第5話ソフィアのポーション

 ダワゼ平原を北上していると再度シルバーウルフが出現した。

 今度はHPと防御力を上げたいのでわざと攻撃を食らってみることにする。

 シルバーウルフが牙を剥きだして飛びかかってくる。


 俺はその攻撃を食らった。

 当たり前だが痛い。


『システムメッセージ:HPが1減りました。最大HPが1上がりました。防御力が1上がりました』


 やっぱステータス上がるの気持ちえぇぇぇ!!! 攻撃食らった時は痛かったけど、それよよりもステータス上がるの気持ち良する。


 俺は再度シルバーウルフの攻撃を食らう。


『システムメッセージ:HPが1減りました』


 今回はHPが1減っただけで、ステータスは上がらなかった。

 敏捷性の時と同じ様に、ステータスが上がれば必要な行動回数は上がっていく様だ。

 俺は再度シルバーウルフの攻撃を受ける。


『システムメッセージ:HPが1減りました。最大HPが1上がりました。防御力が1上がりました』


 敏捷性の時と違って、HPが減ってしまうのは辛いところだが、最大HPと防御力二つが同時に上がるのは気持ち良すぎる。


 痛みはあるものの、俺はもっとステータスを上げたい。

 だが、HPが7なのでこれ以上攻撃を食らうのは危険だと判断し、シルバーウルフに止めを刺した。


 攻撃力アップのシステムメッセージは表示されなかった。

 敵に与えるダメージ量が増えるステータスなので、上がると嬉しいのだが、さらに行動回数を上げていくしかなさそうだ。


『システムメッセージ:戦闘が終了しました。魔力粒子を吸収しますか? 吸収した場合HPが回復し、魔力と魔族度が上昇する可能性があります』


 前回の戦闘と違っているところはHPが減っているところだ。

 敵の攻撃を回避する方法と違って、わざと攻撃を食らう方法ではHPが減ってしまうので、HP管理は必須だ。


 俺は宙に浮かんでいる『はい』のメッセージをタッチする。

 光の粒子の状態の魔力粒子が俺の体に吸収される。


『システムメッセージ:HPが5回復しました』


 初めて魔力粒子吸収システムでHPが回復した。

 ソロ攻略の俺にはこのシステムは有難い。

 もちろん、この世界にも回復アイテムはある。


 俺は半魔だが、回復アイテムでダメージを受けることはなく、普通に回復する。

 回復方法が二つあるのは嬉しい。

 厳密には回復魔法システムを含めた三つだが、現在は二つしかない。


 現在俺はポーションを10個所持している。

 出発するときにソフィアから渡された。

『そんなにいらない』と言ったが、受け取るまで出発することは認めないといったので、渋々受け取った。


 俺は皮の背嚢を背負っており、その中にポーションが10個入っている。


 魔力と魔族度の変化はなかった。

 さらに行動回数を増やすことで上がっていきそうだ。


 俺は現在のステータスを確認してみることにした。


「ステータスオープン」


 名前:エリアス・フォン・ディートリヒ

 種族:半魔(人間とサキュバスのハーフ)

 年齢:7歳

 HP:12/12

 攻撃力:2(+10)

 防御力:3(+10)

 敏捷性:5

 器用さ:1

 魔力:2(+30)

 魔法防御:1

 スキル:シングルスラッシュ、サイドアヴォイダンス、バックアヴォイダンス

 魔法:

 装備:アイアンソード、貴族の服、フェニックスリング、サキュバスリング

()内は装備補正値、フェニックスリングの効果でHPが0の状態になっても1度だけ自動復活できる。

 剣熟練度:2

 体術熟練度:1

 斧熟練度:1

 槍熟練度:1

 弓熟練度:1


 人間度49:魔族度51


 何度見てもステータス上がるの気持ちえぇぇぇ!!! 俺はさらにステータスを上げるために平原を北上するのだった。



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