第24話 居酒屋
「お~い神谷、仕事終わったら付き合えよ。呑みに行こうぜ♪ 明日は土曜日で会社休みだし♪」
営業から帰ってきて直ぐに俺は同期で同じ2課の同僚で、高校生の時からの付き合いがある
う~ん、呑みに行くのか。最近は飲み会も無かったし、たまには良いかも知れないな。それに下野が言う通り明日は会社休みだしな。
「ん。分かった。勿論下野が誘ってきたんだから下野の奢りだよな?」
俺は冗談っぽく笑顔でそう切り出すと
「お? お、おう! 任せとけ! 俺が誘ったんだから俺が奢るのは道理だからな!」
マジで奢ってくれるの? ラッキー♪ 8割冗談で言ったんだけどな。 言ってみるもんだな♪
「じゃあ神谷、仕事終わったら声掛けるから。残業無しで宜しく頼むぜ?」
下野はそう言って、俺の肩をポンッて叩いてから笑顔で自分のデスクに帰っていった。
しかし俺は見逃さなかった。下野は自分のデスクに帰りながらポケットから財布を取り出して財布の中身をチェックしていた事を。そして " 金足りるかな? 1万円あるから足りるよな? 神谷と俺の2人だし…… " と呟いていた事も。
やっぱり俺の呑み分は自分で払おう。 下野に奢らせるのは気が引ける。 下野は基本 " 良い奴 " なのだ。 しかもかなりのイケメン。 噂では社内の女子社員達が下野の事を虎視眈々と狙っているらしい。 本人は自分がかなりのイケメンである事に自覚は無いみたいだ。
そして業務終了時間となる。 下野は真っ先に俺の所にやって来て
「おい神谷、残業は無いだろうな?」
「お陰様で今日は残業無しで上がれるよ」
「よっしゃ♪ じゃあ Let's 居酒屋だぜ!」
俺は下野と一緒に、会社の近くにある居酒屋へと移動した。
居酒屋に向けて移動中に俺のスマホから着信音が聞こえてきた。
ん? 誰だろ?
スマホをポケットから取り出して画面を見ると、朋美から電話が掛かっている。 俺は下野に
「悪りぃ下野。電話に出ても良いか?」
「構わないぜ?」
お言葉に甘えて俺は通話をタップする。
「もしもし」
『もしもし雄二さん? 今お電話大丈夫でしたか?』
「ああ。大丈夫だよ。どうした?」
『えっと、明日土曜日でお仕事お休みじゃないですか』
「うん、そうだね」
『だから、私と今夜お夕飯でもどうかなぁって思ってお電話したんですが、どうですか?』
おっと、これはタイミングが悪いな。 朋美との夕飯はとても魅力的な話だが、下野と先に約束し、居酒屋に向かっている最中だからなぁ。 非常に残念だけど、今回は朋美の誘いは断るとしようか。
「ごめん朋美。今から会社の同僚と居酒屋に行く約束をしているんだ。だから…」
『…………』
ん? あ、あれ? 朋美さん? 何故無言?
「と、朋美?」
『……会社の同僚さんは " 男性 " ですか? それとも "" 女 "" ですか?』
こ、これはもしかして……朋美、俺の浮気を疑ってる?
「勿論 " 男 " だよ! 嘘じゃないからね!」
『…………』
あかん。完全に疑ってる。
「ど、どうすれば信じてくれる?」
『……写真を撮って送って下さい。そうしたら辛うじて信じても良いかも知れません』
「了解。一旦切るな」
俺は朋美との通話を一旦終了させる。
OK。写真ね。 俺は前に居る下野に
「悪い! 下野の写真を撮らせてくれ! 頼む!」
と手を合わせて頼み込んだ。
「おお? な、何か分からないけど了解だ」
不思議そうな顔をしながら下野は俺が構えるスマホに向かってピースサインで写真を撮らせてくれた。 そしてその写真を即効朋美のスマホに送信する。
すると直ぐに朋美から着信が。
「もしもし」
『……確かに男性でした。 ……でも、いまいち信用出来ません。雄二さん超絶格好良くて素敵な人だから、近くに女が居ても不思議じゃあありませんから。 だから、その居酒屋に私も行きます。雄二さん、その居酒屋の場所を教えて下さい』
「と、朋美も居酒屋来るの?」
『何か問題でも? やっぱり女が』
「居ないから! 絶対に居ないから!」
『じゃあ私が居酒屋に行っても問題ありませんよね?』
「……はい」
俺は朋美のスマホに場所を送信。 その後スマホをポケットにしまいこみ、下野に
「悪い下野。急遽居酒屋に彼女が来る事になった。すまない」
「……え? マジ?」
「すまん」
朋美には絶対に酒は飲まさない様にしないと。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。
今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m
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