第一章 30 「暴力と妄言」

「さてさて、名前は…リアだったかな?君を本格的に貶すのはあの糞女を呼び付けてからにするが…とはいえ、先に少し痛ぶらないといけないね」

ユージンはニヤニヤと笑みを浮かべる。


薄暗い堅牢な地下牢の中。彼の視線の先には、全裸にされて晒し台に拘束されたリアの姿があった。

「…最低…あんたなんか、アカリが来たら痛い目あうわよ…」

「強がるね、君は。だけど…」

「⁉︎痛っ‼︎」

ユージンはリアの剥き出しにされた尻を激しく叩き、そのまま爪を立てて鷲掴みにする。

「それが良い‼︎君みたいな娘が泣いて喚いて、その可愛い顔を苦痛に歪ませる様が僕の生き甲斐なのさ」

「ホント最低…」

リアが吐き捨てたその言葉を聞いたユージンは、まるで幽鬼に取り憑かれた様に表情を一変させる。

「最低?」

何を言っているのか…クッククク」

ユージンはフラフラとした足取りで壁に掛けられた様々な拷問器具を物色しだす。

「僕はね、英雄だ。人々の為に凶悪な魔物を狩る、人々の為に盗賊共を嬲り殺す、人々の為に笑顔を振り撒く…なんて献身的な英雄なんだろう‼︎」

やがて一本鞭を手に取り、それを振りかざした。

「ああそうさ、英雄、英雄さ‼︎献身的で素晴らしい英雄にはそれに相応しい褒美が与えられるべきだろ⁉︎」

激しい音と共にリアの柔肌を鞭が襲った。

「っ⁉︎」

「英雄たるこの僕が‼︎この僕が君を欲した‼︎なら‼︎それに応えるのが女の役目だろ⁉︎ええっ⁉︎」

「っひぐうう‼︎っや、やめ…ああああ‼︎」

鞭が振るわれる度にリアは、その激痛に泣き叫ぶ。

「僕は英雄だ‼︎口先だけで役に立たない兄上とも、身体しか脳が無い妹とも違う英雄だ‼︎僕こそが本当は王になる器だ‼︎分かるか⁉︎いや、分かれよ‼︎分かって僕に媚びろ、雌豚が‼︎」

「いやああああっ‼︎」


やがて彼女の背中が痛々しく腫れ上がった頃、散々喚き散らして満足したのか、ユージンは鞭を床に放り投げた。

「ああ、スッキリした。うん、鳴き声もいいし君は良い雌豚だ。僕を気持ち良くさせる優秀な家畜になれるよ」

「はぁ…はぁ……ホント…最低…⁉︎っくぅ」

ユージンは拘束され抵抗できないリアの髪を乱暴に掴み上げ、その顔を舐める。

「クッククク…そのふざけた言動も今だけさ。その内、君も僕、の可愛い家畜共の様に従順で媚びるだけの豚になるんだ。…おい、もういいぞ、お前達来い‼︎」

彼の合図に地下牢の入口が開かれ、五人の屈強な男達が入室して来る。

「待ってましたぜ、ユージン様」

「初物は僕のものだ。口と…そうだな、尻の穴くらい好きにしていいぞ」

「へいへい、分かってますって。こんないい女なかなかいませんし、尻の穴でも十分ですわ」

「っひ⁉︎」

男達の下卑た眼差しにリアは青褪める。

「そうだ、その絶望した顔‼︎それが雌の喜びに目醒めていく様が大好きなんだ‼︎」

「…あ、あんた…狂ってる‼︎」

「僕は至って正気だよ?君の処女は後で直々に奪ってあげよう…あの糞女の目の前でね‼︎」

そう言い放つと、ユージンは近くに置かれたソファに寝そべり、懐から小さな水晶の様な物体を取り出した。

「君の痴態はこの記録魔道具にしっかり納めてあの女に送りつける。あの女はきっと絶望し怒り狂うだろう。でも君が僕の手にある以上、言う事を聞かざるを得ずに無様に恥辱に塗れていくのさ…嗚呼‼︎胸の高まりが治らないよ‼︎クハハハハ‼︎」

男達の手がリアの身体に卑猥に纏わりつき始める。

「と言う訳でだ、エルフのお嬢ちゃん。俺達を気持ち良くさせろよ?グヘヘへ」

「いやっ、やめ…て、助けてよ、いやああ‼︎」

絶望に塗れたリアの悲鳴が地下牢に響き渡った。

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