勉強法

 俺ははっきり言って勉強が得意ではなかった。同じ大学の人たちと比べてという意味で。


 もっと勉強ができればよかったと思う。もし、可能だったら専門職がよかった。一般のサラリーマンよりも”先生”と呼ばれてふんぞり返っていたかった。実力がない人、ミスが多く間違ったことばかり言っていても、肩書だけで、一等地に事務所を構えている人たちがいる。そんな人いるわけないと思うかもしれないが、事実だから仕方がない。五十を過ぎて今さら勉強なんかしても仕方がないが、年末に発達障害の人が書いた勉強のハウツー本を読んだ。読みたいと思ったら、たまたまkindle Unlimitedに入っていた。『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本』というタイトルだった。


 本を書いた人は、二浪だけど難関大ICU(国際基督教大学)の出身だ。ICUというのは皇族と結婚したコムロックこと小室氏の出身校である。ICUの入試は難しい。どう対策を立てていいかわからないような試験だった記憶がある。あとは英語ができる人が多いんじゃないかと想像する。もし、著者がICUを狙わなければもっと早くどこかに合格していた気がする。


 発達障害(ADHD)の人は集中力がなくて気が散りやすい。勉強していても片づけを始めたくなってしまい、予定通りに進まない。仮に勉強していたとしても得意科目だけに集中してしまい、まったく手を付けていない分野(穴)ができやすくなる。


 勉強法としては、ある資格試験を受けようと思ったら、あと何カ月あるかという大まかなスケジュールを設定し、それを基に時間配分をしていくというもの。それから、机に気になりそうなものがあったら、目の前から遠ざけておく。時間を区切ってやる等だった。あまり書きすぎると、営業妨害になるのでやめておく。


 AmazonのKindle Unlimitedの無料お試しをやればただで読むことができるし、図書館で借りれば金はかからない。


 今年は何か新しいことを勉強しないといけないと思う。今までの惰性で働いていても、会社のお荷物になっているだけの可能性もある。自分の全盛期のイメージでいつまでも仕事をしていても、知識もやり方もすっかり古くなっている。若い人の方が新しい物を取り入れて、合理的に仕事を進めているんじゃないだろうか。


 子ども向けの勉強本は別にあるようだから、今度それも読んでみようと思う。毎日授業で新しい項目をやるのだから、資格試験とは別のアプローチが必要だろう。それにしても、学校というのは勉強をするという目的に絞った場合はかなり効率が悪い組織だ。無駄な時間が多すぎる。そんなのみんな気が付いているから、金のある人は子どもを私立に行かせるのだろうけど。


 今はAIが出て来て、語学なんかは勉強しなくても、ほとんど困らない時代になって来ている。文章はChatGTPで一瞬で翻訳できるし、メニューなんかもカメラアプリで翻訳ができる。YouTubeも自動翻訳機能がある。今の子どもは、何のために勉強するのか増々わからなくなっているんじゃないかと思う。

 しかし、脳が退化しないように、使い続けなくてはいけないのは、車があっても運動しなくてはいけないのと同じ理屈だろう。呆けないために勉強する。こういうのは、働かなくてもいいような人が暇だから仕事をしているのと同じように贅沢なのかもしれない。

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