第13話 約束
「衝撃的な出来事を目の前にして、つい取り乱してしまいました。誠に申し訳ありませんでした。 もし宜しければ、私のさっきの言葉は聞かなかった事にして頂きたく存じます」
朋美さんは正座している俺の前に座り頭を深々と下げながらそう懇願してきた。
「お、俺は何も聞いていませんので安心して下さい! 俺の方こそ大変申し訳ありませんでした!! つい魔が差してしまったんです! どうお詫びしていいか!」
俺は朋美さんの前に土下座(勢い良く頭を畳にぶつけて謝るスタイル)をした。
「頭を挙げて下さい! あれは私がアレを脱衣場に忘れたのがいけなかったんです////// だからあれは私のミスですので雄二さんは悪くありません……少しだけしか////// ゆ、雄二さんも男の子ですから、き、興味ありますよね////// そりゃ無造作にアレが置いてあったら見ちゃいますよね//////」
言い訳はしません! はい! ガッツリ興味あります! 間違いなく見ます! 実際ガッツリ見ました! しかも朋美さんの様な超絶美女の物なら見るなと言われても無理です!
「申し訳ありませんでしたぁ!」
「……もうこのお話は終わりにしませんか? このままだと永遠ループしそうな予感しかしませんので」
「……俺もそう思います。朋美さんさえ良ければこの話はこの辺で終わらせて頂けたら幸いです」
これ以上は俺のガラスのメンタルが持たないので、朋美さんの提案は正直有り難かった。
そしてお互いに顔を見合わせて " クスリ " と笑い合った。 そして暫し沈黙が続いた。 や、ヤバい。話題を出さないと。 このままの沈黙に耐えれそうにないぞ! そ、そうだ! 朋美さんに御礼を言わないといけないんだった! あの出来事が衝撃過ぎて忘れる所だった! 良かった~思い出して。
俺は朋美さんに御礼を言うべく口を開く。
「朋美さん、今日は本当にありがとうございました。お陰様で助かりました」
すると朋美さんはキョトンとした顔をした後、小首を傾げて
「? 何の話ですか? 雄二さんに感謝される様な事はしていないと思いますけど?」
……その小首を傾げる仕草、滅茶苦茶可愛いな。 本当にこんな可愛い娘が俺の彼女だったらなぁ……。 いやいや、朋美さんが俺の彼女になってくれる可能性は0%なんだからそんな高望みはしてはいけない。 俺と友達になってくれている事だけで満足しなくては。
「今日、商品契約を結ぶ事が出来たのは朋美さんの情報が有ったからです。もし朋美さんが教えてくれていなかったら、話の取っ掛かりも無くて契約出来ませんでしたから。本当に感謝しています。ありがとうございました」
すると朋美さんは慌てて自分の前で両手を振って
「そ、そんな! 私は何もしていませんよ! 契約を結べたのは雄二さんの努力の賜物ですよ!」
やっぱり朋美さん可愛い。 朋美さんの仕草の一つ一つがとても魅力的に見える。
「という事で、朋美さんに御礼をしたいんですが」
「お、御礼なんて要りませんよ!? 私は本当に何もしていないんですから!」
「でもそれでは俺の気が済みませんので、何か御礼をさせて下さい」
俺が強めにそう言うと、朋美さんは困った顔をして
「本当に大した事してないんで何も要らないんですけど……困ったなぁ」
朋美さんは腕を組んでウンウン唸りだした。 俺からの御礼は何が良いかを考えてくれているみたいだ。
……数分後。 まだ唸っている。
……そしてそれからまた数分後。 まだ唸り声を挙げている。 ……決まりそうもないな。 どうしようか。 あっ、そうだ。 これなら御礼になるかも?
「朋美さん、次の日曜日予定ありますか?」
「えっ? 日曜日ですか? 今の所特に何も予定は入っていませんが?」
「それなら俺と何処か出掛けませんか?」
俺がそう提案すると、朋美さんは心底驚いた顔をした。その後真っ赤な顔になり
「そ、それって、も、もしかしてデ、デート…」
朋美さんは小さな声で何か呟いていたが、声が小さすぎて俺には朋美さんが何を言っているのか聞こえなかった。
「?」
「は、はい! 日曜日超絶暇ですので、是非雄二さんとお出かけしたいです! もし何か予定が入ったとしてもキャンセルして必ず行かせて頂きます!」
おおっ!? 何だかとても嬉しそうだな。 誘って良かった。
「じゃあ日曜日に俺と出掛けましょう」
「はい♡ 楽しみにしています♡」
という事で、朋美さんに御礼をする為に日曜日に出掛ける事になった。 さて、何処に朋美さんを連れていこうかな。 どんな所に連れていったら喜んでくれるかな。 早速計画を練らないと。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。
今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m
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