第19話 離れたくない……

カフェでゆったり(?)とした時間を楽しんだ後、俺達はショッピングモールに移動した。 朋美の提案で俺の洋服を買いに行こうという事になったからだ。 ……俺の今の服装ってもしかしてダサい? 


ま、まぁ確かに超絶可愛くて美人な朋美の隣に自信を持って並べる様な服装ではないな。 だからそれに見かねた朋美が提案してくれたのかも知れないな。 


でも幾ら服装をちゃんと整えてくれたとしても、中身が " コレ " だから無駄になるかも知れないけどね。





ショッピングモールに着き、目的地であるmen'sの洋服売り場で朋美は目を輝かせながら


「超絶格好良くて素敵な雄二さんに似合う服装をチョイスしなくては。私如きのチョイスでは雄二さんの超絶格好良くて素敵な魅力を存分に引き出す事は出来ないかも知れませんが、雄二さんの " 彼女 " として頑張って選ばなくてはいけませんね。ああ、物凄く迷います……これも良いし、あのお洋服も捨てがたいです」


と色々な洋服を俺に重ねて真剣な表情で選別している。


……そんな真剣な表情も物凄く可愛いなぁ。 


未だにこんな超絶可愛くて美人な朋美が俺の彼女だなんて信じられないんだけど。


本当に朋美は " 良い意味 " で滅茶苦茶目立つ。 ほら今この瞬間だってmen'sの洋服売り場に居る野郎達の視線を一身に浴びているんだから。  


あっ、あそこに居るカップルの男が、朋美を凝視していたから隣に居る彼女に思いっきり叩かれている。 


彼女と一緒に居るんだから、他の女を凝視しないで彼女だけを見ないからそうなるんだよ。馬鹿だなぁ。


あっ、あっちに居る野郎達は朋美の方をチラチラ見ているぞ。 あれは、朋美をナンパする為にいつ声を掛けようかタイミングを伺っているな。 気持ちは分かるけどナンパなんてさせないよ? 断固阻止させて貰う。


そんなこんなで約1時間程俺は朋美の着せ替え人形になっていた。


気に入った洋服のチョイスが出来たみたいで、朋美は " ムフ~ッ♪ " と満足そうな息を吐き、選んだ洋服をレジに抱えて持っていった。


支払いの際 " 洋服の支払いは俺がするよ。 " と朋美に言ったんだけど、朋美から拒否されてしまった。 " 私が雄二さんにプレゼントしたいので私が支払いをします! " と。



買い物を済ませショッピングモールを後にした俺達。 もう辺りは薄暗くなってきていた。


腕時計で時間を確認すると、時計の針は6時ちょっと過ぎを指していた。 もうそんな時間なんだ。楽しい時間はあっという間に過ぎるんだなぁ。 そろそろ解散しないといけない時間かな。明日は月曜日だから俺も朋美も仕事があるし。 


そうだ、朋美を送っていこう。夜道を朋美1人で歩かせるのは大変危険だと思うから。


「もう遅くなったから帰ろうか。朋美、マンションまで送って行くよ」


「えっ、良いんですか♡ じゃあお言葉に甘えちゃいます♡ エヘヘ、凄く嬉しいなぁ♡ 雄二さんとまだ一緒に居れる♡」


はにかんだ表情でそんな事を言ってくる朋美。 


はい! そりゃもう全力で安全に送らせて頂きます! 朋美には怪我の1つもさせませんよ!


そうして朋美と楽しくお喋りしながら宣言通り安全に朋美が住んでいるマンションまで送り届けた。


……ほえ~。朋美が住んでいるマンションって凄いんだなぁ。 セキュリティが充実している。エントランスに入る時に、指紋認証・暗証番号入力をしないと入れないみたいだ。 これなら女性の一人暮らしも安全だな。 俺が住んでいるアパートとは大違いだ。俺の住んでいるアパートなんかセキュリティ皆無だからな。


「じゃあ朋美、俺帰るね。今日はありがとう。物凄く楽しくて幸せな1日だったよ」


「私も物凄く楽しくて幸せな1日でした。だって、雄二さんが私の彼氏になってくれたのですから//////」


……朋美の事をめっちゃ抱き締めたい。 そんな衝動に駆られてしまった。 がしかし! 俺は紳士だ! そんな邪な衝動に負けたりしないのだ! 俺はこのままクールに帰るぜ!


「じゃあまた。帰ったらLINEするよ」


そう朋美に告げて俺は帰ろうと朋美に背を向けた。すると、俺の服の裾を朋美が可愛らしく摘まんできて


「……もう帰るんですか? 雄二さん、私のお部屋に来ませんか? 私、まだ雄二さんと離れたくない……」


と上目遣いでそう言ってきた。




それからどうなったか……。結局の所、俺はそのまま朋美のお誘いを丁重にお断りして自分のアパートに帰りましたよ。 だって、付き合いだしてまだ初日だよ? そんな日に朋美の部屋に入って、もし間違いがあったらどうするのさ!? 俺も一応男な訳だし、狼にならないという保証はない。 そんな不健全な事はしたくない。俺は朋美を大切にしたいから。 俺、紳士だろ?


でも何故か朋美は不満そうな顔をしていた。 俺が朋美のお誘いを丁重にお断りした時に、若干だけど頬を膨らませていた気がする。


帰り道俺は、これからの生活が滅茶苦茶楽しくなりそうな予感がするのを感じていた。


次は朋美を何処に連れて行こうかな。 何処なら朋美は喜んでくれるかな?


両手に朋美が選んでくれ、プレゼントしてくれた洋服が入った紙袋を持って、そんな事を考えながらアパートへと帰った。





ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


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今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m





















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