第4話 静まり返った学校

 それから、俺は準備をして、凌の家まで行った。

俺は玄関のドアを開ける、そして、中にはいる。

ここに来るのは久しぶりだ。

いつもは凌が俺の家に来るからな。


「お邪魔するぞ。」


1言だけ言った。

暫くして、返事が帰ってきた。

俺はホッとした。

事前に知らせていたとはいえまだ寝ていたら困るからだ。


「おはよう。」


凌が挨拶をしてきた。

俺はそれに応える。


「じゃあ行くか。」


この家には凌と合流する為に訪れたのですぐに移動する。

もう1人とは学校で合流する。

俺達は再び玄関のドアを開け、森に向かった。


 森を正しい順番で抜けると、田舎の学校に着いた。

今日は日曜日なので生徒は誰ひとりとして居ない。

それだけで、雰囲気が出るものだ。

静まり返った学校は不気味なものを醸し出している。

如何にも怪異が居そうな感じだ。

普通、怪異は世界の穴を中心とした3重の結界からは余っ程の事が無い限り出られないようになっている。

つまり、ここに居る怪異は結界外で生まれた可能性が高い。

怪異は人々の噂から生まれる事が稀にある。

正確には噂をする事で別世界から呼び寄せられるのだ。


「あそこに居るのがもう1人か?」


凌が言った。


「何処だ?」


「ほら、あそこだよ。あそこ。」


凌が指を指した方向を目で辿ると、そこには、人間が居た。

そいつは、腹筋をしていた。

頭がおかしいんじゃないんだろうか……


「おーい。」


凌が声を掛ける。

俺達はあんな変人と共に行動をしないといけないのだろうか……

変人はこちらに気づくと走ってきた。


「やぁ!!俺は高崎瀧だ!今日はよろしく!」


もしやとは思っていたがやはり熱血系だった。

俺は熱血系のような暑苦しい奴が死ぬ程嫌いだ。

どのくらい嫌いかと言うと、死ぬ程嫌いだ。

こいつとは仲良くなれそうにないな……

そう思いつつも、俺は一応自己紹介をした。


「じゃあ、行こう!!」


俺達は学校に入った。

静かだった学校が一気に騒騒しくなった。

まぁこいつが居れば怖くはないな。

学校内は意外と綺麗で、廊下に日光が反射して光っていた。

しかし、その光は一瞬にして黒く染まった。

俺は今日の天気が雨だった事を思い出した。

幸いにも、まだ雨は降っていないようだ。 これなら急いで怪異を解決すれば濡れずに帰れる。


「怪異は何処に居るんだ?」


怪異の多くは夜に姿を現す為、昼間に見つけるのは困難だ。

だが、その為に俺達はある道具を買っていた。

それは真っ黒なボールで名を強制複製亜空間移動玉という。

長ったらしい名前だがかなり役に立つ。


「これ使うか?」


玉は高いのであまり使いたくないのだが……

できれば普通に見つけたかった。


「うん!使おう!!」


「俺も使ったほうが良いと思う。」


3人の意見が一致した為、俺は玉を使うことにした。

使用方法は玉に貼られている御札を剥がすだけだ。

俺は勢いよく御札を剥がした。

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