ファイル19 最後の作戦会議

「「おじゃましまーす!!!」」

俺たちは靴を脱ぎ捨てて、急ぎでVの家の中に入る。

俺はVの家に入ると、すぐに2階に蒼と一緒に向かった。

「蒼!お前の部屋はここか?」

俺はとある部屋の前に立って指をさす。

「うん!そこ!」

「それじゃあお邪魔させてもらうぞ!」

俺は蒼の部屋のドアノブを掴んで開ける。

「ここが蒼の部屋か…」

蒼の部屋は特になんの変哲もなく、勉強机の上にパソコンが置いてあり、その机の横にはベットがあるだけの特に変わったところの何も無いような部屋だった。

「とりあえず、部屋の中から探すぞ?」

「うん」

俺は蒼の部屋をあさる。

「蒼はとりあえず何かパソコンの中に変なファイルとかあるか探してくれないか?」

「あ、うん!分かった!!」

蒼はパソコンを開くと、異変はすぐに分かった。

「ん?こんなアカウントあったっけ?」

「「何!?」」

俺は蒼のパソコンを覗き込んだ。

そこには「SOU」と書いてあった、アカウントと下に、Dと書いてあるアカウントがあった。

「もしかしてこれか?」

「かもしれない」

「このパソコン、前まであったんだよな?」

「うん。そうなんだけど、そもそも僕はあんまりこのパソコンを使わなかったんだ…だから気づかなかったのかも…」

「なるほどな。」

俺は納得して、パソコンのカーソルをアカウントに合わせる

アカウントのボタンを押すと、何か、文字を打ち込む入力欄が出てきた。

「これって…」

「パスワードを入力しなければいけないのか」

「ど、どうしよう…」

「大丈夫だ!こう言うのの専門家に俺は心当たりがある!」


俺は1階で作戦会議を聞いている、ツヴァイを呼び出す。

「ツヴァイよろしく頼むぞ!」

『うん!任せて!』

ツヴァイはパソコンの中から、俺の返事をする。

ツヴァイは両手から電撃を放出させると、ほぼノータイムでパスワードが入力され、すぐにアカウントのロックが外れた。

『いっちょあがり!!』

「ありがとう!そのままそこで待機していてくれ」

『ほーい!』

俺はマウスで、ファイル1と書かれたファイルをクリックする。

クリックすると、すぐにまたパスワードの入力欄が現れる。

「まただ。ツヴァイ!」

『りょーかい!』

ツヴァイはロックを解除すると、「実験ファイルまとめ」と書かれたところをクリックする。

これって…………____________



俺はVの家のリビングにて作戦を立てているグループに突入する

「おい!!もしかしたら、ユミーを生かして止める方法があるかもしれない!!!」

俺の言葉に一同は少し時間をいてから、「ほ、ほんと!?」などと俺に聞き返す。

「あ、ああ!!本当だ!!とりあえず、落ち着いてくれ!!」




「で?どう言うことなんだ?」

俺はアズキの質問に答えるため、リビングの中心に置いてある机にパソコンを置いた。

「これを見てくれ!」

俺の出した、ノートパソコンには青の騎士の体の構造を説明した文や絵の描いた、ファイルを見せる。

「これはな、あの今、東京の中心で暴れている怪物の体の構造だ。


あの怪物は一見すると、普通の人間の骨格に、見えるような骨と、甲殻類に似た甲羅をしている生物だ。

「だが、あの怪物には甲殻類や、人間とは違う部分が一つある。

「それってもしかして…」

「あれは所謂、元が人間というよりも、本体が人間なんだ。そのため、脳みそは無い。そのため、頭の中はほとんど空っぽだ。その中に人が入れるスペースのようなものもある。もしかしたら、デトラルは空っぽの頭に乗って高みの見物でもするつもりだったんじゃないか?」

「なるほど、巨大ロボのようなものか」

「ああ。そして、もしものことがあった時のために、その空っぽの頭の中に眠った本体が、上半身だけ露出した状態で、手とかを肉の紐で締め付けられているんだ」

「つまり、本体は身動きが取れないってことか?」

「そう言うことになる。それにデットモード中は眠ったままだ。本体を叩き起こすなんて夢のまた夢」

「な、なるほど。ですが、私はあまりこの情報を聞いてとてもじゃ無いですけど、止められる自信はありませんよけど?」

「待て待て、この次に書いてあることに注目して欲しいんだ。」

「「ん?」」

全員が机の上のパソコンに目を寄せる。

「あの怪物の電脳マインドの止め方が分かった。ユミーは電脳マインドで直接的に、操作されてでも無い限り、気を鎮めるような何かがあれば、すぐに落ち着くらしい」

「ど、どう言うこと!?」

「今のユミーの状態は要するに自動運転モードということだ。もし、手動運転。つまり、リアルタイムで電脳マインドの操作がない限り、ユミーの殺人衝動を抑えれば、電脳マインドの効果もなくなって自動運転も停止する=ユミーを止められるわけだ!!」

「と言うことは…ユミーの頭に入って本体の魂を落ち着かせられれば時期にユミーによる日本の崩壊を防げるってこと?」

「ああ。そう言うことだ!」

「でも、鎮めるなんてどうやってするの?」

「俺は、MSRのことを葉月さんに言ったことがあるんだ。その時、葉月さんは自分の秘密基地を俺に見せてくれた…その時のに秘密基地の中に、あらゆるカプセルがあったんだ!確かあれは全部デトラルの作ったやつだったんだが、その中に心を鎮めるカプセルと、細胞を破壊するカプセルがあったはずだ!!!この二つを使えば、ユミーを食い止められるかもしれん!!!!」

「そ、それは本当ですか!?!?!?」

Vが慌てた様子で俺に顔を近づけた。

「あ、ああ!!今連絡を取ってみる!!!」


俺は葉月さんにスマホで連絡をした。

『はい、もしもし?成本ですけど…』

「あ!司令官葉月さん!!」

『おー!タタ。そろそろだと思ってたよ』

「え?そろそろって?」

『いや、何でもない。それより、要件は何だ?今東京がやばいことになっているらしいじゃないか。』

「そ、そうなんだよ実は………」


俺は葉月さんに今までの諸々の事と、カプセルのことや、ユミーのことを話した。

『なるほどな。確かに、俺の家にはそのカプセルはあるなあ』

「じゃあ、今から向かうから!!待ってて!!!」

『いや、いいよ。俺が行く。』

「え?」

『要するに、カプセルもってければいいんだろ?それじゃあ、明日には

「ユミーを救おう大作戦」でもやろうじゃないか』

「え?いやでも」

『それじゃあ、道具を揃え次第向かうよ。お前が今いるところの位置情報送ってくれ』

「え、あ、はい…」

『それじゃあ、明日行くからな。待ってろよ?』

「あ、はい、わ、わかりましたけど…」

俺がそう言うと、すぐに電話は切れた。

葉月さんはこっちの事情や情報をわかっているような素振りを見せていた。

「できた?」

俺は兄貴に聞かれると「あ、ああ!できたぞ!!とりあえず今日は休もう!」と返事をした。

「よ、よかった〜」

「じゃあ、俺は少し外に出てるな」

「オッケー」

俺は兄貴にそのことを伝えると、夕日の広がった外へとでた。

目の前には、大きな道路があった。

「すげー」

俺は少しその言葉を口に放つと、誰もいない、無駄に広い道路で夕日を見ていた。

奥の方から未だに重苦しい音は鳴り響いていた。

「あれと俺らは戦うのか…やるしかねえか!!」

俺はパチン!と頬を叩くと、家の中に入って行った。

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