第21話 真の計画
名前?檜垣星。ああ、実名か。檜垣セフィス。ハーフだよ。音が似てるから星って言う芸名にしたのさ。結構いいだろ?
事件のことを全て話せ?もう隠すつもりなんてないよ。なんでも答える。ああ、買春の話からか。もちろん本当さ。もともと悪い奴らとは父親からの繋がりがあったんだ。まあ経験程度に一度だけって思ってたんだけどな。父親譲りの血が騒いだのか、抜け出せなくなった。ああいう悪いこと一つでも手を染めたら、繋がりがどんどん広まっていくんだよ。気がついた時には、スマホに悪い奴の連絡先が並んでてね。いつかバレる時が来るんだろうなと思ってたんだよ。そしたら、ある日観客に俺に似た人が座ってて、すぐに思いついたんだよ。こいつを替え玉にして、逃亡してやろうって。でも、警察も甘くないと思って、保険として死んだことにした。遺体も医者も悪いやつに用意させた。これで一安心と思ったら、死体が消えたとかなってさ。一応自分の葬式ってどんな感じなのか覗いてたのに、取り乱して…。そのせいでたまたま配信者に当たって。最悪だったよ。計画が崩れた。すぐにでも海外に逃げようとは思ったんだが、弟子二人の戦いに興味が出てね。あいつらには元々盗聴器隠し持たせていたから、やってることは大体分かった。
すぐに全ての計画の真相は庵屋だと察しがついた。でも、状況的に難しそうだから、偽のメモを押し込んだ。それのおかげで、二人の最後の決戦まで辿り着いた。…今思い出しても、二人のやりとりはすごかった。まるで映画をみたいだった。
まあ、俺としては追われることがなくなったからそれでよかったんだ。だから、結末を見たらすぐに日本を去った。
でもな、不思議なもんでさ、自分を利用して高めていく庵屋へ憎しみの気持ちが出てくるんだ。自分も利用しようとしてたからお互い様だが、状況から見て俺の負けたって立場だろ?ツテを辿ってある女に金渡して「岸日夏帆」って名前で近づかせたんだ。大きな繋がりがいるから、無理やりキャストに入れ込むことも簡単だった。
彼女から色々聞いて庵屋の調子乗りっぷりにイライラした。自分が成し遂げた感がありありと出てたんだよ。おかしくないか?有名になれたのも、今の優遇された環境も全て俺の存在があったからできたことだ。全てぶっ壊したくなったんだよ。
…まあ、俺は結局捕まった。計画通りにいかなかった。庵屋は死んだ。田橋も捕まってる。二人の母親も死んだ。…誰の計画も思い通りにいってない。
人生なんて計画通りにいかないのさ。
師匠 全て計画通りです。 鷹巳 @Takami-saukky
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