第3話 日曜日の温かい朝
その後は、特に何も起こらず、ただ普通に帰って寝た。
因みに残業代は出なかった。
俺はベッドで1人、思考を巡らせる。
あまり寝つけないときはよくやっている。
明日は確か……学校に行くんだっけな……
怪異が居るという……日曜日なのに休みじゃないのか……本当にブラック企業じゃないか。
そう言えば、明日は3人で行くんだっけな。
俺と凌と後は誰だろう。
知らない能力者だったら嫌だな……
と言っても能力者の知り合いは凌ぐらいしか居ないんだが……
はぁ……明日本当に怠いな……
そんな愚痴を頭の中でこぼしていると、だんだん眠気が増していき、やがて意識を手放すのだった。
朝が来てほしくないと願ってもそれは無駄な抵抗だった。
抵抗のての字にもなっていない。
俺はまだ寝たいと思っている体を無理矢理起こし、リビングまで移動する。
途中で足が上がらなくて転けそうになった。
キッチンに着くと、俺は朝食を作る為お湯を沸かした。
勿論、俺は料理という器用な事はできないので朝食はカップラーメンだ。
結局の所、これが1番美味いし、作りやすい。
カップラーメンを体に悪いと言う人が時々居るが俺はそれでもカップラーメンを食べる。
そんなカップラーメン信者の様な事を考えていると、お湯が沸いた。
俺はカップラーメンの蓋を開け、お湯を注ぐ。
後は3分間待つだけだ。
この3分間は本当に長く感じる。
できればこの3分を有効に使いたい所だが……あっ!そうだ。
俺はあることをしようと玄関に向かい、壁に掛けてある愛銃を取った。
銀色に光る銃身はいつ見ても綺麗だ。
そして、俺はポケットから御守りを取り出す。
これはいつか凌と神社に行った時に一緒に買った安全祈願の御守りだ。
俺のと凌のとで1つとなっている。
2つで1つなのだ。
俺はこれを銃に付けた。
前々から付けようと思ってたが機会が無かったから丁度良かった。
俺は御守りの付いた銃を元あった場所に戻し、キッチンに戻った。
どうやらピッタリ3分経ったようだ。
俺は少しラッキーだなと思い、カップラーメンを机の上に置く。
そして、食べる。
味はいつもと同じで絶品だった。
スープまで全部飲んでしまいそうになるが俺はグッと堪えた。
スープは塩分が多いからな。
カップラーメンを食べ終わると、俺は少しだけ元気が出た。
これがカップラーメンの力なのか俺の気の所為なのかはたまた朝食を抜かずに食べたからなのかは誰にも分からない。
分かるわけもない。
兎に角、俺は今日も頑張ろうと言う気持ちになったのは変わりようのない事実だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます