カオスソルベ編

第5話「ミルフィーユVSソルベ!勇者からのペナルティー」

 木苺ヶ丘きいちごがおかの住宅地からコミュニティバスで5分ほどの場所にある廃駅「苔桃台東こけももだいひがし駅」、かつては南斗なんと町と蘭栖らんす市、瀬戌せいぬ市を結ぶ苔桃台新交通苔桃台線、通称「エレールライナー」が走っていたが、終着駅である苔桃台東駅から南東にある他の路線とのアクセスの悪さと開業して以来の赤字続きに、おおみや駅から香令かれい町を結ぶ新交通システムによる影響、そして延伸先であった新居須にいす市との折り合いの悪さで4年前に路線廃止となり、閉鎖された高架駅である。現在は駅施設、高架橋などの撤去費用の問題で廃線跡の殆どがそのままの状態となっている。


「スイート…」

「レボリューション!!!」


「マジパティ!!!!!!」


 廃駅となった高架駅のホームで、エクレアカオスイーツと対峙した2人は、ポーズを決める。

「禍々しい混沌のスイーツ、勇者の力で木っ端微塵にしてやるぜ☆」

 ミルフィーユはいつも通りにそう口走るが、今回のカオスイーツはいつもとは違う気配である。人間界に現れたカオスイーツは大抵、ブラックビターの面々が放つカオスの力で人間の負の感情と融合し、その負の感情を持った人間の姿そのものをカオスイーツとして変化させてしまう。しかし、今回は人の気配一つすらない廃墟と化した駅施設に現れた。2人も…そして、真っ先にカオスイーツの気配を感じ取ったあずきも、カオスイーツのただならぬ気配にピリピリしている。最も、あずきの家は苔桃台にあり、苔桃台東駅から延びるループ線の先にある高台の大きな邸宅があずきの家そのものなのである。

「2人とも…お気をつけて…ワタクシもココアもできる限り支援致します!!!」

 その言葉を聞いた2人は、黙って頷いた。そしてあずきとココアは階段の影に身を隠す。ガラス張りのホーム、役目を終えた電光掲示板…駅の外は青空だというのに、駅のホームは仄暗い。一方、ラテは持ち前の幻影を出す能力でこじ開けた入口の防火シャッターを誤魔化している。


 プディングが今回のカオスイーツの弱点を探ろうとした刹那、突如カオスイーツの身体から黄色い液体が飛び出し、プディングに直撃した。


「パリンッ!!!!!」


 突然の攻撃でプディングはガラス製のホームドアに激突し、ホームドアのガラスは割れ、プディングは線路上に投げ飛ばされた。

「プディング!!!!!」

 プディングはガラスの破片がコスチュームに引っかかり、ところどころが一瞬でズタズタになってしまった。

「この…カオスイーツ…強い…」

 プディングの言葉に、ミルフィーユはカオスイーツの足を掴んでジャイアントスイングを試みるが…


「バリンッ!!!!!」


 逆にカオスイーツに投げ飛ばされ、ミルフィーユはプディングとは反対の線路上に投げ飛ばされた。

「うぐっ…」

 ミルフィーユは受け身を取った事で、全身を激しく打ち付けることはなかったが、ミルフィーユのコスチュームもガラスの破片によってところどころがズタズタにされてしまった。2人は線路から這い上がろうとするが、這い上がろうとした途端、2人の頭上に雷が直撃する。


「ぴゃああああああああああっ!!!!!」

「ぐあああああああああああっ!!!!!!」


 2人が這い上がろうとすればするほど、カオスイーツは2人に雷を落としていく…そんな2人の苦しむ声に、あずきは居てもたっても居られず、すくむ足で階段を一段一段と上っていく…

「お二人を…守らねば…」

 紫色を基調とした膝丈ワンピースは、青紫色の光を放ちながら徐々に形を変え、青紫色を基調としたノースリーブのミニ丈の着物へと変化を遂げる。足元もフリルの付いた白のクルーソックスと青のストラップシューズは、青紫色のレッグウォーマーと、黒いブーツへと変化した。服装だけでなく、あずきの耳も尖り、髪の色も黒髪から青紫色へと変わる。…これが、あずきのスイーツ界の住人・ライスとしての本来の姿である。


「お待ちなさい!!!カオスイーツ!」


 再びマジパティに雷を落とそうとするカオスイーツに向かって、青紫色のミニ丈の振袖少女が階段から現れた。

「ライス・ケーキと申します。これ以上、マジパティを傷つけるものなら、このワタクシがお相手致しますっ!!!!!」

 大きな怪物と対峙したことで竦む足…それでも、本来の姿に戻るほどあずきはマジパティを守りたかった。ただ…それだけだった。戦闘向けの実力などないが、ライスに戻ったあずきにはカオスイーツをけん制できる武器が1つだけあった。…爆弾である。ライスには元々爆弾を生成する能力があり、豆粒サイズだろうが、どんなサイズでも簡単に生成してしまう。


