第3話

「はい、下層に着きました。」


”おおおおおお!”

”入口から上層、中層と雰囲気が違う”

”上の層に比べて全体的に暗いしなんか禍々しい感じ”

”こわぁ...”

”ここから出てくるモンスターとか大分変わってくるんだろ?”


「おっ丁度いいコメントがありましたね...そうです、ここからはゴブリンとかオークだとかそういうモンスターが出てこなくなるんですよねぇ」


そう言いながら六花はここにきて初めてスキルを使用した。


「《氷壁》」


六花が唱えた瞬間、氷でできた壁が六花の視界全体に広がり、


”え?”

”え?”

”は?”

”いやいや、何にも見えんかったって!”

”今のどうやって防いだん?

”もしかしてスキル?”

”氷魔法なんて聞いたことないからスキルだと思う”

”でもさぁ”

”うん”

”なーんか”

”拍子抜け感が”

”もっとぶっ壊れてるかと”

”今のところ2位のスキルの方が強そう”


「今のはリッチの斬撃魔法ですね、魔力壁じゃないと貫通して斬撃が飛んでくるので注意が必要ですね」


カンカンカンカンカンカンカンカンカンカン!!


リッチによる斬撃魔法は六花の氷壁に傷一つつけることなくぶつかった瞬間に消滅している。が、六花もそろそろ飽きてきたのか


「《氷槍》」


氷でできたその槍は、リッチが何度攻撃しても無傷だった氷壁を紙のように貫通し、その向こうにいるリッチをも貫通した。それが致命傷になったのか、リッチは霧のように消え、ドロップ品を落とした。


「あー言い忘れてましたけど...」


「リッチは霊体なので物理攻撃が効きません、魔法で攻撃しましょう。」


”前言撤回、普通にクソ強ぇわ”

”何今の攻撃力...”

”攻撃力も貫通力も桁違いなんだが”

”攻撃も防御も1級品かよ”

”でもまだ2位の方が強い”

”まぁ期待値は高くなったから...”

”自分自身の全ステータス10倍だっけ?”

”そのくせ適性属性も3つあるしな”

”そう考えるとなんでこいつ1位なんだ?”

”何かしらそれを上回るものがあるんやろなぁ”


「ん」


突如暗闇の向こうから無数の炎が飛んできた。六花はそれを一瞥すると、その中から


カンッ


デコピンされた炎は跳ね返り他の炎に向かっていった。衝突した炎は片方が消え、残った方の炎はまた別の炎に向かい衝突し、同じことを繰り返す。やがて炎は一つだけになり


”は?”

”は?”

”は?”

”は?”

”今何が起こったん?”

”奥の方から炎が飛んできてそれをデコピンしてたな”

”んー意味わからんw”

”スキルすら使ってねぇww”

”ここって下層だよな?”

”少なくとも上層中層ではこんなモンスター見たことないですね...”

”てか結局今の何だったん?”

”炎使ってくるモンスターだとウィザードとかウィッチじゃない?”


「今のコメントした人、正解です。今のはウィザードですね。ウィザードは今のように複数の炎を撃ってきて、ウィッチは大きい炎を1発撃ってきます。」


「ウィザードの場合手数は多いですが一つ一つの威力は大したことないので上層のスケルトンと同じやり方で相殺できます。」


”相手全員に跳ね返ってあたるように調節するってやつ?”

”それにしたって炎デコピンはおかしいやろ”

”炎をデコピンとはこれいかに”

”炎は物理だった...!?”

”もう訳わからんww”


「では2階へ行きましょうか」


下層の2階は1階とは打って変わり草原のような場所だ。花は咲き誇り木々が生い茂っている。だが、それに似つかわしくない巨大な蜂と人の3倍はあろうかという巨体と蟷螂カマキリがそこにはいた。


弾丸蜂バレット・ビー鋼鉄蟷螂アイアン・マンティスですね。バレット・ビーは弾丸のような速度で針を突き刺しに突進してくるところから名づけられ、アイアン・マンティスは見た目の通り全身が鋼鉄でできているところから名づけられました。」


バレット・ビーは聴覚が良いのか100mほど離れていた六花を正確にとらえ、全速力でこちらへ向かってきた。弾丸のような、と言っておきながらその速度はゆうに弾丸を越える。


「《氷槍》」




ドゴォォォォォォン!!




バレット・ビー六花が激突した。





◇◇◇◇

下層は後1話か2話、深層は決めてません。

初美少女枠を帰り道に使うかコラボに使うか考え中。


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