ファイル3 明日の魔神
青い光に包まれて、俺達は敵組織のデータバンクに忍び込む。
現れたのはとてつもなく大きい、デコボコの建物だった。端から端まで見えないくらいには大きい。
正面には四角と丸の幾何学模様が貼られている扉のようなものがあった。
『ツヴァイ!お願いよ!』
「はい!」
ツヴァイは手を前にかかげ、眉間にシワを寄せる。
「オーーーーーープン!!」
ツヴァイから紫色の電気が辺りに散る。
「バチバチバチ」
紫色の電気はデータバンクの建物を包む。
紫の電気はあっという間に辺りへ広がり、一気に目の前の扉が開く。
「とりあえずここ一帯の暗証番号の扉を開けたよ」
『ありがとう。進むか』
アズキはツヴァイに礼を言うと俺達は先に進んだ。
めんどくさいセキリュティーが来ないうちに。
「あ!あった!」
奥には赤色の光線で張り巡らされている回路に繋がった。
「これは…」
『トラップ型セキリュティーのアウトレーザーだな』
アウトレーザーとは、赤く光る一直線のレーザーの事で、この世界では一定のダメージ(物理攻撃)は機能されないのだが、アウトレーザーに触れると、この世界、『ソーシャルネットリアリティー』から弾き出され、現実世界に戻ってしまう。
それに、そこから数日間はインターネットの世界に入ることが出来なくなる。
ちなみに俺もこれまでに3回、食らっており、食らってしまうと地味にうざい代物である。
「では私が!」
まつが前に出る。
腕を前にかかげ先程のツヴァイ同様、電撃を辺りに散らし、アウトレーザーの光を止める。
アウトレーザーが止まった回路は静かになる。
「なんか…怪しいな」
一息止めて兄貴は言った。
「なにが?」
「ここらへん、全くセキリュティーが出てこない…」
「まあ、確かに言われてみればそうだけど…」
「ただ単に出てこないだけじゃない?」
俺は兄貴とかえでの会話に入り込む。
「ま、俺はそれでいいんだけどね」
『こ、これは…異常事態かもしれないな…』
「何でだ?」
『予測ではあるが、上の天井の色が黒と赤の真ん中辺りの色だ。これは基本的にアウトレーザーが出る発光地点の色だ。アウトレーザーは機動型セキュリティーにも効くから、もしかしたら、この回路のここら辺はアウトレーザーによって常に照らされているのかもしれない。今はそれがまつの
「だ、だとしたら!!私の
まつは少し弱々しく言った。
『うーん、まだ出したくはなかったけど仕方ない!』
「なにか秘策が?」
『新兵器その2!爆発式激走ブーツ!!爆発を利用してめっちゃ高速で走れる靴!みんなの分を用意するからまってろ!』
キーボードの音がしたあと、俺たちの足にそれらしき鉄製の長靴が足に青い光に包まれて装着される。
『これは、走るって意思があるとちょっとでも走っただけで、一秒に300メートル辺りは進むからこれでやるといいよ!』
「これって壁にめり込まない?」
「めり込む壁が合ったとしても、特にそういう概念も何もないから大丈夫!」
「そ、そうか」
試しに俺は、走ってみることにする。
足を上げ、前に踏み出そうとしたその瞬間だった。
「バァン!!」
足が急に爆発したのだ。
そして気づくと高速で回路の中を進んでいることが、すぐに分かった。
「う、うおおおおおおおお!!!!!」
あまりの早さに少しだけ驚いた。
まぁ、声を上げているものなので相当驚いているとは思うが。
爆発音がマシンガンのように連発する。
「ぐへぇぇぇぇ!!!」
もう少しするとすぐに俺は壁にめり込んだ。
ちゃんとあったのだ。めり込む壁が。
「ぐぐぐぐ!」
俺は壁にブーツの足を当てて、一歩前に出す。
爆発と共に俺は壁から抜けていた。
「あ、あぶねぇぇ」
俺はちょっとボーッとしていると(0.5秒)すぐに蹴られることとなった。
「うぉぉ!!居たんかユミ―!」
俺を蹴ったのはどうやらアクサンらしい。
アクサンは俺が居たから、ギリギリで壁にめり込まずに入れた。
「あ、あぁ、アクサンか…」
「他のみんなもすぐにくるぞ。避けといた方が…」
アクサンの喋りかけの途中の時、俺はまたもや数人から蹴られる。
「な、なぜに俺がこんなに蹴られねぇとなのぉ!?」
どうやら他のみんなも、壁にめり込まなかったようだ。
「ご、ゴメーン」
『それよりも、ついたな。何かしらの場所に』
ぶつかった壁にめり込んではいたものの、めり込んだ跡が無くなっていた。
そもそも、壁と言うよりも、扉に近い。
