第8話3層

 俺は3層に足を踏み入れた。

 俺が今気になっているのは、俺自身の耐久力の無さだ。

 避ける、受け止める、受け流すといった技術は向上しているが、あまり攻撃を食らってないので、HPと防御力が上がっていない。


 そんな考え事をしていると、モンスターが出現した。

 醜い豚のモンスター、オークの群れだ。

 ゴブリンの時と違って、○○オークではなくノーマルなオークだった。


 剣や槍を装備しておらず、手には棍棒を持っているだけなので、わざと攻撃を食らってHPと防御力を上げるチャンスだ。

 群れの中の一体が俺にのそのそと近づいてくる。


 オークは棍棒を振り上げ、俺に向かって振り下ろしてくる。


 俺はオークの攻撃で吹き飛ばされる。


『システムメッセージ:HPが6減りました。最大HPが4上がりました。防御力が1上がりました』


 痛みはあるがステータスが結構上がるのが嬉しい。

 俺は念のためソフィアに貰ったポーションを使用する。


『システムメッセージ:ポーションを使用しました。HPが6回復しました』


 ソフィアありがとう。ポーションの在庫に余裕があるから安心して戦うことができる。

 俺はオークのゆったりとした攻撃をかわし、剣で斬りつける。


「ブヒィィィ!!!」


『システムメッセージ:オークに9のダメージを与えました』


 脂肪の多さのせいか一撃では倒せなかった。

 オークは激昂し棍棒を振り回すが、動作がゆっくり過ぎて俺には当たらない。

 避けながら他のオークを観察しているが、連携攻撃を仕掛けてくる様子はない。


 ゴブリンより仲間意識が希薄なのかもしれない。

 オークは棍棒の振り回しを続けているが、考え事をしながらでも避けれるほど動作が遅い。


 俺は次で止めを刺そうと思うが、オークはゴブリンほど好戦的でないので、戦闘後に魔力粒子吸収を落ち着いてできると思う。

 なのでもう一発わざと攻撃を食らってみる。


『システムメッセージ:HPが5減りました。最大HPが3上がりました。防御力が1上がりました』


 慣れてきたのか先程より痛くない。

 俺はオークに止めを刺すために、剣を持つ手に力を込める。

 そして全力で斬りつける。


「ブッヒィィィ!!!」


『システムメッセージ:攻撃力が1上がりました。剣熟練度が1上がりました。スキル:パワースラッシュを覚えました。オークを倒しました。魔力粒子を吸収しますか? 吸収した場合HPが回復し、魔力と魔族度が上昇する可能性があります』


 俺は『はい』をタッチする。


『システムメッセージ:HPが5回復しました』


 別のオークが近寄ってきた。

 パワースラッシュでどれ程ダメージを与えられるのか確認したかったので、斬りつけてみた。


『システムメッセージ:攻撃力が1上がりました。パワースラッシュのレベルが上がりました。オークを倒しました。魔力粒子を吸収しますか? 吸収した場合HPが回復し、魔力と魔族度が上昇する可能性があります』


 ダメージ量が知りたかったのに一撃で倒してしまった。

 攻撃力が上がったせいか。

 俺はその後、攻撃をわざと食らう、倒すの繰り返しをしてオークの群れを全滅させた。


 HPが50まで上がり、他のステータスにも変化があった。


 ステータスを確認してみる。


「ステータスオープン」


 名前:エリアス・フォン・ディートリヒ

 種族:半魔(人間とサキュバスのハーフ)

 年齢:7歳

 HP:50/50

 攻撃力:9(+10)

 防御力:7(+10)

 敏捷性:9

 器用さ:3

 魔力:5(+30)

 魔法防御:1

 スキル:シングルスラッシュLV2、サイドアヴォイダンスLV2、バックアヴォイダンス、ガードLV2、パリィ、カウンター、キック、パワースラッシュLV2

 魔法:

 装備:アイアンソード、貴族の服、フェニックスリング、サキュバスリング

()内は装備補正値、フェニックスリングの効果でHPが0の状態になっても1度だけ自動復活できる。

 剣熟練度:5

 体術熟練度:2

 斧熟練度:1

 槍熟練度:1

 弓熟練度:1


 人間度47:魔族度53


 徐々に強くなっている実感がある。

 さらなる強さを求めていきたい。

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