「ゴー・ボンバーっ!!!!!」


 飛び掛かるカオスイーツに向かって、手りゅう弾サイズの爆弾を投げつける。爆弾はカオスイーツに直撃し、カオスイーツは標的をライスへと向けた。ライスは咄嗟に改札口に通じる階段を駆け下りる。涙目になるほど心の中は恐怖でいっぱいだが、それでもライスもとい、あずきの「マジパティを守りたい」という気持ちだけは揺るがない。


「プディングメテオ・キャラメリゼ!!!!!」


 ライスに襲い掛かるカオスイーツに、プディングの放つ球体が直撃し、割れた球体から粘液が溢れ、階段の踊り場でカオスイーツの動きが封じられた。そして…


「ミルフィーユパニッシュ!!!!!」


 カオスイーツの頭上にミルフィーユの攻撃が雷の如く降り注いだ。カオスイーツはライスの目の前で一刀両断され、徐々に本来の人間の姿に変わっていく…エクレアのカオスイーツとなっていたのは、一悟いちご達がいつも学校で会っている人物・下妻稲生しもつまいなおだった。下妻先生は虚ろな目で階段を最後まで降りると、改札口を目の前にして、糸が切れた操り人形の如くうつぶせの状態で倒れた。


「ドサッ…」


「う…嘘っ…」

 倒れた下妻先生の手からは、穴の開いたシルクハットが転がる。そのシルクハットをミルフィーユが拾い上げると、ミルフィーユは衝撃の事実に気づく。

「この穴…あの時の…」

 ミルフィーユの言葉に、プディング達はこれ以上何も言えなかった。



 英語教師・下妻稲生が「ブラックビター」のメンバーであるムッシュ・エクレールという事実に対して…




 しんと静まり返るカフェ「ルーヴル」の2階…ムッシュ・エクレールはかつて、勇者シュトーレンと同じパーティーで活躍していたエルフ族だった。そして、ライスの叔父でもある。

「叔父さまが…どうして…」

 ムッシュ・エクレールは下妻稲生の姿のまま、瀬戌警察署近くにある彩聖会さいせいかい瀬戌病院に緊急搬送された。丁度人の通りがなかったので、「たまたま通りかかっていたら廃墟前で倒れていた」という事にして…

「ムッシュ・エクレールが勇者様を探しに人間界に向かったのが3年前…そして、すぐにムッシュ・エクレールの交信は途絶えました。」

「叔父さまはナルシストでしたが、ワタクシや精霊たちの面倒をいつも見て下さった優しいお方…それなのに、どうしてカオスと手などを…」

 ムッシュ・エクレールの意識は戻っていない。カオスと手を組んだ理由については、本人の意識が戻らぬ限り、知ることは難しいのかもしれない。




 ムッシュ・エクレールが苔桃台東駅跡で倒れてから2日後…彼はやっと意識を取り戻し、「下妻稲生」として彩聖会瀬戌病院に入院している。そこに、1人の赤髪の女性がタクシーでやって来る。シュトーレンだ。彼女は普段とは違い、白い開襟シャツに濃紺のジャケット、ブラウンのロングスカートにブラウンのショートブーツ姿だ。


「ガラッ」


 2回ほどのノックの後、「下妻稲生」のいる病室の扉が開き、シュトーレンが入ってきた。突然の訪問者に、ムッシュ・エクレールは目を丸くしている。

「勇者…様…」

「久しぶりね…」

 シュトーレンはにっこりと微笑んでいるが、声が男声の時点で、ムッシュ・エクレールは恐怖を感じた。

「もう殴りつけるなり、好きにしてください。私は3年前、人間界にやってきたばかりの時に、カオスにそそのかされた愚か者なのですから…」

「それで?アタシは今日、エクレール…あんたの意識が戻ったから、そのあとどうしていたのか聞きに来ただけ。最も…ライスが学校にも行けない程ショック受けて寝込んじゃったからさ…」

 シュトーレンの口から姪の名前が出た途端、ムッシュ・エクレールは覚悟を決め、人間界にやって来た3年間のすべてを話した。


 ムッシュ・エクレールは3年前、人間界の日本国埼玉県瀬戌市苔桃台にある苔桃台東駅に降り立った。そこは既に電車の気配も、人の気配もなく、ただただ…仄暗く静かだった。そんな彼の背後に現れたのが、黒いもやのような物体で、黒いもやは瞬く間に降り立ったばかりのスイーツ界の住人を飲み込んでしまったのだった。気が付くと、ムッシュ・エクレールは瀬戌市にある廃デパートの地下に居た。そこに居たのは肌の色と同じ色の鬼の角を生やした黒髪のメイドと、1匹の狼と無数の蝙蝠…そして、ムッシュ・エクレールの姪よりも幼い黄緑色の髪のゴスロリ少女…ゴスロリ少女の目がギラっと光った刹那、彼は胸元に焼き印を押されたかのような熱い痛みを覚えた。その後は「ブラックビター」の一員として、カオスイーツの生成にいそしんでいた。


