ハロウィン
弓波は、水越の帰りを今か今かと待っていた。今日は、ハロウィンである。
弓波にしては珍しく、仕事が早く終わり、定時で家へと帰ってきた。水越は今日は残業で遅くなるらしい。いつもと逆だな、と弓波はふと思った。
いつもなら、水越の方が定時で退勤して弓波のために夕食を作って待っている。
俺がヘトヘトになって帰ってきても、ちゃんと水越は「おかえり」って言って、
美味い料理を振る舞ってくれたっけ……。弓波は、そんなことを考える。
*
––––そういえば、こんなことがあった。ある日、いつものように仕事をしていた弓波だったが「資料の作りが甘い」と上司に叱咤されてしまったことがある。そのときは、もうしょぼくれて家に帰っていった。しかし、玄関に着いた途端、良い匂いが鼻腔をくすぐった。
「おぉ、やっと帰ってきたのか。おかえり。ちょうどご飯ができたから、さっさと
手を洗って、席に着いちゃってくれ」
水越が台所からひょいと顔を出してそう言った。台所からは鍋のグツグツいっている音が聞こえる。
長時間鍋の前にいたのだろう。少し、額に汗がにじんでいる。
「ただいまー。なんか美味そうな匂いがするけど、何作ってんだ?」
弓波は訝しげに台所を覗き見ようとした。が、水越に止められてしまった。
「それは手を洗ってからだ。さぁ、さっさと手を洗ってこい」
半ば無理やり弓波は水越によって洗面所に押し込まれた。
流石に強引だなぁと思ったが、水越が手洗いに口うるさいのはいつものことだ。
だからといって、ここまで強引なのは珍しいけど。きっと、水越も今日上司に
ダメ出しされて、気が立っているのだろう。ここは、とりあえず手を洗った方が賢明かもしれない。そう悟った弓波は、大人しく手を洗った。
「はいはい、洗ってきたぞー」
弓波は疲れた声で台所にいる水越にそう声をかけた。
「よし。それじゃ、ごはんにしよう。弓波、茶碗と箸を運んでくれ」
水越はそう弓波に声をかけた。
「はいはい、りょーかいです」
弓波はいつになく軽い口調でそう言い、水越の言う通りに二人分の茶碗と箸を食卓に運んだ。
「今日はハンバーグだからな。ほら、お前の好物だろ?」
水越はそう弓波に優しく言った。皿の上には、肉厚なハンバーグが、デミグラスソースの芳醇な香りと共に佇んでいる。水越だって疲れてるだろうに、しょぼくれている自分を励ましてくれる水越に、弓波はジンと感動してしまった。
「……ありがとな、水越! やっぱり、お前みたいな奴がいてくれて良かった!」
弓波は水越に溢れる感謝を伝え、出来立てで熱々のハンバーグを口に運んだ。
口に運んだ途端、肉汁が口いっぱいに広がり、玉ねぎのツンとした香りが鼻腔をくすぐる。
「うまいっ! 水越、これ、美味いよ!」
弓波は、ハンバーグを一口飲み込むやいなや、水越に叫んだ。
「そうか。そんなに喜んでくれるんなら、俺も作ったかいがあったよ」
水越は、嬉しそうに笑いながら言った。
*
––––そんなことも、あったなぁ。弓波は、ふと懐かしくなり空を見上げた。
もう十八時頃なので、夜は真っ暗だ。まるで、街全体が闇に飲まれてしまったかのように。
「よし。水越が帰ってくる前に、俺はとっておきの”トリック”を仕掛けちゃおうかな!」
今日はハロウィンなのだ。だから、弓波は水越に料理を作り、水越を驚かせてしまおうと画策している。
「今日は水越の好物でもある、ミートソースパスタを作ろう!」
弓波はそう言って、景気づけにガッツポーズをした。こうしてガッツポーズをした方が、気合が高まるという弓波なりの工夫である。
まずは、スパゲティ二人前、玉ねぎ、にんじん、豚ひき肉、コンソメ、ホールトマト缶を用意した。
そして、玉ねぎをみじん切りに切った。みじん切りにするのは、弓波にとって苦手な作業の一つだ。苦戦を強いられる。料理番組とか見ていても、よく皆パパッと手際良くみじん切りすることができるよなぁと感心してしまう。
そんなことを考えて玉ねぎを切るたびに目が刺激され、痛い。いけない、集中しなければ。
「ぐっ……負けないぞ……こんな玉ねぎなんかに……! 今日は包丁で手も切ってないし、多分調子の良い日のはず……!」
弓波は溢れる涙を拭いながら呟いた。玉ねぎをみじん切りにする程度で諦めていては、この先の作業ができるかどうかも分からない。
