第22話 24時間生配信⑦ デリバリー

 クレジットには様々なゲーム制作に関わった人達の名前が書かれていた。

軽く100人は超えていた。

それだけの人がたった1つのゲームを作るのに全力を尽くしていると考えると感慨深い物を感じる。


「thankyouforplaying……こちらこそ有難うございました。いやー面白かったー」


「そうだねー、ここのゲーム会社さんが作っているゲームは神ゲーばっかりだね。」


俺はふと時計を見た。

家には時計が4つある。

全て、アナログ時計だ。

何時かデジタル時計に変えようと思ってはいる。

あくまで思っているだけだ。

それは何の装飾もなくただ無機質に一刻を刻み続けている。

短針は8を指していた。


「あっと言う間に8時か……後4時間できっちり24時間だな。」


「私は途中から参加したけど結構疲れるね。」


俺達は自然な感じで雑談タイムに入っていた。

これからの事は何も決めていない。

4時間ずっと雑談というわけにもいかないだろう。


「ところで、これから何する?」


「ん~そうだね……皆に聞こうかな。」


まぁそうなるとは予測していた。

困った時は視聴者に頼む……これが配信の基本だ。

どちら側にもメリットがある素晴らしいものだ。


『ずっと雑談やって!』


『夕食を食べる配信して!』


様々なコメントが流しそうめんのように流れてきた。


「夕食を食べる配信か……それ良いな!採用することにしよう。」


「まったりした配信も良いよね。」


俺は頭の中でこの後の予定を組み立てた。

夕食はネットで注文することにしよう。

そして、届くまでの間、雑談を続ける事にしよう。

そう決めると俺は早速スマホで注文をすることにした。

このアプリにはよくお世話になっている。


「さて、注文を済ませたし雑談でもするかな。」


この後は他愛もない雑談が続いた。

話題の中心は主にハロウィンについてだった。

カンペで咲凪が色々な話題を教えてくれた為、雑談は滞る事無く進んだ。

圧倒的チームワークを感じた。

このチームなら配信界隈のトップに名を馳せれたかも知れない。


「夕食が届いたぞ。美味しそうな匂いがする。」


頼んだのは勿論ピザだ。

Sサイズを3枚(俺、天羽、咲凪)頼んだ。

周囲にトマトと焼けた生地の香りが漂う。

生地は熱々で湯気が出ている。

どうやら出来立てのようだ。


「わぁ、美味しそうー」


「夕食はピザにしました。デリバリーと言えばこれだろ。」


「定番だね。早速食べよう!」


俺達はピザを食べ始めた。

この後は食レポ的な事をしないといけない。

このピザは結構な回数食べた事あるので何を言うかもう思い付いた。

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