「「ブラックビター」のメンバーとして操られていた私は、もう狂ったようなモノでした。正直、あの空間は二度と味わいたくもない生き地獄と言ってもいいでしょう…」

「生き…地獄…」

「そんな時に出会ったのがマジパティでした。彼女たちと戦っているうちに、段々と思い出してきたのです…カオスによって封印されたあなたとの思い出を…ミルフィーユとプディングが一緒に戦うようになってからは、カオスに歯向かうようにわざと負けに行くようになりました。でも…そんな私をカオスは許さなかった…」


 連戦連敗を繰り返すムッシュ・エクレールに対し、カオスはとうとう彼をカオスイーツと融合させ、エクレアカオスイーツにしてしまったのである。カオスイーツと化した彼にはわずかながら意識はあった様で、突然現れた姪っ子の表情を見た刹那、思ったことは一つ…



「マジパティよ…勇者様よ…この化け物と化した私をお救い下さい…」




 一度闇へと堕ちた者は、都合よく簡単に光へ戻ることはできない…それは彼も覚悟していた。それでも彼は望んだ…「光の中へ還りたい」という願いと共に…





「きゃははっ!!!もっと泣けぇっ!!!もっと無様な姿を晒せよォ…ブルーのマジパティ!!!!!」


 放課後になって、再びマカロンは2体のカオスイーツ共々ソルベに襲い掛かっていた。ちょうど学校近くの森の中で雪斗がソルベの姿で弓の練習をしていたところであり、ソルベを襲いたいマカロンにとっては絶好のチャンスだった。ムッシュ・エクレールの数々の裏切り行為で、「ブラックビター」も深刻な人員不足となっている。新たな駒を確保するため、マカロンとティラミスはこのところ毎日カオスとの融合に適した人材の選別にあたっている。今日のマカロンは、たまたま居合わせたクレーマーとして有名な口うるさいだけの50代の女性2名をそれぞれ、クッキーカオスイーツ、キャンディカオスイーツに変えた。

「ふふっ…クレーマーなモンスターペアレントから感じる負の感情…最the高…絶品じゃん♪」

 そう言いながらマカロンは、クッキーのカオスイーツに羽交い絞めにされ、飴細工のカオスイーツに全身を切り刻まれるソルベをスマートフォンで動画撮影する。それはマカロンのビミスタグラムのアカウント、シャベッターのアカウント、そしてtic takのアカウントでそれぞれ公開される。

「もっと…もっとなぶれ!!!もっと嬲れば、さらに映えるっ!!!!」

 流石は「ブラックビター」で一番のSNS中毒…そんなマカロンにとって、ソルベを襲うことは最高のSNS映えなのである。


 その時だった…


「プディングメテオ・ミストシャワー!!!!!」


 突然、プディングの声と共に森の中に霧が発生した。それと同時に山の中に湿気が立ち込め、2体のカオスイーツの動きが鈍り出した。

「なっ…」

 スマートフォンを隠しつつ、マカロンが振り向くと、そこにはプディングワンドを構えるプディングと、ミルフィーユが立っていた。

「クッキーと飴細工は、湿気に弱いんです。ジップロックに入れるなど、保存には気を付けてくださいね?」

 プディングもとい、米沢よねざわみるくの趣味はお菓子作り。そんな彼女ならではのうんちくである。

「えぇーっ、知らなかったぁ~ん!!!!気を付けようっと…」

 ミルフィーユとプディングの言葉には潔く従うマカロンであった。

「今です!ミルフィーユ!!!」

「これ以上ケガしたくなけりゃ、伏せてな!!!」

 そう言いながら、ミルフィーユはミルフィーユグレイブを水平に構える。


「ミルフィーユパニッシュ・横一文字斬りっ!!!!!!」


 普段は上空からミルフィーユグレイブを振りかざすが、今回は木々の生い茂った森であるため、普段通りに飛び上がることができない。そのため、今回はトルテからの口頭で聞いたシュトーレンの剣術の一つを参考にしたのだった。2体のカオスイーツはミルフィーユの攻撃によって共に真っ二つにされ、光と共に本来の姿へと戻る。

「うわっ…3年の宇津井うついの母ちゃんと隣のクラスの式敷しきじきの母ちゃんだ…助けなきゃよかった…」

 カオスイーツに戻った女性2人を見るや否や、ミルフィーユはつい本音を漏らす。一悟は元々この2人から理不尽なクレームを言われており、一悟だけならまだしも一悟の母や姉に対する悪口もこの2人が中心に口走っているため、千葉ちば一悟としては、「カオスイーツ化されていなけりゃ助けたくない存在」であった。