無心で玉ねぎ一玉をみじん切りにできた。……といっても、どちらかというとみじん切りよりも、賽の目切りに近かったが。
よし、やっと終わったぞ。と、弓波は心の内で呟いた。
フライパンに油をひき、玉ねぎを炒め始める。弓波にしては珍しく、手際良く作業ができている。
「えーっとなになに……? 玉ねぎを飴色になるまで炒める……。飴色って、どんな色だ……?」
弓波はスマホに表示されているレシピを確認しながら呟く。
「飴色あめいろ……。あ、画像が表示されてる! なるほど、画像では玉ねぎが茶色になってるなぁ。じゃあ、このまま茶色になるまで炒めればいいってことか」
弓波は、レシピを見ながら自己解決した。それもこれも、レシピに画像が貼ってあるおかげだ。
引き続きレシピを読み進めていく。
「玉ねぎが飴色になるまで炒まってきたら、ひき肉とにんじんを加える……。ふむふむ、じゃあ用意したこのひき肉を入れればいいんだな」
そう呟いて、弓波はひたすら玉ねぎを飴色に炒めた。
やっと玉ねぎが飴色になった頃、にんじんとひき肉をフライパンに入れて炒めようとするも、弓波はある事実に気づく。
「しまった! にんじんをみじん切りにするのを忘れてた!」
そうして、弓波は慌てて包丁を握る。しかしこういうときに慌てると、怪我をしやすいかもしれない、と思い直し、慎重に包丁を握り直した。
「えーと……何々……。にんじんを四から五センチの長さに切る。それから切り口を下にして、一から二ミリくらいの薄切りにする……」
弓波は、レシピを読み、うーんと唸る。果たして俺に、にんじんを一から二ミリくらいの薄切りにするなんてできるのだろうか……。
弓波は少々不安になったが、とりあえずやるしかないといったように、にんじんを切り始めた。
にんじんを四から五センチの長さに切ることはかろうじて出来たが、薄切りにするのには苦戦した。指をそっとにんじんの端に置き、そっと慎重に切り始めた。
ザク……ザク……と、まるで大切なものを扱うかのように丁重に切っていく。
なんとかにんじんを薄切りに切り終わった。
「えーと次は……薄切りにしたにんじんを千切りにして、さらにみじん切りにする……と。なるほどね」
弓波はレシピを見終わると、薄切りにしたにんじんを横向きに置き、慎重に千切りをした。
「大丈夫だ……教わった通りにやれば……!」
慎重に千切りをしていき、無事に千切りにできた。……とはいえ、千切りといえるのか微妙な太さに切っただけだが。
あとは千切りにしたにんじんを、みじん切りにするだけである。弓波は、もうあとは
ただやるだけ、と言った感じに、がむしゃらにみじん切りにした。
にんじんは、玉ねぎとは違い、綺麗にみじん切りにすることができた。
そしてひき肉とにんじんのみじん切りをフライパンに入れた。
肉の色が茶色っぽくなってきた頃に、コンソメとホールトマト缶、塩、こしょうを加えた。そしてホールトマトに入っているトマトの原型を潰していく。
「よし、これでソースはこのまま三十分くらいとろみがつくまで煮ればいい、ってレシピに書いてあるし、このまま煮ておけばいいか。じゃあ麺を茹でよう」
弓波はそう呟いて、大きめの鍋を食器棚から取り出し、水を鍋にたっぷり入れた。
そして鍋をコンロにかけて、水が沸騰するまで待った。
「えーと……沸騰してから鍋に塩を入れるのか。了解!」
レシピを読んだ弓波は、卓上塩が入っている瓶を棚から取り出し、塩を鍋に入れた。
––––しかし。
「げっ、やべっ、塩を入れすぎたかも!」
レシピには『塩を小さじ一入れる』と書いてある。しかし、弓波は細かく書いたところをよく読んでいなかったため、塩を入れすぎてしまったのだ。
鍋の中には、白く濁ったお湯が沸いていた。
弓波の脳内では、この白く濁った湯をどうしようかという思考で渦巻いていた。このまま麺を入れると、麺がしょっぱくなりすぎてしまう。が、やがて良い案を思いついた。
「そうだ! この塩がお湯に溶ける前に、スプーンで塩を掬えば、まだ回避できるんじゃないか⁉︎」
そう弓波は一人で呟き、慌ててスプーンを取り出した。そして、塩を鍋から掬い出した。
「よし、なんとか大きい塊の塩は取り出せたぞ」
塊の塩を小皿に置いた。これで、麺がしょっぱくなりすぎるという事態は回避できた。
そして、グツグツとお湯が沸騰してきたら、すかさず麺を入れた。そして麺の袋表記通りにタイマーをセットした。
