第2話 え、ちょ、マジで???

「おいおい、普通、それで高校に来るか?」


あきれたような声を出すのは俺の幼馴染2号「斎藤直人」


「いや、なんか知らんが身長が縮んだはずなのに、制服がぴったりでな」


「…まず役所に連絡しろよ」


「まあまあ、直人、一応スキル獲得と同時に性別が変わることは稀にあることらしいからね」


そう、由美が言うようにスキル獲得と同時に身体の性別が変わることは稀にあるのだ。


「しかし、ナギ、お前、流石に美人すぎないか…美少女過ぎてもはやギャグだぞ…」


「…そういやずっと視線を感じるな」


「当たり前だな…」


はあ、これ戻るのだろうか…過去の例を調べてみないとな。


「てか、スキルを獲得したんだろ、なんだったんだ?」


ああ、そうだった。


「えーと、ユニークスキルだな」


「!?まじかよ、Sランク探索者でも一部しか持ってないっていうあの…それで、どんなスキルなんだ」


「アーレイバーク級ミサイル駆逐艦」


「…は?」


「…へ?」


「ユニークスキル「アーレイバーク級ミサイル駆逐艦」だ」


「…お前、そうか「現代兵器最強」って逆張りしすぎて、お前自身がイージス艦になっちまったんだな…」


「いや、知らねぇよ」


「それで、なんだ?船に変形するのか?」


「いや…正直使い方がよくわからないな」


「そりゃそうだ」


とそこで。


「おーい、席に就け…ホームルームの時間だ」


担任が来る。


「…いや待てそこの…君は誰だ?」


まあ、そうなるよね。


「海原ナギですよ、先生、通学中にスキルを獲得したらこうなっちゃって」


「…いや、海原?なんでそのまま登校してきた?しかも無駄に美人なのが」


「俺は無遅刻無欠が誇りですから!」


「…はぁ、海原、お前、早退だ、役所に行くぞ」


まあ、そうなるよね(2回目)


というわけで、俺は登校してきてすぐ、早退して役所、探索者協会の支部へ向かうこととなった。










「ふむ…ユニークスキル「アーレイバーク級ミサイル駆逐艦」か」


事情を話したら何故か支部長のとこまで直行だった。


おいおい、いきなり偉い人が出てきたよ、緊張する。


助けてくれ!俺の十万のフォロワーたちよ!!!


「それで…使い方はわかるのかね」


「いえ、全く」


「…そうか」


と、支部長はそこで考え込み。


「三田君」


誰かを呼ぶ。


すると、どこからともなく長身の女性が現れる。


「どうしましたか、支部長」


「ナギ君、彼女はAランク冒険者「三田玲奈」だ」


「よろしくお願いします」


「あ、どうも」


「君には今から彼女とダンジョンに潜ってもらう」


…へ?


「え、でも俺、探索者のライセンスなんて」


「支部長の権限で仮のライセンスを与える」


「…随分話が早いですね」


「君のユニークスキルはそれだけの可能性を秘めているからだ」


まじかー、なんか厄介なことになってきたなー。


俺はぷいったーでイキる探索者を馬鹿にしているだけで割と満足だったのに…..


「というわけで、早速、この支部の下にゲートがあるAランクダンジョンに」


「…A級!?そんな」


「大丈夫だ、ナギ君、そのために三田君を君に付ける、彼女はAランクでもっともSランクに近い歴戦の猛者だ」


へ、へぇこんな普通のおねぇさんがそんなに強いのか…。


「ああ、それと、調査のため撮影させてもらうぞ」


まじかよ、いやだなぁ。


そんなわけで早速俺と三田さんはこの建物の地下にあるというAランクダンジョンに向かう。


















「なんか普通の洞窟って感じですね」


「このダンジョンが洞窟タイプですから」


Aランクダンジョンと言われ、すこし身構えたがまあ今のところただの広い洞窟だ。


それにしても明かりもないのになぜか普通に明るいのはなんなのだろうな?


「来ましたよ」


「!?」


三田さんがそう言うと同時に前方から何かが恐らくモンスターが現れる。


そのモンスターは身長3メートルほどの…鬼。


「…あ、あれは?」


「オーガですね…では、まずはそこで見ていてください」


そういうや否や、三田さんは腰に差していた刀を抜き突撃していく。


そこから始まった戦い。


オーガの背筋が凍るほどの迫力があるパンチを躱し、刀で切りつける三田さん。


その攻防は2分ほど続き。


「がぁっ!」


とうとう急所を突かれたオーガが血を吹き出しながら倒れる。


「…こんなところです」


…いやすげぇな探索者…これは彼らがイキる理由の一端がわかった気がする。


「ガアアアアアアア」


と、新手のオーガが現れる。


「さて…ナギさん、次はあなたが」


「…へ?」


え、ちょ、マジで???


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