「そんな事言っちゃダメ!あたしもパパとママに対する悪口を言うこの2人は嫌いだけど…」

「そうなのぉ~?モンペはSNSで拡散しなきゃ直らない系なら、拡散しとくね~♪ばいばーい♪」

 ミルフィーユとプディングに向かってそう言うと、マカロンはフッと消えてしまった。

「なんでもかんでもSNS酷使すんなよ…あ、英語が自習なのをいい事に、人に消しゴム投げつけまくった挙句、人を廊下に追いやった誰かさんに言っとくわ。」

 マカロンに対してツッコミを入れつつ、ミルフィーユはソルベを横目で見ながら今日の学校でのやり取りを思い出した。


「人の事に執着する暇があるなら、少しはカオスイーツと戦うためだけに使えよなー?」


 ソルベは何も言い返せなかった。そして、そのまま氷見雪斗ひみゆきとの姿に戻りながら山を下る…いつもならミルフィーユの言葉に反発するのに、今日だけは何故か言葉を返すことができない。それは今の雪斗自身もわからない事…いや、理解できない事だろう。




「感謝してよね…あんたの罪、被ってあげたんだから…」



 1つ年上の親戚の子に言われた言葉がよみがえる…千葉一悟を追い掛け回したことで、彼女は一時的にサン・ジェルマン学園を離れることになった。だが、実際に一悟を追い掛け回していたのは雪斗で、雪斗はお咎めなしと引き換えに、彼女は雪斗の罪を被ることになったという事…これも、今の雪斗には理解ができない事だろう。雪斗自身に、一悟にしつこく執着する事がどれほど危険なのかわからないのだから。


 雪斗と一悟が初めて出会ったのは、共に5歳の時だった。当時の雪斗は「氷見雪斗」ではなく、「今川いまがわ雪斗」と父親の苗字を名乗っており、見た目もほとんど女の子と言わんばかりの姿だった。この当時から雪斗の両親は仲が悪く…というよりも、父親のモラルハラスメントが雪斗にも彼の母にも降りかかる毎日で、それを見かねた雪斗の母親の実家…つまり、氷見家の人間が2人を氷見家の本家がある瀬戌市木苺ヶ丘に匿った。一悟と雪斗が出会ったのは、丁度その時期である。


「一緒にあそぼーぜ♪」



 曾祖母の計らいで一時預かりとなった瀬戌市の保育園…そこで無邪気に手を差し伸べる男の子が一悟だった。この頃はみるくも同じ保育園にいたが、雪斗が一時預かりとなっていた時期は丁度、帯広に住む父方の祖母が病気で亡くなり、葬儀のため保育園を休んでいた。一悟や他の子達と遊ぶ雪斗はとても楽しそうで、保育園に居る間はずっと笑っていた。しかし居所はすぐ今川家にバレてしまい、雪斗は母親と共に今川家によって東京に連れ戻され、母子ともに軟禁状態とされてしまった。やがて雪斗に弟と妹が生まれても、今川家の監視の下で過ごさざるを得ない状態が、両親の離婚まで続いた。



「やめて…父さま…やめて!!!!!」



 あの時は母方の祖母の下で日本舞踊の練習をしていた時だった。雪斗の父親はもうすぐで7歳の誕生日を迎える自分の息子に対して本性を現した。雪斗の父親は女装した少年を見ると、性的に興奮する男だったのだ。子供の親権のための調停でも、雪斗の父親は結婚した本当の理由が「相手が処女だったから」という事をほのめかし、雪斗の母親を嘲笑うかのように有能な弁護士を携えつつ、雪斗の親権をまんまと手にした。それ以来、雪斗は人質同然の生活だった。学校にも行けず、殆ど父親と一緒の生活…勉強もロクに教えてもらえず、教えてもらえたのは弓道と将棋とかるたのみ。まるで羽根をもがれた籠の鳥のよう…



「今川武夫たけお氏の長男が自身の息子に対して問題行動を起こしている」



 雪斗が10歳の時だった。1人の国会議員による発言で、雪斗に再び光が差した瞬間である。その国会議員と母方の親戚側の後押しで雪斗の親権は母親に移り、戸籍も「今川雪斗」から「氷見雪斗」となった。父親が植え付けたトラウマが災いして学校には通えなかったが、氷見家本家の当主となった雪斗の祖父や親戚の子、そして離れ離れだった母と弟、妹達の支えもあり、隔離生活されててできなかった勉強の遅れを取り戻し、中学から再び学校に通えることになった。そこで再会したのが一悟だったのだが、一悟は当時の雪斗を女の子と認識していたらしく、自分より背が高く、尚且つ年相応の顔立ちの少年となっている雪斗に「久しぶり」と言われても、「誰だよ、お前」で返すのもやむを得なかっただろう。