「よし、あとはこのまま袋表記の時間通りに待てばいいや。じゃあ、ソースの調子はどうなってんのかな」
弓波はそう呟き、ソースを煮ているフライパンにスプーンを突っ込み、フーフーと冷まして口に運んだ。
「うん、いい感じかも! トマトの酸味もひき肉の肉々しさもいい感じになってるなぁ」
弓波はそう呟き、とりあえずソースはこのまま煮ておくことにした。
ときどき麺を箸でかき混ぜながら、弓波は水越が帰ってくるのを待った。
水越が帰ってきてこの光景を見たらどう思うだろうか。弓波は、水越が帰ってきた時のことを想像してみた。
*
まず、水越は帰ってきたら即座に
「お、いい匂いがするな。もしかして、弓波が料理を作ってくれたのだろうか」
と思う気がする。でもそう思ったのも束の間で「料理を作ってるってことはつまり……あいつは、今頃大変なことになってるかもしれない!」と青ざめて、一目散に台所に向かってくることは想像がつく。
そして
「弓波、お前料理なんてして大丈夫なのか⁉︎ ケガはないか⁉︎」
とすごい剣幕で心配してくる。そしたら俺は
「別に、全然平気だよ!」
って感じで、涼しい顔で料理を作ってればいいんだ。
*
そこまで想像し、弓波はへへへと一人で笑った。第三者視点で見れば奇妙な光景ではある。
すると、設定していたタイマーがピピピと鳴った。
「お、もうできたのか。早いな」
弓波はそう一人で呟いた。自分が『水越が帰ってきたらどんな反応をするか』という事を想像している間に、もうそんなに時間が経っていたのか。
弓波はそう驚き、ザルをシンクに置いて、茹で上がったパスタをシンクにあるザルに入れた。同時に、お湯が流れていった。
「ふぅ、ここまで上手くいってたら逆に怖いな」
そう呟きながらパスタを、ソースが煮られているフライパンに入れ、混ぜた。
「美味そうな匂い! こんなにいい匂いがしてるんなら、失敗とは言えないだろ!」
弓波はそう歓喜の声を上げた。
そして、十回くらい混ぜて、麺とソースを絡めた後、皿に盛った。
「ただいまー」
ちょうどいいタイミングで、水越が帰ってきた。
「おっ、水越帰ってきたか! ちょうど良かった!」
弓波は嬉々として、急いで皿を食卓に持っていった。
「ん? なんだかいい匂いがするな……。これは、ミートソースか?」
そうぶつぶつ言っている水越の声が聞こえ、靴を脱ぐ音が聞こえる。
「水越、おかえりー!」
弓波はそういつも通りに振る舞った。さて、水越は気づくだろうか、俺が一人で
晩ごはんを作ったということに。
水越は洗面所で手を洗い、そのあとリビングに直行した。
「……あれ、これはなんだ? やけに豪勢だな」
水越は食卓の上の、美味しそうな黄金色に輝いているパスタを見ながら言った。
どうやら、まだ弓波が作ったという核心はついていないようだ。
「惣菜にしてはやけに作りたてのようだし……もしかして––––」
もう、ここで種明かしをしてしまおう。弓波はそう思い、口を開いた。
「これ、俺が作ったんだー!」
これがテレビのバラエティ番組なら、えー!とスタジオから驚きの声が上がりそうなものだ。しかし、水越の反応はそんなバラエティ番組とは全く違うものだった。
「……は? これ、本当にお前が作ったのか?」
水越は、素っ頓狂な声を上げ、そのままフリーズしてしまった。まるで弓波のことをまるっきり信じていないような口調である。レトルトか冷凍食品のやつを出したのだと思っているのだろう。弓波は、ふふんと得意げに鼻を高くした。
「ふっ、そうだよ! どうだ、驚いただろ!」
それを見た水越は、ふっと笑って言った。
「まさか、お前が一から全部作るなんてな。まだ信じられないが……すごいことだと
思う」
水越に褒められたのが嬉しくて、弓波は思わず両腕を上にあげてバンザイのポーズをした。
「あの水越がこんなに褒めてくれるなんて……うわぁ、めっちゃ作ったかいあるかも!」
「俺をなんだと思ってるんだ……?」
水越は弓波の発言に少々不満があるようだ。だが弓波はそんなことお構いなしだ。
「さぁ、早く食べようぜ! 麺が伸びるからさ!」
「はいはい。そんなに急かすなよ」
水越は弓波によって半ば無理やり食卓の椅子に座らせられた。
「じゃっ、両手を揃えて、いただきまーす!」
弓波の掛け声に合わせて、水越も両手を揃えて食前の挨拶をした。
「どれどれ……色はやけに美味そうだが、はたして味はどうなんだ?」
