第9話 朝の出来事 その2

「只今帰りました」


コンビニに買い物に行った朋美さんが暫くして戻ってきた。 手にはコンビニの袋を持っている。


コンビニの袋はちょっとだけ透ける傾向にあるから、袋の中に入っている物がうっすら見えたりするんだ。


……俺が一体何を言いたいかって言うと……朋美さんが持っているコンビニの袋もちょっとだけ透けていて、中に長方形のプラスチックの小さい袋が入っているのが見えたんだよ。 あ、あれって……し、下着だよな。


俺がコンビニの袋を見ているのに気付いた朋美さんは、さっ!とコンビニの袋を自分の背中に隠して


「あ、あまり見ないで下さい////// 雄二さんのエッチ//////」


「ご、ごめんなさい! そんなつもりはこれっぽっちも! 朋美さんが持っているコンビニの袋がたまたま目に入っただけで!」


朋美さんに慌てて弁解すると、朋美さんはクスリと笑い


「そんなに必死に弁解しないでも大丈夫ですよ雄二さん。分かっていますから。 雄二さんはそんな人じゃ無いって事」


朋美さんがそう言ってくれたので俺は胸を撫で下ろした。 朋美さんに変態だって思われたらどうしようって思ったから。


「あ、あの雄二さん。お風呂頂いても宜しいですか?」


「ど、どうぞ! お湯張りもしていますので、ゆっくりして下さい! タオルとバスタオルは脱衣場に置いていますので使って下さい。使ったタオルは洗濯機の中にでも入れて置いて下さい」


「わ、分かりました。では、お、お言葉に甘えてお風呂頂きますね////// の、覗かないで下さいね? 信じていますから//////」


「だ、大丈夫です! 決して覗きませんから!」


「……むぅ。 じゃあ行ってきます」


ん? 若干だけど朋美さんの頬が膨らんだ様に見えたんだけど……気のせいだよな。 俺は紳士だから覗きなんて犯罪行為は絶対にしないのだ!(ただ超ヘタレなだけとも言う)


朋美さんがお風呂を使っている間、俺はテレビを点けて朝の情報番組に意識を集中させる。 じゃないと、お風呂場から聞こえてくる水音が俺の脳をピンク色に染め上げてしまうからだ。


……今日の降水確率は0% 占いは射手座が1位 最下位は双子座 今の時刻は6:30 動物園ではカワウソの赤ちゃんが大人気……っと。


という具合に意識をテレビに集中させていると


「雄二さん。お風呂ありがとうございました。お陰でさっぱりしました。あの雄二さん、もし良かったらドライヤーをお借りしたいのですが」


と朋美さんは俺に声を掛けてきた。


「分かりました。ドライヤーは洗面台の……!?」


俺は朋美さんの方に顔を向ける。 すると朋美さんのその姿を見て俺は驚いてしまった。 朋美さんの姿は、な、なんと、ブラウス1枚を着ただけの姿だったからだ。 ブラウス1枚着ただけの姿だったので、朋美さんの魅惑的なふ、太ももが見えているではないか! し、しかも、世の中の男子諸君が絶対に見てはいけない絶対領域の布地が少しだけ見えているのだ! ……グ、グレー……って違~~~うっ!!


俺は慌てて朋美さんから自分の頭が取れそうな程の勢いで顔を背けて


「と、ととと、朋美さん!? その格好!?」


「雄二さん? どうしたんですか? 私の格好? …………きゃあっ!!」


ドンッ!! バターーン!! 


脱衣場の方から何かにぶつかって落とした様な凄い音が聞こえてきた。 


俺は何も見てない!俺は何も見てない! 白くスベスベな太ももや、グレーの布地なんて見てないぞ!!


暫くしてから目を必死に閉じて俯いている俺に


「ゆ、雄二さん////// お待たせ致しました//////」


と朋美さんから声が掛かった。 恐る恐る朋美さんの声がした方に振り向くと、朋美さんが昨日の夜着ていたブラウスにスカート姿で恥ずかしそうにして立っていた。


「す、すみません御目汚しな物をお見せしてしまい。 いつもお風呂上がりはあの格好なのでつい何時もの癖で……//////」


「い、いや、眼福でし……じゃなくて、すみませんこちらこそ見てしまって////// お、俺も風呂に入って来ますね!! 失礼します!!」


俺は急いで風呂に入り、煩悩を振り払う様に何時もの5割り増しの力で頭を洗った。 ……白……グレー……いかんいかん!! 煩悩退散!!


俺は風呂から出て時間を確認すると、7:00を回っていたので、直ぐに会社に行く支度をする。 その間に朋美さんも会社に行く支度をしていた(女性の朝の支度は大変だなと思った瞬間だった。メイクとかその他諸々)。  朝飯は○ックで朝○ックにしようと朋美さんと約束している。勿論テイクアウトで(食べている時間は無さそうだから)。


お互いの支度が終わったので、アパートを出発しようとした。その時朋美さんが


「あ、あの! も、もし宜しければ、写真を1枚撮らせて頂いても宜しいでしょうか!」


とスマホを取り出して俺にお願いしてきた。


「お、俺の写真なんかで良ければ」


「あ、ありがとうございます! やった♡」


朋美さんは俺の横に並んできて、俺とのツーショット写真を撮り


「綺麗に撮れました♡ 雄二さんにも送りますね♡」


と言ってSNSで俺に写真を送ってきてくれた。


……待ち受けにしよう。 この待ち受けは誰にも見せられないな。


「…雄二さん、また遊びに来ても良いですか?」


朋美さんが上目遣いでそう聞いてきた。俺は


「朋美さんが良いのなら是非」


と即答した。 人生初の女性の友達だから大切にしようと思う。


その後俺と朋美さんは最寄りの駅から電車に乗り、会社近くの駅の○ックで朝○ックを買った後、別れてお互いの会社に出勤した。




ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。


今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m
















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る