 やっと再会できたというのに、一悟の態度はそっけなかった…それが、雪斗が一悟に対してしつこく追い回すようになった原因だ。一悟はクラスメイトとすぐ打ち解け、尚且つ大抵は幼馴染の少女と一緒にいる。雪斗にとってはそれが一番面白くなかった。「千葉一悟の傍に居るのは僕だ」…その感情が勝り、雪斗は一悟を煽るようになった。一悟にとっては「ケンカ売ってきた相手」としか認識されず、部活や成績、身長を盾にいつも口論ばかり。それでも雪斗は一悟に構ってもらえるのが嬉しかったが、他の男子からは異常な目で見られていた。誰も何も言わない。雪斗の家柄、女子からの人気、そして生徒会のメンバーである事…SNS上では雪斗に反発しても、SNSすらやっていない雪斗本人には伝わることがないからだ。




「3日ほど学校を休んでしまい、本当に申し訳ございませんでした。本日午後付けで復職致しますので、何卒よろしくお願いします!」

 学校近くの山の中での戦いの翌日、下妻先生は前日の検査で「異常なし」と判断され、無事退院。退院から翌日の午後…つまり本日付けで職場に復帰したのだった。今日は中等部の球技大会のために授業自体はないが、他の職員たちへの挨拶のこともあり、学校に来ている。晴れて「ブラックビター」のメンバーとして縛り付けられる生活でなくなり、英語教師・下妻稲生として生活できるという幸せを彼はひしひしと噛み締めている。そんな彼は、担任を務める2年A組の教室から物音がする事に気が付いた。ガタガタと机と椅子が崩れる音…彼は咄嗟に扉を開けると…


「何をしている!!!」


 そこに居たのは、2人の人物…1人は体操着姿の女子生徒で、先ほどの衝撃で足を怪我してしまったらしい。彼女のメガネが吹き飛ぶほどだったので、余程の衝撃だったのだろう。一方の殴った相手は水色の髪をサイドテールにまとめた少女で、彼女は弓を構えたまま女子生徒に青く光る矢を向けている。

「氷見、そこを動くな!!!マジパティの姿で、しかも生徒会のメンバーで、木苺ヶ丘の大地主の孫である貴様が、なんでこんな事をした!!!!!」

 下妻先生はそう言いながらソルベの腰にあるブレイブスプーンを取り外しつつ、ソルベから氷見雪斗に戻る人物の腕をつかむが、強制的に変身を解除された雪斗は何も答えない。

「米沢に対する傷害、器物損壊…そして、窃盗!今、貴様が米沢に対して行ったのは、「いじめ」というオブラートで包んだ犯罪行為だっ!!!!!答えろ、氷見っ!!!!!」

 雪斗は答えない。それどころか、下妻先生からブレイブスプーンを奪い返しながら雪斗は「チッ」と舌打ちし、先生の手を振りほどきつつ、教室を出ながらこう叫んだ。


「千葉一悟に伝えろ!!!「放課後、木苺ヶ丘中央公園に1人で来い」と!!!!!」


 そして、雪斗はみるくのブレイブスプーンを放り投げながら2年A組の教室を飛び出した。下妻先生は彼を追いかけようとしたが、怪我をしたみるくの事が心配だった。

「米沢、他にケガはないか?保健室へ行くぞ。」

「べ…別…に…」

 例え担任とはいえ、みるくは家族、そして一悟、一悟の父親以外の男性に恐怖心がある。下妻先生も例外ではないし、先生もそのことを知っている。さらに今回は雪斗が襲い掛かったこともあり、事態は深刻。ちょうどそこへ、雪斗と入れ替わるようにあずきがやってくる。

「どうなさったの?今…ユキ様が…」

高萩たかはぎ、今すぐ米沢を保健室へ!今、米沢を連れて行けるのはお前しかいない!私は今から放送で千葉を呼び出す!!!!!」

 あずきはスイーツ界での叔父に言われるがまま、みるくにメガネをかけ、彼女を支える。そして、下妻先生は特別棟へと通じる渡り廊下の隣にある放送室へ駆け込み、放送用マイクのスイッチを入れる。




 その頃、中等部の体育館では男子バレーボールの決勝戦の真っ最中だった。決勝は一悟のいる2年A組と3年C組…現在は2年A組がわずかながらリードしているところだ。

「よっしゃ、俺にトス…持って来い!!!!!」

 クラスメイトのトスが一悟の頭上に上がり、一悟は飛び上がって右手を大きく振り上げ…


「でやあああああああああああっ!!!!!」


 一悟のスパイクが相手のコート内に炸裂し、さらに2年A組に点が入る。その直後、審判席から突然ホイッスルが鳴り響き、校内放送が入る。



「生徒の呼び出しをします。中等部2年A組の千葉一悟、大至急中等部の保健室まで来なさい!!!繰り返す、中等部2年A組の千葉一悟、大至急中等部の保健室まで来なさい!!!お前にとって、重大な事件が発生した!!!!!」



