学してるみたいだから私たちの部活見ていってくれたりしないかなって、お誘いします!!見学だけでも、どうかな?」
フォト部というと、写真部みたいな事だろうか?
特に見に行きたい部活動は無かったし、彼女が所属してる部活動というのが少し興味が湧いた。
「どの部活動に見学すればいいのか迷ってたので、助かります。」
そう言って、フォト部の部活動見学へ行くことにした。
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