　ふと手が空くとヤフーニュースを見てしまう。パソコンを使って仕事をしている人なら、みんなそうなんじゃないだろうか。俺はとにかく気が散りやすい。

　ちょっと前からよく見かけるのが発達障害についての記事だ。よくあるのが、夫の仰天行動に驚き呆れている奥さんたちの話。発達障害で職場の同僚から理解してもらえない人の話。色々読んだと思うけど、読んでて辛いのは奥さんに捨てられた旦那たちの話だ。

　著名人で発達障害っぽい旦那の典型だなと思っているのは、故有賀さつき氏の旦那の和田圭氏だ。2002年に結婚して4年で離婚したということだった。結婚した当時は意外な組み合わせ過ぎて、誰もがびっくりしていた。一方で、今でも記憶に残っているのは、八十くらいのおばあさんが「（有賀さつきが）いい人と結婚した」と、言っていたことだ。バブル期を謳歌していたであろう華やかな女性アナウンサーと絵にかいたような真面目そうな旦那。一見理想的に思えたが、二人は上手くいかなかったようだ。奥さんの方は旦那が宇宙人みたいで話が通じなかったと言っていた。俺から見たら和田氏の解説はわかりやすいし、誠実そうで、素晴らしい人に見えた。子どももいたんだし、もっと我慢すればというのが俺の正直な感想だった。和田氏は離婚後も独身を貫いていたが、数年前に病気で亡くなってしまった。

　和田氏が亡くなった後の記事によると、氏は母校の学習院のアメフト部を応援していて、学生の就職相談にも乗っていたそうだ。自身はアメフト部ではないのにだ。いい人じゃないかと思うが、コーチからもちょっと変わった人というコメントをもらっていた。

　俺からすると、氏は変わってるけど面白い人に思えるが、結婚相手だったら大変だったのかもしれない。今と違って当時は離婚に対する世間の偏見も強かっただろうし、離婚という決断に至るまでは相当精神的な負担があったに違いない。

　俺の場合は自分自身が相手を苦しめる立場だから、奥さんたちには「悪気はないから多めに見てやってください」と言うくらいしかできない。

　もし、その人が旦那じゃなくて自分の子どもだったら、自分が産んだんだから仕方ないなと思うだろうし、これでも良いところがあると考えるだろう。そのくらいの気持ちでいてほしい。

　最近ネット読んだのだが、発達障害の旦那と離婚した奥さんの話が出ていた。元々漫画で描いていて話題になり、ネットニュースに取り上げられていた。さらっと斜め読みしただけだけど、宇宙人みたいな頭のおかしい旦那と最終的に離婚しましたというものだった。

　奥さんは離婚を切り出す時に、六時間？だったか、かなり長い時間をかけて旦那に手紙を書いたそうだ。それを読んだ夫はショックを受け、「こんな風に思ってたんだ。わかってあげられなくてごめん」と、言ってた…と思う。そして、そのままテレビをつけて見始めたそうだ。奥さんは飽きれてしまい、一ミリの未練もなくすっきりと別れられたと書いてあった。

　俺は旦那がテレビを見始めた気持ちがわかる。俺も去る者は追わないタイプだからだ。その人は素早く日常に戻りたかったんだろうし、くさくさするから気晴らしがしたかったんだろう。俺は人に対する愛着があまりない。推測だけど奥さんと結婚したのも、結婚したいと思っていた時期にたまたま出会ったからに過ぎないのではないかと思う。それほど思い入れがないから、変わろうとしなかったんじゃないかと。

　発達障害の人は、好きな人とはうまくいかない気がする。コミュニケーションが苦手で挙動不審になるからだ。しかし、相手が合わせてくれるタイプなら何とかやっていける。俺自身、気に入った相手と付き合えた試しがない。いいなと思う人には好かれない。

　それにしても、旦那が「わかってあげられなくてごめん」と言っていたのがすごいと思う。俺は生きていてそんなセリフを吐いたことが一度もない。自分なら「あ、そう。じゃあ、別の人と再婚すれば？」と、言うだろう。その人の立場だったら、子どもも出来たし、何の文句があるんだと思う。俺は話し合いっていうのが好きじゃないし、いろいろ文句を言って来る人と暮らすのは無理だ。そもそも、そういう人を好きにならない。

　その旦那の場合は、子どもをどこかに置き去りにしたりもしていたようだけど（…ちゃんと読んでなくてすみません）さすがにこれはないけど、旦那は最初からいないものだと思って当てにしないのが一番だ。じゃあ、いなくても同じと言うかもしれないけど、そいつが自分の子どもだったら捨てられないだろう。可哀そうだから見捨てずに、　「頭がおかしい人だけど、働いてくれてるからいいや」と思って、末永く面倒を見てやってほしい。

　奥さんに旦那の面倒を見る責任はないだろうけど、自分の子どもなら、宇宙人でも途中で捨てられないだろう。発達障害の人は結局は一人で生きていけない人たちなんだから、とりあえず形だけでも一緒にあげてくれればと切に思う。