最終話 しあわせのかたち
俺は待った。
ひたすら待った。
3カ月がたち、おかしいと思った。
神をなぐるだけでそんなに時間がかかるわけがない。
神に反逆したものの末路なんてしらない。
せいぜい、俺のように不幸になるくらいか?
だから、生きているだろう。
俺が今も生きているのだから。
俺は死刑宣告を受けた。
俺は死刑囚だ。
毎日、いつ死ねるのかだけを考えて生きていた。
でも、俺は入院患者だ。
毎日安全管理をされた病棟で過ごしている。
パニックになれば、隔離部屋もある。
ここは、安全な生活ができる場所だ。
ここに死は存在しない。
俺に死をもたらす者は、あの、金髪の少女だけだ。
神殺しだ。
かつて俺も素質があると言われた神殺し。
その少女に殺してもらうしかない。
俺の命は彼女に殺してもらうくらいの使い道しかない。
そう考えていた。
入院生活が1年たち、看護師との間にも会話が増えた。
会話が増えると、拘束が緩んだ。
拘束が緩むと、他の患者とのコミュニケーションができた。
そうして、人間と話すことで俺の心は洗われていった。
俺はすこしずつ人間らしくなった。
天使であることを忘れていた。
ずっと悩んで、ずっと抱え込んで、ずっと一人だった。
人間は一人であると不幸だと気づいた。
俺も天使である前はヒトだったんだ。
魔力がない今は人間とのつながりが必要だったんだ。
しかし、俺は一番得たいものがある。
アリエルだ。
彼女に添い遂げることが俺にとっての幸せだ。
しかし、彼女はいない。
帰ってこない。
一緒にいてほしい。
同じ宇宙で。
同じ家で。
俺に幸せな時間はもうこない。
アリエルは来ない。
同じ考えが堂々巡りをする。
そんなとき、
「アルターイ! お待たせー! 今から行くねー!」
アリエルからの念話がきた。
「う、ううぅ」
俺は涙を流しながらその場にうずくまった。
急いで看護師が駆け寄るが、大丈夫だと伝える。
もう、帰ろう。
俺たちの星へ。
俺の旅はここまでだ。
「ガストンさん、面会の方が来られましたよ」
俺は急いで涙をぬぐうのであった。
―――fin―――
【あとがき】
これで最終話です。
最初考えていたのとは全然違う終わり方ですけど、これが今の自分の全力です。
途中で某サイトをBANされて心が折れそうになりましたが、一応、完結というところまでたどり着きました。
これも、ひとえに読者の皆様のお支えのおかげです。
ありがとうございました。
本編も終わりたくなったので、もうすぐ終わります。
こっちはまだまだ構想あるので、打ち切りみたいな感じですが。
ちょっと、疲れちゃいました。
もう1本ゆるーいのを書いてますので、そっちはだらだら続けます。
良かったらご覧ください。
ありがとうございました。 ahootaa
いきなり天使にされたけど、勢いだけで宇宙を作っちゃった ahootaa @ahootaaa
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