第13話迷いの森

 俺とソフィアは迷いの森の入口までやってきた。

 迷いの森。

 人間が足を踏み込むと確実に永遠に彷徨う場所だ。


 場所的にはかなり辺鄙な所にあるので、人が踏み込む事さえほとんどないが、立ち入りは禁止されていた。魔族と半魔以外は。


 初見で踏み込むと確実に迷う迷いの森だが、俺は何度も来てマッピングしていたので、余裕で奥まで行くことが出来る。


 原作をプレイしている時の俺は、シナリオが見たいために立ち入り禁止を無視して何度も無断侵入していた。


「ここで待っていてくれ、ソフィ。直ぐ戻る」


「かしこまりました……これ……」


 ソフィアはポーションを手渡してきた。


「ありがとう、ソフィ」


 俺はそれを背嚢にしまった。10個ある。

 そして俺を尾行してきている父上の兵達に声を掛けた。


「そこにいる者達。いることは分かっている。父上の命で俺をつけているのだろう。ここから先は立ち入り禁止だ。直ぐに戻るからここで待っていろ」






 俺は迷いの森に足を踏み入れた。

 ソフィアと兵達は付いてこなかった。

 生真面目な兵達が付いてこないか心配だったが、素直に待ってくれて良かった。


 周りに人がいなくなったことを確認して俺はステータスを確信することにした。

 おじさんと生きるか死ぬかの戦いがあったのでステータスを確認する暇がなかったからだ。


「ステータスオープン」


 名前:エリアス・フォン・ディートリヒ

 種族:半魔(人間とサキュバスのハーフ)

 年齢:7歳

 HP:1000/1000

 攻撃力:700(+10)

 防御力:800(+10)

 敏捷性:600

 器用さ:200

 魔力:6(+30)

 魔法防御:1

 スキル:シングルスラッシュLV70、サイドアヴォイダンスLV70、バックアヴォイダンスLV50、ガードLV60、パリィLV70、カウンターLV50、キック、パワースラッシュLV70、パンチ、スラスト60、スピードスラストLV70、スピードスラッシュLV50、クロススラッシュLV50

 魔法:

 装備:アイアンソード、貴族の服、フェニックスリング、サキュバスリング

()内は装備補正値、フェニックスリングの効果でHPが0の状態になっても1度だけ自動復活できる。

 剣熟練度:80

 体術熟練度:4

 斧熟練度:1

 槍熟練度:1

 弓熟練度:1


 人間度46:魔族度54


 ステータス上がりすぎぃぃぃぃぃ!!!!! 気持ちぇぇぇぇぇ!!!!!

 戦いは大変だったけど、その分成長がえぐすぎる。






 喜びもつかの間、迷いの森に入って直ぐいつもと違う感じがした。

 おかしい。異常な威圧感と緊張感を感じる。

 他国の兵達が攻めてきたか? いや、それならば複数の足跡が地面にあるはずだ。


 それにこんなところに攻め込んで他国に利益があるとは思えない。

 奥まで行ったらゲートがあるので、半魔の庭にも入れないし。

 人間の可能性はないと思う。


 だとしたらこの異常な空気は何だ? 魔族か? いや、国境の警備は万全のはずだ。


 俺は言い知れぬ恐怖を感じながら先に進んでいた。

 原作知識のおかげで、正しい道を脳内再生出来ているから迷わないが、不安は拭えない。

 母上の身に何かあったらどうしよう。


 緊張しながら先に進んでいると草むらから物音がした。

 モンスターか? 違う。この感じは緊張感の主だ。


「誰だ!」


 俺は驚愕した。

 そこにいたのは後の憤怒英雄、ハーフエルフのフィオナだった。 


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