第14話 朋美さんとの外出

朋美さんが帰った後、俺はスマホのWebサイトを駆使して女性が喜びそうなスポットを検索しまくった。 朋美さんに喜んで貰う為のお出かけだからなぁ。念入りに調べておかないと。 朋美さんが少しでもつまらないと思ったらこのお出かけは失敗に終わるから。 朋美さんへの御礼なんだから絶対に楽しんで貰わないとな。 ……結局の所俺が行きたい場所になってしまったけど。 反省。だって分かんないんだよ! 女性の喜んでくれる場所なんてさ!


俺は朋美さんのLINEに日曜日の待ち合わせ時間と場所を書き込む。


" 雄二です。 日曜日の外出の件ですが、待ち合わせ時間と場所を決めてなかったと思いますのでLINEをさせて頂きました。 10時に会社近くの駅の猫の銅像の前で待ち合わせなんてどうでしょうか? すみません、俺そこしか待ち合わせ出来る場所を知らなくて。 もし時間と場所に不備がある場合は遠慮無く言って下さい。 宜しくお願い致します "


……これでよしっと。 送信。


すると数分もしない内に朋美さんから返事が。 しかも文章じゃ無くて直電で。


「も、もしもし神谷です」


『朋美です。日曜日の件ですが、私は雄二さんの決められた場所と時間なら何処でも何時でも大丈夫です♡ 日曜日物凄く楽しみにしています♡』


「そ、そうですか。そう言って頂けると嬉しいです。朋美さん」


『はい?』


「無理はしないで下さいね。都合が悪かったらちゃんと言って頂いて大丈夫ですので。 無理して俺に合わさなくても全然構わないので」


『無理なんかしていませんよ? 私は基本的に嫌な事は嫌って言いますから。だから心配しないで下さいね♪ 私的には今からでも雄二さんとお出かけしたい位なんですから♡』


「ははっ。流石に今からは無理ですけどね。分かりました」


『雄二さん、日曜日は何処に連れて行って頂けるのですか?』


「それは当日のお楽しみという事で。今行く場所を朋美さんに伝えてしまったら、日曜日の楽しみが半減しちゃいますから」


『了解です♪ 雄二さんが何処に連れて行ってくれるのか楽しみにしていますね♡ あ~あ。早く日曜日にならないかなぁ。楽しみ過ぎて眠れそうにありませんよ』


「そこはちゃんと寝て下さいね。睡眠不足は肌に悪いと聞きますので」


『はい♡ 雄二さんのお言葉に従います♡ 気合い入れて寝ますね♡』


朋美さんの気合いの入った言葉を聞いて俺はクスッと笑ってしまった。 本当に可愛い人だなぁ。


「あっ、そうだ。朋美さん、当日はなるべく動きやすい服装で来て頂けたら助かります」


『えっ、そうなんですか? 分かりました。動きやすい服装ですね。 また服装選びを頑張らなくちゃ。う~ん。動きやすい服装だから、スカートは駄目だよね? ボトムスはジーンズの方が良いかなぁ? だったら、トップスは……』


と朋美さんは何やらブツブツと呟きながら当日の服装を考えてくれているみたいだ。 何だか嬉しく思ってしまった。


「じゃあ朋美さん、日曜日に会社近くの駅の猫の銅像の前で10時に」


『…………』


「あれ? お~い朋美さ~ん?」


『……はっ!? は、はい! 何でしょうか!?』


「日曜日の10時に会社近くの駅の猫の銅像の前でお待ちしていますね」


『わ、分かりました! 死んでも必ず行きます!』


そ、そこまで気合い入れなくてもいいからね。


そうして俺は朋美さんとの通話を終了させた。


……俺も朋美さんに恥を掻かさない様にしないと。 御礼とはいえ、俺の人生初の女性と2人での外出だ。気合い入れないとな。本当に日曜日が楽しみだ。



そして日曜日。 絶対に朋美さんを待たす訳にはいかないと思い、待ち合わせ時間より1時間早く駅に到着した。 だから現在の時刻は9:00である。


さて、猫の銅像の前でスマホでも見ながらのんびりと朋美さんが来るのを待つとしますか♪


ブラウンのニットカーディガンと長袖シャツ。そしてカーキーのチノパンとスニーカー。 これが今日の俺の服装だ。


……25歳にもなってこの服装はもしかして無し? 朋美さんにヤバい奴が居るって思われないか心配だ。


そう思いながら待ち合わせ場所である猫の銅像の前まで来ると、そこには滅茶苦茶目立つ超絶美人な女性がコンパクトで自分の前髪をチェックし、ソワソワしながら立っていた。


……朋美さんだ。 な、何故朋美さんが居るんだ? まだ9:00だぞ!? 一体何時から此処に居るんだ?


俺は慌てて猫の銅像の前に駆け寄って


「お、お待たせしました朋美さん!」


「ゆ、雄二さん♡ よ、良かった~。待ち合わせ場所間違えて無くて♡」


今日の朋美さんの服装はデニムパンツと淡いピンクのニット。そして パンプスと耳にはピアスをしている。そして腕にはピンクゴールドのバングルを着けていた。


朋美さんに滅茶苦茶似合っている。 一流モデルみたいだ。 俺は朋美さんに見とれてしまった。


「雄二さん?」


朋美さんに声を掛けられ、現実に戻ってきた俺。


「はっ!? す、すみません! 朋美さん、何時から此処に居たんですか? 待ち合わせの時刻にはまだ早い気がするのですが?」


「ゆ、雄二さんとのお出かけが楽しみ過ぎて、8:00には此処に着いちゃいました////// 馬鹿ですよね私//////」


何ですと!? 朋美さんは1時間前から此処に居ると!? じゃあもしかして俺が待ち合わせ時間ピッタリに此処に来たとしたら、朋美さんを2時間も待たせる事になっていたかも知れない。 それは最悪だ!


「す、すみませんでした! 朋美さんを1時間もこんな所で待たせてしまいました!」


俺は朋美さんに深々と頭を下げて謝罪した。 すると朋美さんは慌てて両手を振って


「あ、謝らないで下さい! 私が勝手に早く来ちゃっただけですので! 雄二さんは何も悪くありません!」


俺と朋美さんはその場でペコペコとお互いに謝りあっている。 端から見たら変な奴らだ。


その後一頻り謝りあってから


「まだ行きたい場所の開店時間には早いので、良かったらそこのス◯ーバックスでコーヒーでもどうですか?」


と朋美さんを誘ってみた。 すると朋美さんは笑顔で


「はい喜んで♡」


と俺の誘いに乗ってくれた。


という事で、俺と朋美さんは時間を潰す為にス◯ーバックスに入ってコーヒーを飲む事にした。






ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。


今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m






















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