変わり者の友人の話⑦。

A君は語り始めた。


「まず18時〜22時まで焼肉屋でバイトするでしょ。その後帰ってきてメシとお風呂済ませて、朝までプレステ2で遊ぶ。で、学校で寝て、学校が終わったらまたバイト行くって感じ。」


……。


少しの間、沈黙が続いた。


「いや、少しは勉強しろよ…。」


S君がボソッともっともなことを言った。


プレステ2以外にPCでアダルトなゲームにもハマっているとA君は言った。


驚愕の事実があったわけではないが、A君は普通にだめなやつだった。ここに書けないようなこともあった。もう、本当にだめだめ。


でもこのだめっぷりが面白く、おれっちとS君はこの日からなぜかA君のことを「師匠」と呼ぶようになった。


その後は度々師匠の家に学校帰りに寄ったり、休みには一緒に秋葉原に行ったりした。


次第に他の友人も師匠に絡んでくるようになったりと、よく分からない友達の輪が広がっていった。


あれからもう20年以上経つ。


師匠やS君は元気にしているのだろうか。

意外と真人間に更生していたりして。


久しぶりに連絡でもしてみるか。




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