第16話 師匠(檜垣星)の計画
少しばかり売れ始めた頃、海外旅行に行った。そこで、外国人女性の良さに気付いた。日本人の顔はなぜか好きになれなかった。だが、外国人の顔はどこか異世界な雰囲気があり、それが自分の好みだった。
ある時、旅先で日本語が分かる男性と知り合った。その人から買春を教わった。そんな罪を自分が犯すわけがないと思っていたが、金に余裕が出てくると、頭の中で“一度くらいは…“と悪の囁きが脳内を駆け巡った。
そして、ついに手を出してしまった。やめられなかった。帰国する度に、これで最後だと決心しても、数日後には「…あと一回なら」と思ってしまう。
いつかはバレる。自分は表に出る仕事。疑惑でも浮上するば、あっという間に人気も暴落する。
そんな時、運命の瞬間があった。恋愛ではない。観客にいるある人物に目が入ったからだ。そこで考えた。ある計画を。
その人物は庵屋哲。顔のパーツや体格が自分と良く似ており、一瞬で目に入った。その人物と関わりを持ち、親しい関係に発展させる。そして、良きタイミングで自分は海外に逃げる。その際、彼に自分とよく似た格好をさせて、全ての罪を擦りつけよう、という計画だ。
では、どうやって彼に近付くかだ。その時は名前はもちろん、仕事も分からなかった。
だが、神は私の味方だった。何と、彼は芸人であり、弟子になりたいと申し込んできた。こんな最高なことはない。
弟子入りを了承し、頃合いを探る。俺の罪を受けてくれるのだ。それまでは十分可愛がってやろう。全ては計画通りさ。
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