第48話 ぺろぺろ(性的描写あり)

※R15の範囲内に収まるように配慮したつもりですが、問題があるようでしたらご一報ください。すぐに修正します。


**********


詩織と一緒に客間に入る。ミノタウロス用の設備だけあってすべてがでかい。ベッドは人間用のキングサイズ数倍はある。


「ちょっと汗を掻いたのでシャワーを浴びて良いですか?」

「ああ、もちろんだ」

 妙に意識してしまって落ち着かない。ふたりとも微妙に声が震えている。

 詩織は数歩歩いてから振り返った。顔は真っ赤で目は泳いでいる。


「あの……良かったらご一緒に」

「そうしたいと思っていた」


 それが合図となった。お互いに相手の服を脱がそうとするが、興奮しすぎていて指がふるえる。もどかしい。

 抱き合いながら、シャワーの魔導具に魔力を注入すると、かなり高い位置から水滴が落ちてくる。

 泡だらけになってお互いの身体を洗い合う。


「もう我慢できない!」

「私も!」

 

 抱き合って互いの唇を貪り、俺の理想そのものとなった彼女の躰を堪能する。


 ぺろぺろ。

 もみもみ。

 こりこり。


 今までの人生でいろいろと辛いこともあったがすべてが報われたように感じた。


 今ならばニーチェの説く「永劫回帰」なる概念も受け入れることができる。来世や天国などは存在せず、人はまったく同じ人生を永久ループで経験し続けるという恐ろしい概念だ。


 初めて知ったときは発狂するかと思ったが、もう大丈夫だ。たとえブラック企業で地獄のような労働に従事しなければならないとしても、最終的にこうやって「ぺろぺろ」できるのであれば、それは良い人生だと言える。


 人生、それはおっぱい。それ以外はすべて二の次。


 ちゅばちゅば。


「し、下も……」

 喘ぎ声をあげていた詩織が赤面しながら呟く。

 あ、すみません。ずっと胸ばかり堪能していました。

 俺の指先は彼女の要求に答えて茂みに向かって南進した。

 

「そろそろいいかな?」

 詩織がびくんびくんと躰を小刻みに震わせているのを確認してから、彼女の双眸を覗き込みながら尋ねる。


「とっくに準備できてます……」

 詩織も俺の目を見つめたまま答えた。



****** 詩織視点 ******


 

 私はドMだ。嫌がりつつも強引にされちゃうのが好き。もっとガンガン来て良いんだよ? 


 彼は紳士過ぎるというか奥手過ぎる。すくなくとも「私としたい」という意思はハッキリと見せてくれないと困る。私も人並みに傷つくので、こっちから誘っておいて空振りという事態はできれば避けたい。


 最近は一歩間違えるとすぐにセクハラとか言われちゃうから、慎重になる気持ちはわかる。だから一歩踏み出しやすいように、OKサインはわかりやすく出しているつもりだ。抱きついて胸を押し当てるとか……ね。


 世間には「最低3回はデートしてから」みたいな考えがあるようなので、そういう常識的な思考に囚われているのだろう。私は「挨拶して天気の話をしたらもう準備OK」ぐらいに思っているので世間とのギャップが激しい。たぶん前世はボノボだったのだろう。


「オークの肉が良いです。それにあの……大きい干しレーズンみたいなのも落ちましたよね。ちょっと味見してみたいです」


 仕方がないのでこちらからモーションを掛ける。

 媚薬効果があるのは知っている。そんなモノを自ら食べたがっているのだから、もはや「やりましょう」と言っているのと同じ。ええ、破廉恥な乙女なんです。ごめんねー。


 オーク睾丸の効果は思った以上にすごかった。もうアレのことしか考えられない。いつもアレのことしか考えてないでしょ? と言われてしまうと返す言葉がないが、とにかくSUGOI(語彙力)。


 モンタロスの差配で今日はふかふかのベッドとシャワー付きの部屋に泊まれるようだ。


「ちょっと汗を掻いたのでシャワーを浴びて良いですか?」

「ああ、もちろんだ」


 いや、そこは「一緒に浴びよう」でしょ。

 ったく、手間がかかる子だなー。


「あの……良かったらご一緒に」

「そうしたいと思っていた」


 じゃあ自分から誘えよ! とツッコミたい気持ちを抑える。まぁ、気持ちよくしてくれるのであればそれで良し。

 

 お互いの服を脱がす。私は馴れたものだが、彼はそれほど馴れていないようだ。ビッチだということがバレないように、ぎこちない手付きを心がける。


 彼のファルスはすでにはちきれんばかりで、直角に近い角度で屹立していた。でかい。入るだろうか……。私が相手で良かったね。処女だったらこんなの絶対に入らないよ?


「もう我慢できない!」

「私も!」


 やっと始まった。

 彼は触るかどうかの微妙なタッチから始めるスタイルのようだ。じっくりと時間を掛けて徐々に強く揉みだし、今は無我夢中になって摘んだりしゃぶったりしている。


 いきなりフォルテシモってのは嫌なので、それ自体は良い。しかし、胸以外にはあまり興味がないようだ。たまに見つめ合ってベロチューするとき以外はひたすら胸ばかりをずっと攻め続けている。


 幸せそうな顔をしているし、結構上手だからまぁいいか。オーク睾丸の効果もあっていつも以上に感じてしまう。


「し、下も……」

 私は我慢できなくなっておねだりした。

 こっちは更に気持ちいい。私は躰を小刻みに痙攣させながら絶頂に達した。


 だけど私が求めているのはこんなものではない。こんな程度の絶頂は何度も経験したことがある。今日こそは頭の中が真っ白になって意識飛んじゃうようなやつを絶対に経験したい。


「そろそろいいかな?」

「とっくに準備できてます……」


 やっとか。いくらなんでも焦らし過ぎだっつーの。


 いきなり痛いぐらいの鷲掴みで揉みまくって、ろくに前戯もせずに挿入し1分も持たずに果てて勝手に賢者モードに入った挙げ句、「あれ、君まだいたの?」とかほざく——そんな男も過去にはいた。


 そんなのに比べたら焦らし過ぎのほうがいいけどさー。

 本番はこれから……今晩は私の意識が飛ぶまで付き合ってもらいますよ。ふふふ。

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