第4話 冒険者協会に拉致されました、模擬戦闘です。

うん、やばいな、俺。


寝て起きてさらに気が付く。俺のヤバさを。


俺はイージス艦の戦闘能力を残弾無限でフルスペックで発揮できるのだ。


あらゆる場所に配備可能な超小型イージスシステム搭載兵器…その戦略的価値は図りSI


れない。


下手をしたら東アジアの軍事情勢を根本から覆せる可能性さえある。


え、なんでそこまでって…いや、俺が使える巡行ミサイル「トマホーク」がね…なぜかアレが詰めちゃうんだよね。そしてさっきも言った通り弾数無限。


うん、まずい、これは非常にまずい。


これ俺、だたのメタル〇アやんけ。


とにかく、トマホークにアレが搭載できることは黙っていたほうがいいな…。


というか俺、むしろなんで拘束されてないの?歩く戦略兵器だよ?


まあ、Sランク冒険者が自由に行動できている時点でなにかそういう探索者の権利を保護する法律でもあるのだろう。


とりあえず学校、行くか


昨日は妹におもちゃにされてほんと疲れたけど。


さってさっさと準備しよう、なぜか収納の衣類がすべて女物になっていたが…なんかもう疲れたので気にせず身に着ける。


はぁ…俺これからどうなるんだろうな。


















とある場所にて


スーツ姿の男性が天を仰ぐ。


「なるほど、これは厄介だな」


先ほど見た映像、それと分析結果。


単独で既存の大型水上戦闘艦レベルの戦闘能力を持つ存在。


「…ぜひわが国の防衛の一翼を担ってもらいたいが、法的に無理か…」


数年前に発効された国際条約により、新規にスキル保有者を軍隊に徴兵するのは禁じられている。


「しかし、この能力…果たして米国が黙っているのだろうか」


この少女はかの国の軍事機密の塊だ。


「もし、第三国に奪取されれば…西側の艦隊防空能力やBMDが丸裸にされかねないな…さてどうしたものか…」


男は再び考えに耽っていく…
























「というわけだ、ナギ君」


「いや、どういうわけですか!?」


学校に行こうとしたら冒険者協会に拉致されました…普通に事案では?


「すまない、上の意向により君の力を、さらにテストすることとなった」


「典型的なお役所しぐさで草」


いやほんと、どういうことなんですかね…


今現在俺がいるのは探索者用の演習場、観客席にはいくつものカメラ。


…えぇ、まーた撮影されるのかよ…最早人権ねぇなこれ…。


まあ、100歩譲ってそれはいい、それより…


「それで、支部長!あの俺の正面で準備運動しているおっさんは誰ですか!?」


「いや、彼、まだ二十…まあいい、「閃光の工藤」、八王子スタンピード危機の英雄でSランク冒険者だ」


「閃光の…禿?」


「いや、どうしてそうなる…」


だってあの人頭皮が見え


「とにかく、君は彼と模擬戦闘してもらう」


「ええ…」


どうしてそうなった…ああ、俺の平穏な生活が段々遠のいていく…


…ええいもうやけくそだ、やってやる、やってやる。


「よし、あの禿をぶち殺せばいいんですね!?」


「そんなわけあるか!?模擬戦だぞ!?それに…」


…それに?


「彼はSランク冒険者、そうたやすい相手ではないぞ?」


はぁ…そうですか。


「ナギちゃん、だったかな」


と、閃光のなんとかさんが話しかけてきた。


「いや、ちゃん付けは勘弁してほしいのですがね」


「そうか、ではナギさん、君の話は聞いている…正直、手加減はできないし、してはいけない事になっている」


さいですか…


あーあー、もう色々と面倒くさい。


「さてナギ君、そろそろ位置についてくれ」


「ほんとにやらないといけないんですね…」


「…すまない、この埋め合わせは必ずしよう」


はぁ…しょうがない、やりますか。


それにSランク冒険者、SNS上でさんざんレスバしてきた奴らだ、どれだけの実力か…気になるから。


閃光の工藤さんと対峙する。


ざわついていた演習場に静寂が訪れる。意外と見学者がいるのな。


さて。


「機関始動」


ガスタービンが唸る、10万馬力もの力が生成される。


「では…はじめ!」


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