何やら水越は、一人でぶつぶつと言っているようだ。なんだか失礼なことを言っているような気もする。俺のことを信用していないな……? 弓波は心の中でそう思った。
水越はパスタをフォークで巻いて口に入れる。弓波は自分の分のパスタには手もつけず、それを見守っていた。
まずしっかりと咀嚼し、そして飲み込む。
「どうだった?」
弓波は、味の感想を水越に聞かずにはいられなかった。
「……うん。美味しいよ。肉の旨味もしっかり感じるし、麺も美味しい。だが……」
水越は顔を歪ませた。
「ちょっと塩が多すぎるな。麺がしょっぱい」
水越は顎に手をあてて言った。
「え……やっぱり、不味かったか?」
弓波は、そう俯きながら恐る恐る言った。
「いや、別に不味いというわけではない。ただ、麺の味が濃いと思っただけだ。おそらく、茹でるときに塩を入れすぎただろう?」
「う……おっしゃる通りで」
水越は淡々と弓波がやった行動を指摘した。弓波は、見事に図星を突かれたので
ますます俯きがちになった。
「でも安心しろ。ちゃんと美味かったからな。もっと自信を持っていいぞ」
水越は優しい笑みを浮かべてしっかりと水越に自分の思っていることを伝えた。
「え……本当に?」
「あぁ」
弓波は少し顔を上げると、急に上機嫌な顔になった。
「……やった! 今日これを作ることができて良かった! ミートソースパスタ、お前の好物だろ?」
弓波はもう踊り出したくなるくらい、気分が高揚し、水越にそう尋ねた。
「そうだ。よく作ってくれたな。正直、驚いてるよ。前までは、麺しか作れなかったもんな」
水越は、そう頷いて言った。
「へへっ、これ、お前へのトリックのつもりだったんだ」
弓波は得意げにそう水越に言った。
「なるほどな。でも、これは俺にとってはトリックというより、トリートに感じるが」
水越はそう呟いた。
「そっかぁ。でも、どっちにしろ水越が驚いてくれるんなら、ハロウィン企画大成功だってことで!」
弓波も得意げに鼻を擦った。
「たしかに、これには驚かされたよ。でも……」
水越は、何か言いたそうな顔になった。
「え、どうしたんだ?」
「これ、麺は何分くらい茹でたんだ?」
水越の唐突な質問に、弓波は面食らってしまった。
「え……ちゃんと、袋表記の時間通りに茹でたよ」
弓波はそう答えた。たしかに、きちんと袋に書いてある時間通りに茹でたはずだ。
「なるほど。袋表記の時間通りに茹でたのか。だが、パスタの麺は袋表記の時間より一分くらい早めにざるに上げた方が、美味い仕上がりになるぞ。今度から是非やってみるといい」
水越は少し考えるような表情をした後、弓波にそれとなくアドバイスをした。
「えっ、水越がアドバイスをしてくれた⁉︎ わ〜、めっちゃ助かる! 今度からそうしてみよう。アドバイスサンキュな、水越!」
「忘れないようにメモしておけよ」
喜ぶ弓波を見やり、水越はそう釘を刺した。
「はいはい!」
弓波はそう言って、メモアプリを開き『パスタ麺は袋表記より一分くらい早くざるに上げる』と書いた。
「でも、弓波がこんなに上手く料理できるなんてな。ついこの前までは、パスタの麺を茹でるだけで精一杯だっただろ? ソースなんて作る余裕なかったじゃないか」
水越は、地味に痛いところを突いてきた。
「うっ……そんな余計な事を言わなくてもいいじゃないか。俺も、色々頑張ったんだよ!」
弓波はそう水越に反論する。弓波も、このハロウィンのために、様々な事を頑張ったのだ。
包丁の握り方から野菜の切り方、調理器具の扱い方を一から学び直し、ようやくミートソースパスタを作るに至った。
「なるほどな……じゃあ、今度からは、弓波に料理を任せてもよさそうだ」
水越はそう呟く。
「え……ほんとに、任せてくれるのか⁉︎」
弓波の顔がパァッと輝いた。
「あぁ。少なくとも、今日は特に怪我もしていないようだしな。また、期待してるぞ」
水越にそう言われ、弓波は尻尾を振る犬のようになった。
「ありがとう! そう言われて、俺めっちゃ嬉しい!」
とりあえず、水越へのハロウィン企画が成功して良かった……と思うと同時に、
弓波は一抹の不安もよぎっていた。
……まさか、俺が兄に料理を教わっているなんて、水越には言えないな……。
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