「オイオイ…マジかよ…」

 バレーボールの選手達共々、一悟のクラスメイト達は、突然の校内放送に落胆する。

「千葉、選手交代だ。今すぐ保健室へ…」

 2年A組の副担任で、学年主任の上野原うえのはら先生が、コートにいる一悟に声をかけた。

「は…はいっ!!!」

「2年A組、千葉からたつみに交代します!」

 絶好調であった2年A組は突然の選手交代を余儀なくされた。そして、そのまま一悟は保健室へ走る。



「失礼します!!!」


「ガラッ」


 一悟が保健室の扉を開けるとそこには左足に包帯を巻き、右頬に正方形の絆創膏を貼ったみるくと、無傷のあずきとラテ、そして呼び出した張本人の下妻先生と、養護の先生・仁賀保杏子にかほきょうこがいる。彼女も実はスイーツ界の住人で、回復魔法を得意とする僧侶・アンニンだ。

「みるく!!!一体何が…」

 怪我をした幼馴染を見た瞬間、一悟の表情は一気に青ざめる。

「氷見だ…氷見が米沢を襲った…」

 そう言いながら、下妻先生は一悟にみるくのブレイブスプーンを見せる。

「氷見はお前に「放課後、木苺ヶ丘中央公園に来い」と言っていた。恐らく、米沢を襲ったのも…」

「千葉くんと戦うためだろうな。米沢さんを襲えば、千葉くんも反応するだろうっていう魂胆こんたんが見え見え…それにここ最近、カオスイーツが居ないときに変身して特訓らしい事をしていたのも、恐らくそのため…身勝手にも程がある。」

 ため息をつきながら、仁賀保先生は普段とは違うぶっきらぼうな口調で、保健室にいるマジパティの正体を知る者たちに、ここ最近の雪斗の行動や元々の雪斗のコミュニケーション能力の問題について話した。幸いにもみるくは軽い打撲で済んだが、3日ほど激しい運動が禁止された。プディングに変身して戦うのは以ての外だ。雪斗の行動に関しては既にシュトーレンに連絡済みで、いずれシュトーレンから罰が下ることになることも、一悟は教えられた。

「ソルベ…いえ、氷見くんに罰が下るのもそう遠くはない。そして、お前も彼の今回の行為に乗ったという罰を受ける…覚悟しろよ。千葉くん…いいえ、ミルフィーユ!!!」

「はいっ!!!!!」

 仁賀保先生もといアンニンの話を聞いて、一悟は覚悟を決めた。


「みるく…俺がどんな姿になっても、受け入れてくれるな?」

「うん…たとえどんな姿になったとしても、いっくんはいっくんだよ…」


 どんなペナルティーが彼に来るのかは定かではない。でも、今ソルベと対峙できるのはミルフィーユだけ…一悟は暫くマジパティとしての活動ができなくなったプディングもとい、みるくの両手を優しく握る。




 男子バレーボールの結果は、一悟が抜けた後は何とか接戦を続けるものの、終了間際に相手チームが現役のバレー部員に交代した事で逆転され、2年A組は準優勝となってしまった。教室での事件の直後に、雪斗もフットサル男子の部の決勝に参加していたようで、雪斗率いる2年A組のフットサルチームは雪斗のファンたちの黄色い声援の中、優勝した。球技大会後のホームルームでは、下妻先生の挨拶と上野原先生による球技大会の感想で少々長引いたが、そこに雪斗の姿はなかった。雪斗のカバンもないので、恐らくは木苺ヶ丘中央公園へと向かったのだろう。一悟はそう確信した。木苺ヶ丘中央公園に向かう途中まではラテとあずき、そして下妻先生が引率し、普段は公園の門がよく見える交差点で、ジャージ姿の一悟は制服の入ったカバンを下妻先生に手渡す。彼の手にはブレイブスプーンのみ…

