第6話初ダンジョン

 ダンジョンに到着した。

 平原を北上している時から気付いていたけど、ソフィアと父上の兵士に尾行されている。

 俺がピンチになったら助けにくるのかもしれないが、そうならないようにしたいと思う。


 ダンジョンに入ってみると、意外に明るかった。

 壁面に明かりが灯っているので、松明は必要なかった。

 現在いる入口すぐのフロアは1層で、地下に潜るたびに2層、3層となっている。


 早速モンスターが出現した。

 猪型のモンスターで、名前はラッシュボアだ。

 突進するだけの単調な攻撃しかしてこないので、戦闘の練習には打って付けだ。


 ラッシュボアが突進してきた。

 俺はその攻撃を真正面から防御する。


「システムメッセージ:HPが1減りました。最大HPが1上がりました。ガードを覚えました」


 痛みはあるが、本来受けるダメージより軽減できたみたいだ。

 さらにスキルも覚えた。


 ラッシュボアが再び突進してきたので、今度は回避することにした。

 俺が回避すると、ラッシュボアは急に止まれないのか数十メートル進んでいく。

 これが本当の猪突猛進か。


 ラッシュボアはある程度の距離を進むと、振り返り、俺に突進してくるが単調な攻撃なので全く当たらない。

 俺とラッシュボアでその繰り返しを何度もするが、敏捷性アップのシステムメッセージは表示されない。


 これ以上戦闘を続ける意味はないので、ラッシュボアが突進して来るところをすれ違い様に斬りつけて止めを刺した。


『システムメッセージ:戦闘が終了しました。魔力粒子を吸収しますか? 吸収した場合HPが回復し、魔力と魔族度が上昇する可能性があります』


 俺は『はい』をタッチする。


『システムメッセージ:HPが1回復しました』


 ダンジョンでの初の戦闘だったが、安定していたと思う。

 今回はステータスはそれほど上がらなかったので、ステータスオープンはせずに先に進むことにする。





 今度は熊のモンスターと遭遇した。

 名前はジャイアントベアだ。

 

 ジャイアントベアはラッシュボアと違い、爪で攻撃してくるので今度は剣でガードした。


『システムメッセージ:スキル:ガードのレベルが上がりました』


 スキルを使い続けると、スキルレベルが上がるようだ。

 今度は攻撃してみることにする。

 俺はジャイアントベアに斬りつけた。


『システムメッセージ:ジャイアントベアに9のダメージを与えました』


「グオオオオオ!」


 初めて一撃で倒せなかった。

 ジャイアントベアは激昂し、何度も腕を振り回し攻撃してくるが、俺はそれを横や後ろに避ける。


『システムメッセージ:敏捷性が1上がりました』


 容易にかわせる攻撃なのに、敏捷性が上がったのは嬉しい。

 それから何度かジャイアントベアの攻撃をかわしたが、これ以上ステータスが上がらないので斬りつけて止めを刺した。


『システムメッセージ:戦闘が終了しました。攻撃力が1上がりました。スキル:シングルスラッシュのレベルが1上がりました。魔力粒子を吸収しますか? 吸収した場合HPが回復し、魔力と魔族度が上昇する可能性があります』


 俺はHPが減っていないので、『いいえ』をタッチする。

 魔力粒子は空中で飛散していく。

 2回戦闘したのでステータスを確認してみることにした。



 名前:エリアス・フォン・ディートリヒ

 種族:半魔(人間とサキュバスのハーフ)

 年齢:7歳

 HP:13/13

 攻撃力:3(+10)

 防御力:3(+10)

 敏捷性:6

 器用さ:1

 魔力:2(+30)

 魔法防御:1

 スキル:シングルスラッシュLV2、サイドアヴォイダンス、バックアヴォイダンス、ガードLV2

 魔法:

 装備:アイアンソード、貴族の服、フェニックスリング、サキュバスリング

()内は装備補正値、フェニックスリングの効果でHPが0の状態になっても1度だけ自動復活できる。

 剣熟練度:2

 体術熟練度:1

 斧熟練度:1

 槍熟練度:1

 弓熟練度:1


 人間度49:魔族度51


 まだまだステータス上げ足りない。

 俺は先に進むことにした。

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