第三部　そもそもメディアとは

　フジテレビの問題をしばらく注視していましたが、そんなことよりもっと重要な問題がたくさんあるという人がいます。

　それもわからないではないです。

　トランプ関税やコメ価格を含む食料品の値上げの問題。

　そろそろ参院選が近いですし、タレントの不祥事に端を発した問題をそこまで大きく取り上げる必要があるのかという疑問も……。

　ただ、上記のような重要問題も私たちはメディアを通じてそれを知るのです。フジテレビの問題はそんなメディアの在り方が問われた問題でもあります。

　ところでもうすぐ参院選ですね。

　大きな選挙のたびに芸能や文化、スポーツで名を売ってきた著名人の候補が取りざたされます。知名度だけでその素養や政治的信条は問題とされずあっさり当選し、本当にまじめに政治の勉強をしてきた無名の人間が落選する、そんな選挙結果を何度見たことか。

　毎度毎度、選挙前には無名の一般候補は差し置いて有名人の候補をニュースで紹介しますものね。こういっちゃなんだけど、政治の世界はほかの業界で旬の過ぎた方々の駆け込み寺ですか？

　民主主義は独裁主義やあるいは王制や貴族制に比べると国民の意思を反映しやすいシステムですが、万能ではなく欠点もあります。ましてや、国民の判断基準となる情報にゆがみや誤りがあると、その判断(投票行動）にも誤りが生じる原因となります。

　別に元有名人でも政治の素養があれば文句はないけど、知名度があれば誰でもいいとばかりに政党は有名人候補を歓迎し、メディアは話題作りとばかりにそれを集中的に報道する、そんなんでいいのかって思うもので。

『楽しくなければ選挙じゃない』なんてノリで報道されても困るし、まあ、楽しくない(興味がない）から投票しないっていう一般国民もよろしくないとは思っていますが。

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