「米沢…いや、プディングの事はアンニンに任せたまえ。この圧倒的な冷気が漂っている今、ソルベは本気でかかってくる!!!行け、ミルフィーユ!!!!!」

「ここから公園までは、空間を捻じ曲げておきました。気にせず変身してくださいっ!!!」

「おうっ!!!!!」

 一悟はブレイブスプーンを構えながら、ソルベの待つ木苺ヶ丘中央公園に向かって駆け出した。


「マジパティ・スイート・トランスフォーム!!!!!」


 走る一悟は瞬く間に光を放ち、ピンク色の空間の中にできた虹色に染まる道を走る。身体は童顔低身長の少年から、ピンク色のロングヘアの長身少女に変わり、走りながら上から順にコスチュームが装着される。空間の中を走るポニーテールとリボンがなびく…虹色の道が行きどまりとなった刹那、ミルフィーユは空間から飛び上がり、木苺ヶ丘中央公園目掛けて宙返りを決める。宙返りの間にブレイブスプーンは腰のチェーン中央に装着され、ソルベの前に着地したと同時に瞳の色が紫色に変化する。千葉一悟からミルフィーユに変身完了を遂げた瞬間だ。


「ピンクのマジパティ・ミルフィーユ!!!!!これ以上、勇者の知性をお前の好き勝手にはさせねぇっ!!!!!」


 ソルベの力で雪原と化した木苺ヶ丘中央公園…今、対峙しているのはカオスイーツではなく、ブルーのマジパティ・ソルベ。彼女は既に武器であるソルベアローを構えながらミルフィーユを見つめている。

「やっと来たか…さっきは邪魔者が入ったが、ミルフィーユ…貴様を呼び出すには十分だった。」

「だからって、プディングを…俺の家族を傷つけていい理由ワケなんてねぇっ!!!!!」

 そう叫びながら、ミルフィーユはミルフィーユグレイブを出す。今回は攻撃には使えないが、ソルベの攻撃を防ぐための盾として使う事は十分に可能だ。

「邪魔なんだよ!!!!あの女…いつもいつも僕の邪魔ばっかりで…あの場所には、僕が居るべきなんだ!!!!!」

 そう言いながら放つ光の矢を、ミルフィーユは咄嗟にミルフィーユグレイブで弾き、光の矢はまるで氷柱のように雪原に刺さる。

「自分の事棚に上げておいて、よく言うぜ…」

「僕の事…受け入れてくれないクセに…知ったようなクチをっ!!!」

 ソルベの本音と共に放たれる光の矢…狙いはミルフィーユに向けられているが、ミルフィーユは次々と放たれる矢をミルフィーユグレイブで弾き返す。

「受け入れてもらえないからって、相手にしつこく付きまとっていいのかよっ!!!!」


「あれが…ユキ様の本音…」

 放たれる矢をはじき返す音と共に言い争うミルフィーユとソルベ…ファンですら知らなかった雪斗の本当の言葉が、段々とあずきの耳へ入っていく。

「なんて…自分勝手な…」

 これ以上の被害が出ないよう、今回はあずき達もサポートする事はできない。でも、近くで話を聞くことは十分にできる。あずきはそのまま公園の方へ耳をすませる。公園も段々と雪が消え去っている。ソルベの力も底をつくのも時間の問題だ。

「叔父さま…ミルフィーユは…一悟は…」

「ミルフィーユを…千葉一悟を信じなさい…」

 雪で閉ざされたはずの公園の門が開けていく…


「ミルフィーユリフレクションっ!!!!!!!」

 今度はミルフィーユグレイブをバトンのように回転させながら、矢を弾く。ミルフィーユにも見てわかる通り、矢自体も少しばかり光が弱くなっているようだ。

「ソルベ…お前に俺は倒せねぇよ。矢がふにゃふにゃだぜ…」

「うるさいっ!!!!絶対に倒す!!!貴様だけは…」


「そうだよな…その俺に対するしつこさが、生徒会長を追い出したことに繋がってるんだもんな!!!」


 ソルベの手が震えだす…彼女が学校からいなくなった事…ソルベもとい氷見雪斗には受け入れたくない現実…

「貴様の何がわかるっ!!!!僕は彼女を…タマねぇを追い出してなんか…」

 ソルベが次の矢を構えた刹那、ミルフィーユは腰にあるブレイブスプーンを握りしめた。ミルフィーユの全身はピンクの光に包まれ、徐々に姿を変えていく…これが、マジパティの変身解除方法の一つなのだが、今回は何かが違っていた。

「目を…覚ませっ!!!!!」


「ドゴォッ!!!!!!」


 ソルベの腹部に一悟の拳が炸裂し、ソルベは10数センチほど後退した。しかし…

「そ…そんな…」

「あの…姿は…」

 公園を覆う雪が段々と消えた事で公園に入ってきたあずき、ラテ、下妻先生の3人は目を疑った。確かに、ソルベに拳を浴びせたのは千葉一悟だが、その一悟の姿は体格がミルフィーユで、髪色、瞳の色が千葉一悟と同じ色…そして、サン・ジェルマン学園中等部のジャージを着た少女だった。髪の長さはミルフィーユの時よりもかなり短いポニーテールだ。視界が変身後と変わっていないことに気づいた一悟も、自身の違和感に気づいた。


