第23話 通話

~朋美side~


「ふぅ。さっぱりしました」


お仕事も終わり愛車でマンションに帰宅した私は、1日の疲れを取る為にお風呂に入ります。 そしてゆっくりと湯船に浸かり、念入りに両足のマッサージをした後(受付嬢ですから、足に乳酸が溜まるんです)お風呂から上がりました。 


バスタオルを身体に巻き付けた状態のままリビングへ移動し、お気に入りのジュースを飲みながら一息ついていた時でした。


急に私のスマホから着信音が流れました。 スマホの画面には " 母 " の文字が。


私は通話をタップし


「もしもしお母さん? どうしたの?」


『もしもし朋美? どうしたの?じゃ無いわよ。貴女全然連絡して来ないじゃないのよ。 心配なんだからちゃんと連絡位は寄越しなさい』


「ごめんごめん。最近忙しくて。これからはちゃんと連絡する様にするから許して。 ねっ」


『全く貴女って人は……。で、元気なの?』


「元気じゃ無かったら電話になんか出てないよ。逆にお母さんやお父さんは? 元気にしてるの?」


『私は元気よ。お父さんは相変わらず会社が忙しいみたいで1日中バタバタしてるわ』


そう。私のお父さんはある企業の代表取締役です。所謂社長という立場に居ます。 結構大きな会社なんですよ。


「で、何か用事? お母さんが私が元気なのかを確認する為だけに電話してくる訳ないから」


『失礼な娘ね。お母さんだって貴女の体調位心配するわよ。まぁ、用事があって電話したのは当たりだけど』


「ほらやっぱり。で、何?」


『えっとね、貴女今年で24歳よね?』


「そうだけど? それが何か?」


年齢の事を言われて少しムッと来ました。


『貴女、お見合いしてみない? 丁度良いお見合い話があるんだけど』


……はぁ? お見合い?


「お断りね」


『何でよ? 貴女もいい年齢なんだし、そろそろ身を固めるのも大事よ? それに貴女、彼氏なんて居ないんでしょ? 元々貴女男嫌いな節があるし』


失礼な!? 私に彼氏が居ないなんて決めつけるのは止めてよね!! 私には愛する雄二さんという素敵で超絶格好良い彼氏が居るんだから!! いずれは雄二さんと結婚も視野に入れてるんだからね!! 確かに雄二さんと出会う前は男性は嫌いでしたけど。だって、どの男性も絶対に私の事を性欲の対象としてしか見て来なかったんだから。 本当に気持ち悪い。今思い出しても鳥肌が立ちます。


「失礼な! 私には超絶格好良くて超絶素敵な彼氏が居ますぅ!! いずれはその彼氏と結婚したいなぁって思ってるんだからね!! だからお見合いなんて死んでもしないから!!」


『えっ!? 朋美、彼氏居るの!? お母さん初耳なんだけど!? お見合いが嫌だからって嘘吐いてないでしょうね!?』


「嘘なんて吐くか~~~~!!」


『じゃあ証拠は? 朋美がその超絶格好良くて超絶素敵な彼氏とお付き合いしているという証拠をお母さんに見せなさいよ』


お母さんの言葉にムカついた私は、とっておきの雄二さんとのツーショット写真をお母さんのスマホに送り付けました。 するとお母さんは


『あら。本当にお付き合いしている男性が居たのね。 でも……フツメンね。お父さんの方がイケメンだわ』


「……おいコラ、貴様潰すぞ!? 誰がフツメンだって? 誰が60前の爺の方がイケメンだって!? 寝言は寝て言えやババァ!!」


『と、朋美ちゃん? 貴女お口が悪すぎない? お母さん滅茶苦茶びっくりしてるんだけど?』


おっと、雄二さんの悪口を言われてつい興奮しちゃいました。反省です。


「……こほん。と、とにかく私に超絶格好良くて超絶素敵な彼氏が居る事が分かったでしょ。だからお見合いの話はもうしないでね」


『…分かったわよ。先方にはお断りをしておくわ。しかし朋美……貴女って興奮すると超絶口が悪くなるのね? お母さん初めて知ったわ』


私も初めて知りました。自分が此処まで口が悪くなるなんて。


『でも、お父さんが朋美に彼氏が出来た事を知ったら気絶するかもね。その姿を想像したら笑えるけど』


もしかしたらそうかも知れませんね。お父さんは私の事を溺愛していますから。 でも、物分かりが悪い人では無いんですよね。少し厳しいだけで。 まぁ、お父さんが雄二さんとのお付き合いに水を差して来る様なら容赦なく潰しますけどね。


『今度この彼氏さんを家に連れて来なさいな。歓迎するわよ』


「機会があればね。雄二さんの都合もある事だし」


『雄二さんって言うのね彼氏の名前』


それからお母さんに根掘り葉掘り雄二さんの事を聞かれてしまいました。


やっとお母さんとの通話(歳を取ると話が長くていけません)が終わった頃には、私の身体はすっかり冷めてしまっていました。


" くしゅん! "


このままでは風邪を引いてしまいそうです。 もう1度お風呂に入って温まって来ましょう。


私はもう1度お風呂に入る為にお風呂場へ向かいました。




ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。


今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m






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