第46話 Breast Expansion
クロームアリゲーターを倒している間にボスのワニが間近まで迫っていた。
いつも通り腹に【ストーンランス】を突き刺して動きを止めて、更に【
後は掃討線だ。『鉄鋲の大盾』に持ち替えて『ウォーター・ビーム』に備えつつ魔法のみを使って、残りの雑魚を倒していく。詩織は俺の後ろで補助魔法を掛け、たまに味方が被弾すると、すぐに回復魔法を掛ける。
詩織も立ち回りが上手くなってきた。念のために彼女の後ろには土壁も作っている。万が一、ワニが背後に廻って襲いかかってこないためだ。まずありえないが、この階層の敵は彼女の適正レベルよりもずっと上なので念には念を入れた。
余裕がある時に実戦での使い方を覚えてほしいので、敵が1匹だけ残ったところで、光属性の攻撃魔法で詩織にワニを倒させた。
15分ほど戦って計61匹を倒し、45,440マカを獲得。文字通り桁が違う。クローム・アリゲーター1体で3万マカ以上だ。自分の獲得分の11,360マカを手に入れ詩織のレベルが一気に上がる。
それは驚異的な光景だった。奇跡。そうだ俺を奇跡を目撃しているのだ。眼の前で彼女の胸が風船のようにどんどん膨らんでいく。
普通の服なら破けてしまうのだろうが、残念ながら彼女の装備はマジック・アイテムなので破れることはなかった。それでもはち切れんばかりに張り詰め、魅惑的なフォルムをはっきりと示してくれる。いわゆる乳袋状態だ。
尻や太ももも更にむちむちになっていくが、ウェストはすこし肉付きが良い程度のままを維持している。視界の内に入ってくるだけで理性を失いそうな躰になってしまった。
容姿も更に若く可愛くなっている。最初に会ったときはクラスで2番目ぐらいの可愛さだったが、今は清楚系のトップアイドルのような容姿だ。
自分の場合はたまにスマホや鏡で確認しながら、結果的に別人のような容姿になったが、目の前でリアルタイムで変身するのを目撃するとまさに奇跡としか言いようがない。
詩織は数分間のあいだ恍惚とした表情を浮かべながら、ガッツポーズを作って飛び跳ねていた。
ぶるんっ!
ぶるるんっ!
やがて彼女は俺の視線に気づいて抱きついてくる。
「ありがとうございます! お屋形さまのおかげでこんな素晴らしい経験ができました!! 一生ついていきます!!!」
「おめでとう! 一気に成長したね!!」
押し付けられて潰れているスイカほどの大きさに成長した彼女の胸に釘付けのまま、俺もハイテンションで答えた。
詩織はその視線に気づくと、半歩身を引いて自分の目でその変化を確認して驚いている。
「あの……、大きすぎますか?」
詩織は頬を染めて、上目遣いで尋ねてきた。
「そんなことないよ! 大きければ大きいほど良いよ!! 地球の直径を超えなければ大丈夫!!!」
性癖を思いっきりぶちまけた発言をしていることに気づいて、俺は冷や汗を背中に感じた。しまった。せっかく今までクールなイメージを作ってきたのに台無しだ。
「嬉しい!」
詩織がふたたび抱きついてくる。
俺もしっかりと抱きしめ返す。
彼女が背伸びをして瞳を閉じる。
これはもしかして! 良いんですか?
一瞬だけ躊躇したが、ここは行くしかあるまい。
俺は震えそうになる体を必死に制御しながら、そっと唇を重ねた。
至福。
生きててよかった。
すると背後から「こほん」と咳払いが聞こえる。
「あー、オヤカタサマよ、子作りは夜になってからしてくれないか? とりあえずドロップ品は集めて余のアイテムボックスに入れておいたぞ。次はどこに向かう?」
モンタロスにそう言われて俺たちは慌てて離れた。詩織の顔は真っ赤になっている。たぶん俺の顔も同じだろう。
「こ、子作りって……なに言ってんだよ。……ねぇ」
そう言って詩織のほうをちらりと見やると彼女は聞こえるかどうかのかすかな声で呟いた。
「そ、そうですよね。夜……ですよね?」
え!
いまでこそ女子高生のような年齢に見えるが、地下7階で最初に彼女を見たときは30歳ぐらいの見目だった。お互い子供ではないのだから、そういうことで良いのかな。こういうのは勢いが大切だ。遠慮せずに頂ける時に頂いておきましょう。
想像するだけで鼻血が出てきそうだ。
詩織はレベル9からレベル18まで一気に上がった。
しかもステータスが倍増するレベル10のレベルアップを含んでいる。
たった1戦でステータスが4倍以上伸びている。
いろいろな意味で別人だ。
一方、俺がレベル30に上がるために必要なマカは41,690で、アヤさんの進化に必要なマカは46,180だ。
レベルが上がるごとに要求されるマカが指数関数的に増えるのでこういうことが起こる。
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