芝草司令官
芝草の都での戦いがつづく。
ベイケたちは芝草特殊部隊に遭遇した。動きの機敏な芝草兵士だ。白と朱色の甲冑を身に着けている長剣使いの部隊だ。芝草特殊部隊は後ろから走って近付いてきた。気になって後ろを向いた時、その接近に気付いた。気付かずに後ろから襲われていたら危なかった。
しかし、正面きって対峙してみれば、ベイケたちの魔術の方が芝草特殊部隊の移動力より速く、対処できない敵だというわけではなかった。
ベイケが毒魔術で芝草特殊部隊を倒した。ベイケの攻撃先取りは、背後から襲ってくる敵にも有効なので、ベイケに限っては、気付かずに背後から攻撃されていても無傷だっただろうと思われた。
ミシアが杖の斬撃(物理魔術)で芝草特殊部隊を倒した。ミシアの斬撃は、素早く動く芝草特殊部隊の体を外すことなくとらえ、攻撃を当てた。
ノアミーが契約魔術の雷撃で芝草特殊部隊を倒した。
ウォブルが重力操作で芝草特殊部隊を押しつぶした。
四人は二十体の芝草特殊部隊を倒した。動きの速い相手で集中力のいる戦いだった。四人の体力が尽きてくる。
四人は芝草特殊部隊のやってきた方向を推測して、その道を進んだ。そして、芝草重装歩兵に出会った。
芝草人形の体でよく重装歩兵の装備が身に着けられるものだ。芝草兵士の不思議なところだな、とベイケは思った。
すぐに、ベイケは毒魔術で芝草重装歩兵を倒した。
ミシアが杖の斬撃(物理魔術)で芝草重装歩兵を倒した。
ノアミーが雷撃で芝草重装歩兵を倒した。
ウォブルが重力操作で芝草重装歩兵を押しつぶした。ウォブルが全力で重力操作を使うと、芝草重装歩兵はぺしゃんこになってつぶれた。
残っていた芝草重装歩兵の槍を、ベイケが毒魔術で攻撃を先取って倒す。ベイケの攻撃先取りが、相手の時間を壊し、毒時間を挿入している。その毒時間からベイケに活力が流れてくる。時間を毒で壊す魔術師ベイケになりつつあった。
四人はまだ無傷だ。
次の攻撃では、ベイケは毒魔術で芝草重装歩兵を瞬殺した。
ミシアがそれを見て、杖の斬撃(物理魔術)で芝草重装歩兵を瞬殺した。
ノアミーが契約魔術の雷撃で芝草重装歩兵を瞬殺した。
ウォブルが重力操作で芝草重装歩兵を瞬殺した。
芝草重装歩兵の装備を見て、芝草兵士はこの辺りを厳重に守っているようだとベイケたちは気付いた。広い芝草の都で、この辺りは芝草兵士の精鋭度が高い。この辺りに何かあるなと四人は感じるものがあった。重要拠点の気配を感じる。
そして、見てまわると、芝草兵士が厳重に守っている建物があり、四人はその建物に侵入した。
とうとうベイケたちは芝草司令官の居る建物の中にまでたどりついた。芝草兵士の指揮をとっている命令中枢だ。ここを攻め落とさなくてはならない。
芝草司令官は大きなヘルメットをかぶっただけの普通の芝草人形だったが、どんな準備がされているのかわからず、油断ができない。しかし、ここまで攻め込んだ勢いでこのまま打ち倒したい。
芝草司令官は攻撃してこない。大きなヘルメットをかぶって、「このままでは都が落ちる。どうしたらいいんだ」と相談を持ちかけていた。
「司令官、とうとう、敵が司令部にまで攻め込んで来ました」
「それはたいへんだな。早く押し返せ」
といっている。
「司令官殿は戦わないのでありますか」
と芝草兵士が質問すると、
「私はこのヘルメットをかぶっていることが唯一の仕事なのだ」
と答えた。
ベイケが個人魔術の毒魔術で芝草司令官を攻撃する。芝草司令官はそれをまともにくらってしまい、大きな傷を受ける。まわりの芝草兵士が司令官を守るために突撃してくる。ウォブルがまわりの芝草兵士たちを宙に浮かせて、動けなくさせる。宙に浮いた芝草兵士が火炎魔術で攻撃してきたが、ベイケが毒魔術で火炎魔術を打ち消した。
ミシアが杖の特大の斬撃(物理魔術)で芝草司令官をぶった斬った。芝草兵士たちを指揮していた芝草司令官は体が真っ二つになってしまい、そのままぶっ倒れた。さっきまで「必ず勝利する」と断言していた芝草司令官だったが、このようにあっけなく倒されてしまった。しかし、司令官が負ける時など、こんな感じなのかもしれない。
芝草司令官を倒したのはミシアだったな、とベイケは正確に識別した。芝草司令官を倒したことが、どれくらい重要な意味を持つのか、それは現状ではよくわからない。
ノアミーは、宙に浮いた芝草兵士たちに雷撃をくらわせる。
宙に浮いた芝草兵士たちをベイケとミシアが少しずつ倒していき、十分もたつとその部屋の芝草兵士はみんな倒されてしまった。
こうして、ベイケたちは芝草の都の芝草司令官を攻め落とした。
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