ファイル2 ニューミッション
『昨日の任務はなかなか稼げたな〜』
俺はLINEの「第六課」というチャットで呟くように送信する。
『ちなみにどれくらい?』
まつから届く。
『確か4500円あたりだ』
俺は文字を打って送信した。
『だいぶ稼いだな』
アズキも俺に対して言ってきた。それに続けてアズキは言った。
『そうだ、今日は少し本部で作戦会議を開くとする。今日も本部に3時集合で』
「はあ、今日もあるのかよ…」
俺はそう呟く。
____________________________________
放課後…
「ワールドイン・コネクト』
俺はいつもの様にスマホに吸い込まれる。
電脳特殊捜査官第六課本部ネットワーク基地…
「ドン!!」
地面に着地し、衝突音が辺りに響く。
「あ!ユミー来た!!」
まつが俺を指差して言った。
『10分オーバー。珍しいなユミーが遅刻なんて』
四角い枠の中に三角の再生マークのついたアズキは言った。
「今日はちょっと委員会が長引いてね」
どうやら今日は全員いるみたいだ。
ちょっと前にいっていた、他の皆だ。
「委員会って図書?」
まつのとなりで一人の紫色のパーカーを着たツヴァイが言う。
「うん。今日はちょっと図書館の使い方が成ってないって言われてね」
「委員会もそうだけど、学生って色々大変だよな」
近未来っぽい赤いジャケットと六角形の並んだ黒いシャツを着こなしている兄貴が言った。
「まあ兄貴同じ歳だけどね」
『準備ができたし、会議室に行こうか』
アズキがいうとみんなが[うん!]と言った。
今日も空は邪魔な広告で埋め尽くされていた。
青い輝きはとっくに無かった。
電脳特殊捜査隊第六課本部ネットワーク基地。
会議室、、、
部屋の奥の方に一つの巨大なディスプレイを取り囲むように机と椅子が8つならべてあった。
椅子の内の4つには先に来ていたメンバーが座っていた。
「あ!遅いよ!もう始めようかと思ってたぞ?」
アクサンシルフレックスが言った。
アクサン(以下略)は白いマントの様な物を羽織りマントには数字と「^」という文字が至る所に張り付いていた。
「いやすまん。委員会がすぐに終わらなかった。」
「じゃあ仕事終わりなんだ?」
奥の方でメガネをかけてロングヘアーのパーカーを着たかえでが言った。
「仕事終わりにまた別の仕事だよ。ほんと忙しい毎日だよ。」
「とりまお疲れ」
そう言ってタタは俺の肩をポンポンと叩く。
タタは青い服に黄色のズボンをしていた。
『それじゃあこれから作戦会議を始める』
四角い形をしたアズキはディスプレイを操るかのように、キーボードの音がマイクに吸い取られていた。
カタカタ。
音が鳴り止むと、すぐにディスプレイに文字が写りだす。
『今回はアメリカのテロ集団、GK04という組織のデータを破壊してもらいたい。と、依頼があった』
「GK04?聞いたことがないな」
『この組織はどうやら少しアメリカ政府と関わりがあるらしくてね、報酬を出す代わりに他国のデータや領土を奪ったりするみたいよ?』
「今後の日米間の関係が心配だな。」
『それはそうと、このデータ何だけれど、現実に一つ。データ内に一つずつあるらしい』
「らしいって…」
『これは何か、重要な設計図とかじゃないかな?って俺は思ってる』
「何でだ?」
『このテロ組織の外部の監視カメラをハッキングして見たんだけど、色々な物資が出入りしてるんだよ。作った物を売り払うとかありそうじゃない?』
「な、なるほどおおお」
『まぁ、あくまでこれだけしかないから、結局なんなのかも分からないし、勘でしかないんだけど…』
『でも、その可能性はありそう…次に能力をお復習して、分担を決めるぞ。今回は現実でも仕事があるから。そこではユミーにやってもらう』
「りょーかい」
少し嫌そうな低い声で答えた。
『じゃあまず、俺は現実世界からの武器及び情報の提供。ユミ―、
「オッケー」
『まつ、
「はーい!」
『ツヴァイ、
「おけ!」
『タタ、
「おう」
『アクサン、
「ほーい」
『兄貴、
「へい」
『かえで。
「はい」
『で、こんな感じか。それじゃあ作戦の手順を説明するぞ。まず、ツヴァイがデータバンクのセキリュテイー全てを解除。そのあと、迫っかてくる機動型のセキリュテイーをタタとユミ―で倒しながら、奥のセキリュテイーをまつが全て解除して、データバンクの操作機関に侵入。かえでのノイズを使いつつ、アクサンのウイルスでデータを狂わせて兄貴の操作で組織内に警報を鳴らす。この手順で行くぞ』
[了解!!]
みんなの声が揃う。
『それじゃあ作戦決行日は明日のこの時間で。解散!』
皆が一気にちょっとずつ立つ。
「ふぅー。終わった~」
『明日はもしかしたら敵との戦闘があるかもしれない。それも現実で』
「そうか…もし、殺されそうになったら?」
『その時の判断はユミーに任せるよ』
「そうか…」
俺は少し考え込む。
『銃と弾丸の準備、お願いよ』
「わかった」
はぁ、明日は行きたくない。
『ちょっと嫌そうな顔してるね?これも世の中のためだから』
「わかったよ…」
俺は本部の会議室を出る。
「アズキ」
『ん?』
「新武器、出来たんだろ?」
『あぁ、あれね。うん、そうだよ』
「今、試してもいいか?久しぶりに空を見たくなってきた。」
『おう!やってこい!!』
なぜだかアズキは気合いを入れて言った。
『カタカタカタ』
アズキの四角いマークからキーボードが勢いよく打たれる音がする。
『アーマー装着!
俺は青い光に包まれ、着想した装備を身にまといながら足に力を入れて高く翔び立つ。
地を背後に「バゴン!!!」と音をたてる。
勢いよく前から空気がぶつかる。俺はついに広告が空に散らばっているところまで翔んできた。
そのときの俺の顔はたぶん、目をかっぴらいて、唇を横に開けて、歯をくいしばって飛んでいたと思う。
「武器!!」
俺はそう大声で辺りに響かせると、手のひらの中に大きな大剣がての中にあった。
俺は緑色の邪魔なものを壊せる雷を剣に纏わせて、空の邪魔な広告を出来る限り、一刀両断に切って、青い空が見えるようにした。
その空は青いはずなのに、青いとは思わなかった。
いや、思えなかった。
俺はまだあの事引きずっているのだろう。
武器を手のひらから離して俺は真っ直ぐに下へと落ちる。
現実世界で言えば100メートルはあると思うが、重力は効いても、ダメージはないので落下している時間、ずっと広告のない空を見上げてただ俺は墜ちていった。
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