第12話
「ほぉミノタウロス...当たりだな」
「じゅるっ...やっぱりダンジョン産の牛肉は生きてても美味しそうだねぇ~!」
「なんなのこの二人は...まぁいいか...【上位火炎魔法】」
ルナの言葉とともにルナの周りが熱気に包まれる。
”白雪ちゃん既に食材としか見てないの草”
”言葉にしてないだけで多分玲瓏もそうだぞ”
”まぁS級以上からしたらミノタウロスなんてホントにただの食材だろうし...”
”ダンジョン産は希少価値も高いからそういう意味でも当たりだな”
”ルナちゃんVSミノタウロス...ランクで言えば適正ランクかそれより少し下くらいか?”
”万が一にも負けることはないだろうが少し緊張するな”
「ブモォォォォォォォ!!!!」
ミノタウロスは突進しながらルナの2倍はあろうかという斧を薙ぐ。だがそれはルナに触れることすらなく、ルナはいつのまにかミノタウロスの背後にいた。
「《陽炎》」
「ブモッ!?!?」
咄嗟にミノタウロスは斧を振るうが、やはりあたらない。ミノタウロスも段々とイラつき始め、見境なく斧を振るようになった。
「《煉獄》」
ルナがそういいながらミノタウロスの身体の一部に触れるとその部分が燃え始め、すぐに全身に広がっていく。
「モォォォォォォ!?!?」
「無駄だよ、その炎はお前が死ぬまでその身を焼き続けるから」
「モ......モォ.....ォ.....」
ミノタウロスは1分もしないうちに焼き尽くされ消滅した。
”おおおおおおおお!!”
”すげぇぇぇぇぇぇ!”
”全然楽勝じゃねぇかwww”
”あの陽炎?って魔法が強すぎるww”
”ミノタウロス完全に見失ってたしなw”
”これがAAAか...”
”まぁこの子AAAって言っても限りなくSに近いAAAだから...”
”そうなん?”
”何気に煉獄もヤバイ”
”多分触らないと使えないんだろうけど相手が死ぬまで発動するってのが強すぎる”
”このパーティ強すぎな”
”ここまで安心して見れるダンジョン配信なかなかないww”
「おつかれー」
「おつ~」
「どうだった二人とも?」
「うん、余裕がある戦い方でよかったんじゃないか?」
「陽炎と煉獄も相性よくていいね!」
「ありがとー!」
「でもその実力ならもうS級くらいはあるんじゃないか?」
「それ私も思った!探索者協会で測定したらSって出るんじゃないの?」
「いや~半年前くらいに測定したんだけどね?魔力量が足りなくてさ...ギリギリAAAで留まっちゃったんだよね...」
”魔力量かー...”
”難しいな...”
”魔力量なんて生まれたときにほとんど決まってるようなもんだからな”
”魔力量伸ばすのはキツイよなぁ”
”ホントにあと少しでSだったんだけどな”
「魔力量?どれくらい足りなかったんだ?」
「え?たしか570くらいだったかな?」
「それぐらいなら今日中に増やせるぞ?」
「...え?」
”え?”
”え?”
”え?”
”は?”
”こいつ何を言ってるんだ?”
”そんな簡単に増やせてたまるか”
”流石にそれはダウト”
”無理に決まってるやろ”
”嘘はあかんぞ”
「いやいやホントだって、下層限定だけど500くらいならすぐに増やせるよ」
「下層?...え?下層?」
「うん、下層」
「無理です」
「行くぞぉ~」
「いやぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!」
六花はルナを担ぎ全速力でダッシュし、下層へ向かった。
◇◇◇◇
六花は下層に着くとルナを降ろすと、開口一番にこう言った。
「よし、今からちょっと死にかけるけど我慢してくれよな」
「え?」
「だいじょ~ぶ、私も前にそれやったから~」
「それなんの根拠になるの!?」
”ルナちゃんさらっと白雪ちゃんも人外認定してて草”
”実際人外”
”馬力が違うしな”
”女の子が持ってていい火力じゃない”
”てかここからどうするんだ?”
”下層じゃないとできないことだろ?”
”うーんわからん”
「えーっと...うんこれでいいかな~」
六花は紫色の霧のようなものを見つめながら言う。
「これでいいって...魔力溜まりのこと?」
深層や下層、一部の魔力密度が高い中層に発生し、近づくと眩暈や吐き気、動悸などの様々な症状を引き起こす危険なものである。
「そうそう、......で、ルナさんにはこれを食べてもらいます」
「死んでほしいなら素直にそう言ってくださいよ!!」
「ええええ!?死にかけては欲しいけど死んでほしくはないよ!?」
「えええええ!?じゃあどういうことですか?」
”玲瓏お前が間違ってるぞ”
”※魔力溜まりは食べ物ではありません”
”近づくだけでも危険なので食べるなんて言語道断です”
”良い子は絶対にマネしないでください”
”悪い子も真似しないでください、死にます”
”死にますw”
”単純かつ一番わかりやすい警告で草”
◇◇◇◇
短めですみません。
次回:ルナの覚醒イベント(?)
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