どうもアーレイバーク級ミサイル駆逐艦X番艦「ナギ」です。 ~探索者なんかより、現代兵器の方が強いと逆張りしていたら、現代兵器になってしまいましたのでダンジョン攻略します~

@TOKAGE123

第1話 TSイージス艦系美少女海原、爆誕!

―今日はあの八王子スタンピード危機を救ったSランク探索者「閃光の工藤」様にいらしていただきました―


…ふ、なんだよ、閃光の工藤…て、ださ。


信号待ちのトラックのラジオから聞こえてくるそんな音声に突っ込みを入れながら、高校へ向かう。


俺は海原ナギ、普通の高校生だ。こんな名前だが歴とした男だ。


今この世界は「ダンジョンの世紀」と呼ばれる時代に差し掛かっている。


なんでも俺が生まれる少し前からダンジョンなる存在が出現、当時はそれはもう混乱が起きたそうだ。


ダンジョンからあふれるモンスターに、各国の軍隊だけでは対処できなくなってきた時、民間人の中から異能の力であるスキルを持つものたちが現れたんだとかさ。


まあ、そいつらの活躍もあって何とか乗り切ったと。


その後、ダンジョンからは現代科学を超えた貴重なものが出土することがわかり、スキル持ちが探索者になって、それを纏める国際組織ができて…まあ、今に至るというわけだな。


そういうわけで「ダンジョンの世紀」なんて中二な呼び方になったんだよな。


というわけでテレビもネットもほとんどダンジョンと探索者に関する話題で半分は占められている。


今いるインフルエンサーの八割は探索者なんじゃないか…とすら思う。


で、本題、俺はこれは異常な状態だとしか思えねぇよ。


だって探索者ってのは軍隊が動きずらい都市でのスタンピードでのみ活躍する存在なんだ。要は軍隊の補助要員だ。


そんなものを持ち上げすぎるのはどうかと思うぜ?


テレビ番組で社会問題について講釈たれる探索者までいる始末、お前、博士どころか修士すら持ってないだろ。


…まあ、なにが言いたいかというと、俺はイキっている探索者が嫌いだ、普通に。


あいつら最悪なんだぜ、SNSで一般人と喧嘩すると「で、お前は俺に勝てるの」とか言い出すし。探索者こそ進化した完璧な人類!とか言うやつまでいる始末。


お前らなんて戦車砲一発で爆散する癖に何言ってんだて感じだ。


だから俺はいつもこう言っている


「有名探索者なんかより米軍の戦車とかの方がつえぇだろ」


「あー、また言ってるよ、この高2病逆張り君」


「ああ?なんだ由美か、おはよ」


「うん、おはよ、ナギ」


俺に話しかけてきたのは幼馴染の北島由美だ。


「ほんと、ナギは変わらないね」


「はっ、こういうのを「ぷいったー」とかで「ぷいーと」すると結構な確率でバズるんだよ」


「げ、そんなことまでやってるの」


「…まあ、俺は自分がひねくれているのは認めるよ…だが、俺みたいな考えの奴は結構多いぞ」


「あー、確かに最近よく見かえるかも…」


「だろ」


そう、俺が由美と話していた時だった。




―じゃあ、証明してみる?現代兵器になって―




「…ん?由美今なんか空から変な声が聞こえなかったか?」


「は?…て、それってあれじゃない?スキル獲得するときのじゃない」


「おおう、まじか、俺はスキルなんて別に要らないんだけどな」


「ええーなんで?」


「いや「ぷいーた」のフォロワーがもう10万人いるんだよ」


「ナギ、そのひねくれだけで、インフルエンサーになっていたの!」


「そうだぜ」




―じゃあ、証明してみる?現代兵器になって―




また聞こえる、なに現代兵器に?


はっ!これはアレだな、だれかスキル持ちの探索者のいたずらだな。


「はい、はい、現代兵器になって証明しますよーだ」


そう判断しててきとうに返事をしたのが…いけなかった。


突然あたりをまばゆい光が包み込む。


「うわ!」


「きゃっ!」


ま、眩しい。








暫くして…光は収まる。


「くそ、なんだったん…へ?」


あれ?なんか俺の声がおかしい!まるで女子の声みたいな。


と、そこで、こちらを呆然と見つめる由美が目に入る。


「あ、由美なんか声がおかしいんだ」


「…えっと、あなた、ナギ」


は?


「いや、何言ってんだよ由美、たしかに声はおかしいが俺は」


「はいこれ」


「…は?鏡?」


由美がこちらに手鏡を渡してきた。


「…それで自分の顔、見てみ」


「…は、なんでそんな…あえ?」


鏡に映っていたのは美しい茶髪に碧眼の…これまた美しくも愛らしい顔立ちをした女子。


「…はえ?」


え、これどういうこと?


「ナギ…だよね、あなた、女の子になっちゃてるわよ…」


はい?


「はいいいいいいいい!??????」


―ユニークスキル「アーレイバーク級ミサイル駆逐艦」を獲得しました。―


そうして流れるスキル獲得音声…もうわけわかめ。


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