変わり者の友人の話②。

高校で常に寝ている謎のクラスメイトA君。


そのA君が何者か知りたくて放課後尾行することにしたおれっちとS君。


あらかじめA君が自転車通学だということは調べていた。偶然にもおれっちとS君も自転車通学だった。これなら尾行しやすい。


そして尾行当日。


帰りのホームルームが終わったA君がまだ眠そうなゆったりとした足取りで駐輪場に向かった。


おれっちとS君は普段は他の友達と少し雑談をしてから帰るのだが、今日は雑談を素早く切り上げてA君の後を追う。


駐輪場に着き、A君が自転車に乗り走り出した。ひとまずおれっちやS君と同じ帰宅ルートらしい。我々も少し離れてついて行く。


途中分かれ道があり、そこでA君は我々の帰宅ルートとは違う方へ曲がった。


なるほど、ここから帰宅ルートが違うのか。


さらに進むと坂道があり、我々も自転車で駆け上がって行く。するとちょっと予想外のことが起きた。


A君の駆け上がるスピードが異常に速いのだ。


後に友達になってから聞いたところ、中学時代は陸上部だったらしい。しかも短距離でけっこう良い成績だったそうだ。


おれっちとS君はバリバリの帰宅部だったのでA君の駆け上がるスピードについて行けず、軽くテンパった。


「おい、このままだと見失うぞ!」


うっかりそこそこの声量で会話したおれっちとS君がふと見上げると、A君が坂道の上で止まり、不思議そうな目で我々を見ていた…。


(すいません、また続きます。)


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