「ツヴァイの能力で全ての扉の鍵は空いているはず、だけど俺がぶつかったのにびくともしないとは、これはつまり!引き戸だ!!」
俺は重要じゃ無いところをあえて、傍点を着けて言ってみたが、空気はさっきよりも静まり返る。
「とりあえず中に入ろうよ!」
ツヴァイが静寂を切り裂いて言う。
扉は予想道理引き戸で、扉の先には広い大空間が存在していた。
その大空間は丸くなっていて、真ん中には意味が在るようにな赤く、丸く塗ってあった。
「ここは何だろう…回りにとくに何かありそうな雰囲気もないからなー…」
俺達はとりあえず辺りを探る。
もしかしたら、何か隠し通路や隠しスイッチがあるかもしれない。
その時、かえでが
「あれ?まって!扉が開かない!!」
「え?そんなはずは…」
『まさか!もう修復されたのか!?セキリュテイーが!?』
大声でアズキが言う。
「となると…」
俺は恐る恐る真ん中の丸い赤の点を見た。
赤い点は青くなり、光る柱を建てた。
「バシバシバシ!」
柱にヒビが入る。
「バァン!!!」
その時に、柱が割れ、青い光の破片が辺りに飛び散る。
光の柱からは機械のような身体をした人間の骨にその後ろに神のオーラの如く白いものが8本ついていた。
頭はには首という存在がなく、頭は体とは分離しているように見えた。
「はあ、またよく解らん奴が出てきやがったな」
俺はため息を吐いていった。
「アズキ、武器。」
『人使い荒いぞ』
毎度の如くキーボードの高速で打たれる音がする。
『今回は特別サービス!近接戦で行こうぜ!!』
「まあ、別にいいけど」
俺はアズキが出したちょっと長いナイフを自分の前にかかげる。
「俺は今の話じゃないが、ナイフ使いだからな。ナイフを握ると気分はあまり良くはならないが、今回はそういうわけにもいかなそうだ」
俺はナイフを強く握る。
強く握ると同時に俺は、自分の緑色の電気をナイフに纏わせ、いつでもセキュリティーを壊せるようにした。
「まつ達はタタに任せる!」
「え!?お、俺?」
「ちょっと間、護ってやってくれ!」
「お、おう。まぁ、いいけど」
俺は強く足を踏み切り、セキリュティーに向かって走る。
先に攻撃を仕掛けたのはセキュリティー。
両目と口と思わしき場所から、アウトレーザーを放つ。
「うぉ!?」
俺は直ぐ様、アウトレーザーの光を翔んで避け、そのまま真っ二つにしようとしたが、セキュリティーは顔を上げ、俺をアウトレーザーで真っ二つにしようとしてきた。
俺は電気を纏わせたナイフを頭部の下の方に投げて、頭をの角度を下げる。
「あっぶねえー!」
俺はセキュリティーの後ろに一瞬で、回る。それも、目に留まらぬ速度で。
頭の後ろから俺はナイフを抜く。
首が無かったので、下から抜いたのだが、後頭部がくるりと上下逆さまのまま、アウトレーザーを出してきた。
近すぎる。
触ろうと、手を伸ばせば届く距離。
俺はナイフを逆さまになって、下に付いているセキュリティーの目をナイフで塞ぎ、口から出るアウトレーザーをギリギリでかわす。
一瞬のうちにセキュリティーの体を蹴って、俺は離れる。
俺は電気を足元から放出して、少し止まる。
その内にアウトレーザー色、赤色がセキュリティーの頭部から漏れ出す。
「今だ!!」
俺は足からの電気の放出を止めて、電気の纏わせていない、ナイフをセキュリティーの頭部に向かって投げる。
ナイフはセキュリティーにこそ当たったもの、ちゃんと刺さりはせずに、頭部の角度を上にずらし、アウトレーザーの直撃は無かった。
「爆発式激走ブーツ、最大出力!!」
ブーツから電気が放出され、俺は弾かれたナイフを一瞬で取り、そのままの勢いで壁に着地。ブーツによる速度は1秒で1000mを超えると、作戦前の事前説明であった。
俺は壁から天井へと光の速さで移動する。
さっきとほぼ同じ体制をしているセキリュティーの真上で、俺は逆手にナイフを持ち替えて、緑の電気をナイフに全力で込めて、全力で足に力を入れ、全力で地面…いや天井を蹴り、真下へとおよそ一秒間に1キロ進める速さで直行する。
緑の光が上から下へと一本の線となって描かれ、セキリュティーを頭から床こど真っ二つに切った。
「この世界にも
セキリュティーは左右に真っ二つに崩れ青い光に包まれ、散る。
先程の青い光の柱の様に。
『よし!敵は倒した。ここの部屋にはどうやら鍵が仕込まれているみたいだから少し進むとしよう、皆』
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