第7話2層

 俺は2層に進んだ。

 緑色の肌、尖った鼻と耳といった醜悪な見た目をしたモンスター、ゴブリンの群れが出現した。


 名前を確認すると、ソードゴブリン、アックスゴブリン、ランスゴブリン、ボウゴブリンで、それぞれ剣、斧、槍、弓を装備していた。


 ゴブリン達は固まって襲ってくるのではなく、散らばって俺の様子を窺っている。

 ボウゴブリンだけは俺に近づいてくることはなく、後方から弓で俺を狙っている。


 ゴブリン達は俺から仕掛けていくことはないと悟ったのか、襲い掛かってきた。

 ソードゴブリンが斬りかかってきたのを俺はそれを回避する。


 ソードゴブリンの斬りつけに合わせて、ボウゴブリンが矢を放ってきたがそれも回避する。

 ボウゴブリンが弓を引く動作を冷静に察知出来ていたからだ。


『システムメッセージ:敏捷性が1上がりました』


 それにしても連携攻撃をしてくるとは、油断できない。

 また同じようにソードゴブリンとボウゴブリンの攻撃がきたので、俺は体を振って回避する。


 今度はアックスゴブリンがそれに合わせて斧を振り下ろしてきたので、俺はその攻撃を剣で受け流す。


『システムメッセージ:器用さが1上がりました。敏捷性が1上がりました。スキル:パリィを覚えました。スキル:サイドアヴォイダンスのレベルが上がりました』


 パリィきちゃぁぁぁぁぁ!!!!! 今までは敵の攻撃を受け止めるか避けるかしかなかったが、今後は敵の攻撃を受け流すことができる。


 さらに器用さが上がった。戦闘中にテクニカルな行動をとったり、クラフト系のスキルを使用することでステータスが上がるが、今の俺はクラフト系スキルを所持していないので恩恵は少なそうだった。


 またまたソードゴブリンとボウゴブリンの攻撃だ。冷静に回避する。

 さらにアックスゴブリンの攻撃も受け流す。


 今度はランスゴブリンが突きのモーションをしたので、俺はそれに合わせて蹴りでカウンターを食らわせた。

 ランスゴブリンはダンジョンの壁面まで吹っ飛ばされた。


『システムメッセージ:ランスゴブリンに7ダメージを与えました。器用さが1上がりました。敏捷性が1上がりました。スキル:カウンターを覚えました。キックを覚えました。体術熟練度が1上がりました』


 スキル同時取得きちゃぁぁぁぁぁ!!!!! 気付いたことがあるが連携攻撃を回避すると敏捷性が上がりやすいよいうだ。


「グギギギィィィ!!!」


 ゴブリン達は激昂しているようだ。

 俺はソードゴブリンとアックスゴブリンの攻撃を避け、ボウゴブリンの放ってくる矢も避けつつ、壁際に倒れているランスゴブリンの下まで走り止めを刺した。


『システムメッセージ:ランスゴブリンを倒しました。魔力粒子を吸収しますか? 吸収した場合HPが回復し、魔力と魔族度が上昇する可能性があります』


 俺はメッセージを無視する。まだ戦闘が終わってないので吸収している暇はない。


「グギギギィィィ!!!」


 仲間を倒されてゴブリン達はさらに激昂している。

 同時に斬りつけてきたソードゴブリンとアックスゴブリンを、俺は体を回転させて斬りつけ同時に倒す。


『システムメッセージ:攻撃力が1上がりました。剣熟練度が1上がりました。スキル:テクニカルスラッシュを覚えました。ソードゴブリンを倒しました。アックスゴブリンを倒しました。魔力粒子を吸収しますか? 吸収した場合HPが回復し、魔力と魔族度が上昇する可能性があります』


 またメッセージを無視する。メッセージは空中に表示されたままで消える様子はない。

 残ったボウゴブリンは弓を放ってくるが、連携攻撃ができない単体のゴブリンは全く脅威ではなく、全て回避し剣で止めを刺した。


『システムメッセージ:ボウゴブリンを倒しました。戦闘が終了しました。魔力粒子を吸収しますか? 吸収した場合HPが回復し、魔力と魔族度が上昇する可能性があります』


 俺は空中に浮かんでいる4つ全てのメッセージに『はい』をタッチした。


『HPに変化はありません。魔力が1上がりました。魔族度が1上がり、人間度が1下がりました』


 かなりステータスが上がったし、スキルも覚えた。

 ステータスを確認するのが楽しみだ。


「ステータスオープン」


 名前:エリアス・フォン・ディートリヒ

 種族:半魔(人間とサキュバスのハーフ)

 年齢:7歳

 HP:13/13

 攻撃力:4(+10)

 防御力:3(+10)

 敏捷性:9

 器用さ:3

 魔力:3(+30)

 魔法防御:1

 スキル:シングルスラッシュLV2、サイドアヴォイダンスLV2、バックアヴォイダンス、ガードLV2、パリィ、カウンター、キック、テクニカルスラッシュ

 魔法:

 装備:アイアンソード、貴族の服、フェニックスリング、サキュバスリング

()内は装備補正値、フェニックスリングの効果でHPが0の状態になっても1度だけ自動復活できる。

 剣熟練度:3

 体術熟練度:2

 斧熟練度:1

 槍熟練度:1

 弓熟練度:1


 人間度48:魔族度52


 無事に戦闘が終わった。落ち着いて対応できたとは言え、まさか連携攻撃を仕掛けてくるモンスターがいるとは。

 気を引き締めていかねば。

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