第6話 夜更かし
それから、眠れない時間が続き、結局一睡も出来ずに翌朝を迎えた。
隣に居たはずの咲凪は、いつの間にかいなくなっていた。
それに気づかなかったという事は相当疲れているのだろう。
だがそれでも、俺はなんとか立ち上がりリビングに向かった。
リビングの敷居をまたぐと同時に俺は朝の挨拶をした。
しかし、何も起こらなかった。
咲凪は何処に行ったのだろうか……
ふとリビングの机の上を見ると、咲凪が書いたと思われる置き手紙が置いてあった。
そこには、『仕事が残っているのを思い出したので帰ります。有難う御座いました。』ときれいな文字で書かれていた。
忙しそうだな……と俺は思った。
さてと……今日はコラボ相手が家に来るんだよな。
しんどいが少し部屋を綺麗にするか……
俺は配信に使う部屋に向かった。
この部屋は配信以外には使わないので他の部屋と比べると比較的綺麗だ。
コラボをするのは始めてなのであまりよく分からないが壁にデコレーションでもしておけば良いのだろうか……
コラボ相手は確か女性だった筈だ。
事前に準備していた可愛い置き物でも置いておこう。
その他にも壁紙をピンク色にしたり、色々したりした。
「良し!女性の考える事は男の俺にはあまり分からないが取り敢えずこんな感じで良いか……あっと……もうこんな時間か……朝食は昼と兼用だな。」
元々、食べる物が少なかったのでどっちにしろそうなってたのだが……
俺はお湯を沸かす為にリビングに行った。
お湯を沸かすと言ったら食べる物は決まっているだろう……みんな大好きカップラーメンだ。
ズルズルとラーメンを啜る音が響く。
外では、昼ということもあってか都会ならではの喧騒が鳴り響いていた。
そう、割と格好良い事を考えているが俺がやっていることはそうでもない。
ただラーメンを食べるだけ………
それも既に終わりに近づいていた。
『しょくじは ついに おわりをむかえる』
『しょくよくが みなぎった』
ラーメンを食べ終わると同時に、インターフォンが鳴った。
いよいよか……コラボ相手が来たようだ。
少しだけ緊張してきた。
「今行きます。」
そう言って玄関まで向かいその扉を開ける。
そして、互いに言葉を失った。
「もしかして……幼馴染みの
「そう言うあなたは
どうやら俺達は奇跡的な再開を果たしてしまったらしい。
こんな展開は漫画かアニメでしか見たことないが現実で起こるとは思ってもいなかった。
天羽とは、高校を卒業して以降、音信不通になっていた。
まさか、配信者になっているとは……
なんか気まずいな……
今日のコラボは無事に終わるのだろうか……
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