「な…なんじゃこりゃあああああああああ!!!!」


「フン…変身を解いたという事は、「負け」を認めたという事だ…だが…逃げは許さない…」


 再び構えようとした刹那、ソルベアローは弱々しい水色の光となって消えてしまった。そして、ソルベの力で生成した雪原も一瞬にして本来の姿を取り戻す。ソルベの腰にあるブレイブスプーンは石になってしまったかのように変色し、ソルベの身体から離れる…


「カラン…」


 ソルベのブレイブスプーンは、地面に落ち、ブレイブスプーンが身体から離れたことで、ソルベは瞬く間に氷見雪斗の姿へと戻ってしまった。

「な…なぜだ…なぜ…」

 マジパティから戻ってしまった2人の間に入るかのように、突然白いフルフェイスのヘルメットに白を基調としたライダースーツ姿の女性がやってくる。女性がフルフェイスのヘルメットを外すと、炎のような真紅のロングヘアがなびく…シュトーレンだ。彼女の表情はどことなく険しい。


「2人とも…自分のために勇者の能力を使ったわね…」


 険しい表情を崩さぬよう、女勇者はまず、一悟の方を向いた。

「一悟…あなたは確かにアタシとの約束を守った…でも、カオスイーツが現れていない状態で…それも彼との決闘でミルフィーユに変身してしまった。ケンカを売られたとはいえ、マジパティの力を使う所ではないでしょ?マジパティには変身させてあげるけど、罰として暫くその姿でいてもらうわ!!」

 覚悟していたとはいえ、シュトーレンの言葉が一悟に重くのしかかる。そして、シュトーレンは雪斗の方を向いて…


「雪斗…あなたはマジパティとして3つの過ちを犯してしまった…見過ごすことのできない程の重い罪…」

 彼女の言葉に、雪斗の表情が曇る…そして、まるで雪斗の今の気持ちを表すかのように、ぽつぽつと雨が降り始めた。

「一つ!カオスイーツが現れていない状態でマジパティに変身したこと!!!二つ!マジパティの姿で、人間界の住人を傷つけたこと!!!」

 シュトーレンの声が段々と男の声へと変わっていく…そうとう怒っているようだ。シュトーレンは雪斗の方まで歩き、雪斗の所へ近づくと…


「スパーーーーーーーーーーーーーン!!!」


 雪斗の左頬に、シュトーレンの右手が激しい音を立ててぶつかった。


「そして、最後!!!己のためだけにその力を使い続けたこと!!!!!」


 勇者様の言葉に、雪斗のファンであるあずきも、雪斗を擁護できなかった。

「ユキ様…あなた最低ですわっ!!!!!!」

「ライス…」

 叔父に支えられながら、あずきが嗚咽する。

「お前がマジパティとして好き勝手やってきた結果がこのザマだ…それでも…俺と戦いたいか?」


「僕は…ただ…」


 雪斗は足元に落ちていた大きめの石を握りしめ、シュトーレンに飛び掛かるが、彼女は容易く雪斗の動きをかわす。

玉菜たまなはいつも雪斗に対してこう言ってた。「とんだ甘ちゃんだ」…ってね?」

 雪斗は再びシュトーレンに飛び掛かるが、まるで雪斗の動きが読めているかのように動きをかわしていく。

「勇者様…こんなところで勇者の能力を…」

「もうそんな能力が戻る気配ないけどねー?でも権限は健在だし、そもそもこの甘ちゃん相手に元々の運動神経の良さだけで十分♪十分♪」

 この勇者、声色を元に戻すほど余裕である。それと同時に、シュトーレンの蹴りが雪斗の右手を掠め、雪斗は思わず握っていた石を落としてしまった。


「ゴトッ…」


「僕は…まだ…負けたわけじゃ…」

 諦めの悪さ…評価はしたいところだが、勇者の能力を悪用し続けた以上、これ以上の身勝手は許されない。そんな時、突然頭部に2本の鬼の角を携えた黒髪で刺客ともとれる和装メイドが雪斗の背後に回り込む。


「それなら私・ティラミスがあなたに完全敗北を差し上げましょう…氷見雪斗…」


 そう言いながら、雪斗のセリフを遮るかのように、ティラミスは雪斗の延髄目掛けてチョップをかました。突然のティラミスの攻撃を受けた雪斗は、そのまま崩れるようにして雨の降る公園に倒れる。

「勇者・シュトーレン…そして、マジパティども…次に会う時はあなた方にも完全敗北を差し上げましょう…それでは…」

 雪斗を腕に抱えながら、ティラミスは雪斗共々フッと音を立ててどこかへ消えてしまった。その様子を一悟達は雨降る公園の中、黙って見ている事しかできなかった。


「勇者の能力を好き勝手使ってまで…どうして…俺に粘着してくるんだよ…」

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