第30話 再チャレンジ!
宮殿の大扉はいつの間にかまた閉まっていたが、押すと普通に開いた。50mほど先の右側に部屋があり、100mほど先の左側にも部屋がある。
それぞれの部屋にはミノタウロスが7体ずついることを【魔力感知】が教えてくれているが、最悪なのは両方の部屋の敵たちと同時に戦う羽目になってしまうことだ。
部屋の距離から言って、異変に気づいた敵が外に飛び出してくる可能性は十分にある。
忍び足で最初の部屋まで近づいて、ゆっくりとドアを手前に引いてから後退りする。そしてドアの前に立ったアヤさんが、口から【ファイヤーボール】を吐き出して、更に【挑発】を掛ける。
敵が得物を握って部屋から出てきたところを毒矢で射る。それと同時にアヤさんがふたたび【ファイヤーボール】を放つ。俺が斜め45度ぐらいの角度から攻撃し、アヤさんが部屋の真正面から攻撃するという配置だ。
3体目が部屋から飛び出そうとしているところを【ストーンランス】で下から突き刺す。事前に魔力を練っておいたので普通の物よりも硬い。
外に出てきた2体のうちの1体はすでに毒状態になっており、徐々にHPが減っていた。アヤさんが火属性を付与した爪攻撃を出した際に、もう1体の方も毒矢で射る。そして更に【ストーンランス】で足止めされている敵にも毒矢を使う。3体ともミノタウロス・ガード(LV27)だ。
毒で動きが悪くなっている敵をステータス差に物を言わせて、殴り続けて3体を屠る。
するとようやく【ストーンランス】を壊すことに成功した4体目のミノタウロスガードが部屋の外に出てきたので、弓矢で射る。さすがに予想していたようで大盾を使ってブロックするが、がら空きになった側面にアヤさんが【
敵はなかなかしぶとくまだ持ち堪えている。「ガード」というだけあってなかなか硬い。彼は一旦バックステップで部屋の中に戻ったが、そこをアヤさんが【フレイムランス】でとどめを刺した。
残り3体は警戒してなかなか部屋から打って出ようとしない。俺たちは大扉前まで一旦引いて、部屋から出てくる敵を待ち構えた。
ドアを閉めるには一旦外に出なければならないのだが、敵はドアを開け放したまま放置している。俺たちはそのまま5分ほど待ってМPを自動回復させた。
そしてふたたび忍び足で近づいていくと、俺とアヤさんはスキル【隠密】を獲得した。今までより上手に気配を消すことができるのを実感する。
開け放しになっているドアにから中を覗き見ると3人とも椅子に座っていた。安心するのが早すぎるだろ。
俺は息を殺して毒矢をミノタウロス・コマンダーの顔面に叩き込む。タイミングを合わせてアヤさんが部屋の中に飛び込んで、別のミノタウロスに火属性付与の【乱撃爪】を連発すると6発目の連撃で、敵は溶けた。
俺も部屋の中に突入するこちらに向かって片手剣を振り下ろそうとしているミノタウロスガードに【
最後に残ったミノタウロス・コマンダーが槍を俺の横っ腹に突き立てるが、その槍が体に少し刺さったタイミングでアヤさんが『火炎咆哮ブレス』を吐いた。
俺は槍を引き抜いてからミノタウロス・コマンダーに【雷束撃】を浴びせ、続いて【フレイムランス】を叩き込む。同時にアヤさんの【ファイヤーボール】もヒットして勝負がついた。
アヤさんの【咆哮】は威圧効果がある有効なスキルだがかなり大きな音をだす。こちらの部屋の異変に気づいて、別の部屋にいたミノタウロス達が駆けつけてくる足音が廊下に響いている。
しかし、これは却ってこちらに好都合だった。部屋の中に1体入ってきたタイミングで、2体目のミノタウロスを土魔法の【ストーンランス】で下から攻撃し、その間にアヤさんが1体目の方を倒す。
ステータスに差があるので、ミノタウロス・コマンダー以外は1対1で勝負にならない。この作業を繰り返してから、最後に残ったミノタウロス・コマンダーを2体1で倒した。
ダメージはそれなりに受けたが、HPが2割以上減ることはなかったのでほぼ完勝と言ってよいだろう。
それぞれの部屋には宝箱が置いてあり、マジック・ポーション(効果中)3個セットと大盾が出てきた。
種類 防具
クラス レア
攻撃属性 物理
固有戦技 【シールドバッシュ】
物理攻撃力 250
ダメージカット率
物理・土 100%
火 40%
風 45%
水 55%
氷 65%
雷 45%
光 70%
闇 35%
その他 【自動装備】
かなり大きいので普段はちょっと邪魔かもしれないが、【自動装備】がついているので上手くスイッチングして使いこなせば、戦闘の幅が広がりそうだ。
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