かっこいい彼女。

ここの学校へ入って早々、テストがあるという話だ。

切羽詰まっている生徒もいれば、机に向かって勉強している彼女のように勉学に励みながらも余裕そうな生徒もいた。


範囲が配られるのは来週らしい。それまでにある程度の目星は付けていなければならなそうだ。


「帝君は、転校早々テストになるけど、大丈夫なの?」


と、まだ名前を覚えきれていないクラスの女子から話を振られた。

前の学校ではある程度勉学に励んでいたつもりではある。自分なりには。そこで俺は、


「なんとも言えないかな..。」


と、返事をした。満点を取るなんていう自信はない。


「そっか...、何か手伝えることがあればいつでも聞いてね。少しずつ慣れてきたら色々話そ!」


「ありがとう。」


少し、素っ気なかった。と、1人で反省した。話す事が苦手という訳ではないけれど、話を繋げることには慣れていない。

特に仲というものがまだそこまでない人とは...。


「イケメンだし、クールな雰囲気が本当に良すぎるよね。」


「でも、少しまだ近寄り難いかな。」


「銀髪似合いすぎる。」


なにか、騒がしい気がするのは気のせいだろうか。まぁ、休み時間というのは勉強のリラックスタイムでもあるということだろう。


「うるさくて、静かにして欲しいと思っている人達は多いと思うのだけど、静かにお願いできませんか?」


と、先程まで勉学に励んでいた彼女が発言した。俺の中でカッコイイと感じた。


だが、皆はそう感じないらしく。


「休み時間なんだから、そのくらい良くない?そこまで減るものでもないと思うんだけど?」


「せっかくの楽しい雰囲気壊さないで欲しい...。」


両者の意見は、どちらも正しいとは言えない。空気を読むという事は、とても難しいものだと実感した。


「そう、なら私は失礼します。」


言われた言葉を聞き逃すように、彼女は教室を出ていった。


俺は、少し彼女の行動に興味を持った。

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