第3話 漆田ジュリア

蜂条ほうじょうシオリの瞳の魔術からのがれるなんて、お前やるじゃんかっ!」



 その人は金髪ゆるふわロングのぶりんぶりんのギャルだった。

 さらに、彼女はあの旺金林おうごんばやしミレイと遜色そんしょくないくらいの、大きくて魅力的なを持っていた。

 そして、彼女の制服の白のワイシャツのボタンはいくつか外されていて、その褐色の深い谷間が思いっきりあらわになっていたのだった。


 たぶん僕はそのを無意識に(重要!)見てしまっていたのだと思う。

 そして、おそらくそのことにすぐに気づいたその女の人は、急に思いついたようにこう続けた。



「そうだ! あの蜂条ほうじょうシオリの瞳の魔術から逃れたごほうびに、このジュリア様のHカップのスライムにゅうを思う存分揉みしだかせてやろう! ・・・・・・ほぉら! 欲望のままに襲いかかってきていいんだぞ! ・・・・・・どうした? もしかしてお前、おっぱい童貞くん? くくくくっ! 絶対そうじゃん! ・・・・・・じゃあ、お前のおっぱい童貞をこのジュリア様がもらってやろう! ほらっ! 遠慮せずにギュッと掴め! きっと信じられないくらい柔らかいぞ!」



 もちろん、僕はと思い、泣く泣くこう答えた。



「・・・・・・えっ、遠慮しときます」


「なんだとっ!? この漆田うるしだジュリア様のHカップのスライムにゅうの誘惑に屈しないだと? ・・・・・・お前っ! ホントは見かけによらずとんでもない経験者なんじゃねえの? お前以外の一次試験を上位合格した男共はもう何人もこのおっぱいの誘惑に屈したってのに!」



 漆田うるしだジュリアはそう言って、ご自慢のHカップのいかにも柔らかそうな褐色のおっぱいをさらに両腕で強調して見せた。



 ユウナのとはまるでレベルが違う!



 そんなことを僕が思っていると、後ろからこんな声が聞こえてきた。



「当たり前だよ! おふさは小さい頃からうちのママのKカップのおっぱいのを受けてるからね~! あんたのHカップなんて屁でもないんだから~! ね~っ! おふさ!」



 僕は彼女と漆田うるしだジュリアのおっぱいを比べてしまった罪悪感もあって、その虹倉にじくらユウナの呼びかけに不本意ながらうなずくと、漆田うるしだジュリアが苦々しそうにこう言った。



「Kカップの英才教育、あだ名がって・・・・・・お前、とんでもないおっぱいエリートじゃんかっ! それなのに純情そうな顔をしてこのジュリア様の目をあざむとは・・・・・・きっ、気に入った! こっ、このジュリア様の舎弟しゃていにしてやる!」



 漆田うるしだジュリアは明らかに動揺しているようだったが、僕にはその理由がまるでわからなかった。

 とにかく、その時の僕には相手の言葉を情けなく繰り返すことしかできなかったのだ。



「・・・・・・しゃ、舎弟しゃてい?」


「そっ、そうだ、舎弟しゃていだ! こっ、このジュリア様の舎弟にしてやる! まっ、まず、お前の最初の仕事は・・・・・・かっ、肩を揉むことだ! Hカップは肩が凝るんだよ! ほら、早くしろって! 後ろに回って肩を揉めって言ってんの! グズグズすんな! もっ、もちろんおっぱいエリートのテクニックを総動員して揉めよ! ケッ、ケチケチしてたらぶっ飛ばすからなっ!」



 すると、ここでユウナがまた口を挟んできた。



「なんでおふさがあんたの肩を揉まなきゃいけないのよ!? 訳のわからないこと言わないでよね! ほら~! おふさ、試験も無事終わったんだし、こんな変な人放っておいてさっさと帰ろう! うちのママが美味しい料理たくさん作って待ってくれてるはずだから~! それに今日はまだうちのママのKカップのおっぱいに顔 うずめてないでしょ? もうそろそろ禁断症状が出る時間なんじゃないの?」



 ここで君にだけははっきり言っておくけど、ユウナの言っていることは僕がまだ小さい頃の話で、断じて今の僕はユウナの母親であるミズキさんのKカップのおっぱいに顔を埋めたりしていない。


 しかし、そのことをまるで知らない漆田うるしだジュリアは、恥ずかしいくらい大きな声で僕にこんなことを言ってきたのだった。



「やっぱり、ってあだ名は伊達じゃねえんだなっ! お前、おっぱいエリートじゃなくて、おっぱいジャンキーじゃんかっ!」


「ちっ、違う!」



 と、もちろん僕はすぐに否定した。

 だが、まるで相手にしてもらえなかった。

 だから僕はもう黙って、今から始まる彼女の話を聞いているよりしょうがなかったのだ。



「何が違うんだよっ! きっ、禁断症状が出る前にこのジュリア様のHカップのスライムにゅう補給しとくかっ? だって、その女のちっぱいじゃあ、とてもおさまんないだろ? いっ、いいんだぞっ! おもいっきり顔を埋めてもっ! もっ、もちろんそのあとにちゃんと肩のマッサージをしてもらうけどなっ!」


「あの~、どうでもいいけど、あたしのは、ちっぱいじゃなくて美乳だから! 将来確実に垂れてきそうなあんたのおっぱいとは違うんだからね~!」


「なにをっ!? このジュリア様のおっぱいが垂れるわけねえだろがっ! お前んとこの母ちゃんと一緒にするんじゃねえよ!」


「残念でした~! うちのママのは、弾力満点の最高級おっぱいだから全然垂れてませ~ん!」


「だっ、弾力満点ってそんなの尻でも揉んでりゃいいって話じゃんかっ! このジュリア様のおっぱいはおっぱいでしか味わえない信じられない柔らかさなんだぞっ! おいっ! ほっ、ほんとは触れてみたくてたまらないのにその女の手前我慢してんじゃねえの? んー? そうなんだろ? ずっ、図星だろうが! こっ、このおっぱいジャンキーがっ!」



 漆田うるしだジュリアにそうののしられて、若干M体質の僕は情けなくもゆるゆると彼女の方に知らぬまに吸い寄せられて行ってしまう。



「いっ、いいぞっ! 来いっ! 来いっ! さっさとこのジュリア様のHカップのスライム乳に堕ちて楽になっちゃえっ!」


「駄目だよ! おふさ! あんな垂れ乳女の口車に乗ったら! 帰ったらうちのママのKカップおっぱいが待ってるんだらそれまで我慢してっ!」


「そんなオバサンのデカイだけのおっぱいよりも、ピチピチのこのジュリア様のスライムにゅうの方がいいよなぁ! ほぉら! 来いっ! 来いっ! 一発でとりこにしてやるからっ!」


「やめてぇ! おふさっ!」



 僕が漆田うるしだジュリアの誘惑に負けてその褐色のHカップおっぱいにもう少しで触れてしまいそうになる、まさにその時だった。




 ―――グワァァァアアアアアアアッッ!




 その、今までのすべてをかき消すような凄まじい咆哮ほうこうが聞こえてきたのは。

 



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              新田竜

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ブラックドラゴンの婿~魔術適正0%でむっつり巨乳好きの僕が魔界最強生物ブラックドラゴンの貧乳少女と婚約したら魔界の検索ホットワード1位になって魔界の実力者から求婚されたり命を狙われたりしてるらしい件~ 新田竜 @ragiz

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