第32話 倒れるときは前のめり

 引き返すことも考えたが、この部屋からあの床の切れ目までの助走距離は十分ではない。仮に越えることができたとしてもホールにいたミノタウロス軍団を突破して入り口まで戻るのはかなり難しい。

 ちゃんと数えてはいないがたぶん100体はいた。


 この先で待ち受けているのはミノタウロス・キングだろう。当然、ミノタウロス・ジェネラルより強いはずだ。単独ならばまだ勝算はあるが、軍団を率いていたらまず勝ち目がない。進むべきか戻るべきか……、思考が堂々巡りしていつまで経っても決断ができないでいた。


 すると、横になってリラックスいしていたアヤさんがすっくと立ち上がって大扉の前に向かう。


「んにゃーおん!(行くぞ)」

「うぃっす」


 そうだよな。穴に落ちて死ぬよりもボスと戦って死んだほうがマシ――「倒れるときは前のめり」って奴だ。

 俺は覚悟を決めて、大扉を押し開いた。


 中はホールになっていた。ミノタウロス・ジェネラルがいたホールよりも更に一回りでかい。すこし嫌な予感がしたが、ホールには誰もいなかった。

 奥に天使ラクスティーケの大きな像があるだけ——牛久大仏程はでかくない。韮崎の観音様ぐらいのサイズ感だ。


 他に何も見当たらないので、像を【鑑定】してみると『アダマンタイト製の像。魔法結界が張られている』と出た。特殊な像のようなので、真下まで行ってみる。


「いやー見上げる下乳って最高だよね。ぐふふ」

 ラクスティーケ像を見上げながら呟くと、後方に光が生ずる。

 振り返ると、床に魔法陣が現れ、そこから身長5mほどある巨大なミノタウロスが出現した。


【鑑定】

ミノタウロス・キング

種族  ハイ・ミノタウロス

レベル 40

HP  6500/6500(+1500)

MP  1800/1800

膂力  5100(+1400)

体力  5000(+800)

知力  1900

素早さ 900

器用さ 800

直感  1200

運   4000(+2000)

※下2桁切り捨て

戦技  【閃光列刃】【高速シールドバッシュ】

スキル 【斬魔剣ざんまけん】【撥衝波リペレント・ショックウェーブ】【指揮】【統率】【鼓舞】【交渉】

    【念話】【アイテムボックス】

魔法  【氷】【水】【光】【回復】

耐性  【麻痺】【石化】【水】【氷】【土】【火】

※+4以上のみ表示


【分析】

攻撃手段  近接武器、魔法

弱点部位  背中、足首

弱点属性 【毒】【火】

特記事項  一騎打ちを好むが負けそうになると仲間を呼ぶ。

      格好つけてフィニッシュブローを決める。


【鑑定】(装備)

ミノタウロス王の冠

種類    アクセサリー

クラス   レリック

アビリティ 幸運+100%


ミノタウロス王の大剣

種類    武具

クラス   レリック

属性    物理、光

物理攻撃力 850

魔法攻撃力 1010

固有戦技  【閃光列刃】

アビリティ 膂力40%向上、HP30%向上

その他   【自動装備】


ミノタウロス王の大盾

種類    防具

クラス   レリック

攻撃属性  物理、光

固有戦技  【高速シールドバッシュ】

物理攻撃力 450  

ダメージカット率  

物理・土  100%

火     50%

風     60%

水     65%

氷     70%

雷     60%

光     90%

アビリティ 体力20%向上

その他   【自動装備】

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