第8話 朝の出来事

チュンチュン……。


雀の鳴き声で俺は目を覚ました。 ふぁあああ……。


……あれ? 何で俺は畳の上に布団を敷いて寝ているんだ? 何時もならベッドに寝ている筈なのに。 まだ覚醒していない頭をフル回転させる。


………そうだ。 そうだった。


昨夜は朋美さんがビールを飲んで酔っぱらいそのまま寝ちゃったから、俺のベッドに朋美さんを寝かして俺は布団を押し入れから引っ張り出して寝たんだった。


俺はベッドがある方向をチラリと見る。 するとベッドには物凄く可愛い寝顔で気持ち良さそうに寝ている朋美さんの姿が。


……ヤバい////// 朋美さんの寝顔……めっちゃ可愛い////// 


少しの間俺は朋美さんの寝顔に釘付けになって……っていかんいかん! 俺は変態じゃない! 俺は紳士だ! 直ぐに朋美さんの可愛い寝顔から目を反らした。


……こんな奇跡があって良いのだろうか? 彼女いない歴=年齢の俺の部屋に……しかも俺のベッドで超絶綺麗な朋美さんが寝ているだなんて。 あっ、何か部屋の中に甘い良い香りが……。 野郎からは絶対にしない女性特有の甘く良い香りが……って! やっぱり俺は変態なのか!? 邪な考えを持つんじゃない! 神谷雄二! お前は紳士だ! 決して犯罪者じゃない!


" ガンガンガンガンッ! ドンドンドンドンッ!


俺は無意識に土下座スタイルになり自分の頭を畳に何度も叩きつけていた。 頭が痛い? そんなの知るか!


「う……ううんっ……」


俺の畳へのヘッドバッドの音に反応した朋美さんが目を覚ました。 やべっ! 起こしてしまったみたいだ。


朋美さんは上体を起こして可愛く自分の目を擦りながら


「……あれ? 此処何処? 私…確か昨日……っ!?」


朋美さんの意識は一気に覚醒したみたいで、畳の上に居る俺とバッチリ目があった後、直ぐにベッドから飛び起きて俺の目の前に急いで座り土下座をしてきた。


「ゆ、ゆゆ、雄二さん! 昨夜は大変申し訳ありませんでした! 雄二さんのベッドを占拠してしまってすみません!」


深々と頭を下げる朋美さん。


「あ、頭を上げて下さい! その、全然大丈夫ですから!」


慌てて朋美さんの土下座を止めさせる。 女性に土下座させるなんてどんな鬼畜だよ!? それに……朋美さんが土下座すると、その……胸部のご立派なスイカが潰れて滅茶苦茶目立つんだよ////// DTの俺には朝から殺傷能力が高すぎるから止めて!!


「夕食後にビールを戴いた所までは記憶があるのですが、それ以降の記憶が無くて……私…何かしでかしましたか?」


朋美さんの質問に対して俺は勢い良く頭を横に振りながら


「いいえ!! 朋美さんはビールを飲んだ後、直ぐに寝てしまいましたから!! 特に何もしていませんよ!! 心配無用です!!」


「……ほっ。それなら良かったです。私てっきり雄二さんに御迷惑をお掛けしたとばかり……」


俺の言葉に安心したのか、朋美さんはふにゃっと微笑んだ。


……グハッ! か、可愛すぎる! 朝からエンジェルスマイルありがとうございます!!


「……えっと、今日はまだ平日なので俺は仕事があるんですが、朋美さんもお仕事があるのですか?」


俺は朋美さんにそう訊ねた。


「あっ、はい。私もお仕事があります。 ……あっ、どうしよう。今からマンション帰って支度していたらお仕事遅刻しちゃう……。このままお仕事に行くしかないかぁ……。でも、お風呂…入りたいなぁ…どうしよう…」


朋美さんは本当に困った顔をしてそう呟いている。 そうだよなぁ。男の俺と違って風呂は絶対だよなぁ。汗の匂いとか女性は絶対気になるもんなぁ……。


……よし。朋美さんさえ良かったらだけど


「あ、あの。と、朋美さんさえ良ければだけど、うちの風呂を使ってもらったら」


と提案してみた。


「えっ! ゆ、ゆゆ、雄二さんのお部屋のお風呂を!?」


真っ赤な顔をして朋美さんが慌て出す。 だよね~。当然の反応だよね~。 野郎の部屋の風呂なんか使うの嫌だよね~。


すると朋美さんがモジモジしながら


「……じゃあお言葉に甘えて……お風呂頂いても……宜しい……ですか?」


「は、はい!! 狭くて汚い風呂ですが、どうぞご自由に使って下さい!!」


自分から提案したのにいざ朋美さんが自分の部屋の風呂を使用するとなると滅茶苦茶慌ててしまった。 ち、ちゃんと風呂掃除出来てたかな!? 汚いって思われないかな!?


俺がアワアワと慌てていると、朋美さんが


「ゆ、雄二さん。近くにコンビニとかありますか?」


「ありますけど。お買い物ですか? 何なら俺が買ってきますよ?」


「い、いえ////// 私がお買い物に行かなくちゃ駄目なんです//////」


「えっ、でも朋美さん、お風呂に入る時間が」


「だ、だから……その……コンビニで……し、下着を…買いたいなって……思って……//////」


「っ!? た、大変失礼致しました!! そればかりは俺には無理です! 気を付けて行ってきて下さい! 俺、風呂を貯めておきますので!」


俺は朋美さんにコンビニの場所を教えて朋美さんを送り出した後、急いで風呂掃除をしてお湯張りをした。




ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。


今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m














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